【インタビュー】「ファンティック」がロードレースMoto2に参戦した理由、ナゼMoto3ではなく?

「Motori Minarelli」の買収と、ファンティックのオンロード参入

 ファンティックはなぜ、オンロード市場に進出しようとしているのでしょうか。もちろん、理由は規模の拡大です。そこには、「Motori Minarelli」(以下、ミナレリ)の買収が関わっています。

ファンティックの副社長、マリアーノ・ローマンさん。過去にはアプリリアのテクニカル・マネージャーを務め、ミナレリとともに多くのエンジン開発に携わった
ファンティックの副社長、マリアーノ・ローマンさん。過去にはアプリリアのテクニカル・マネージャーを務め、ミナレリとともに多くのエンジン開発に携わった

 ファンティックは2020年末、エンジンを製造するミナレリをヤマハから買収しました。ファンティックはカンパニーとしての規模を拡大し、同時に生産ラインを増やしました。ボローニャにあるミナレリの工場では、ヤマハの子会社だった時代はエンジンだけを製造していましたが、現在では、車両の組み立てなども行なわれています。

「実際のところ、ミナレリは会社を大きくしています。バイクの売り上げを増やすためには、規模を大きくしなければなりません。バイクの主な市場は、オフロードではなくオンロードです。オフロードは最大でも市場の10パーセントですからね。規模を大きくしたいのであれば、私たちは市場の90パーセントを占めるロードバイクを製造し、宣伝しなければならないのです」

 なるほど、レースによるプロモーション効果やブランディングの向上を考えれば、2輪ロードレースの世界ではトップクラスの人気を誇るロードレース世界選手権という舞台を選んだのはよく理解できます。

「私たちがMoto2でとても強い存在になったときのイメージは、世界各地でブランドをプロモートするのに非常に重要なのです。グランプリ1戦につき、10億人の観客がファンティックのブランドを見ることになります。これは非常に大きな数字であり、非常に重要なことなのです」

 もちろん、ファンティックはレースの現場で得たノウハウを、ストリートバイクの開発に生かしたいとも考えています。レースには20人ほどが関わっており、全て、ファンティックの社員です。

「同じスタッフが、双方向(レーシングマシンとストリートバイク)から取り組んでいるのです。もし彼らがMoto2バイクについて興味深いものを発見したら、かれらはストリートバイクの開発にその情報を生かすことができます。レースの情報と製品のストリートバイクには強い関係性があるんです」

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