初心に立ち返り気が引き締まる! やっぱり好きだ名車「CB1300スーパーフォア」
その体躯はあくまでもセクシー&ワイルドであること。2004年3月21日でHonda Dreamより発売されたのが「CB1300 SUPER FOUR SP」です。プロジェクトBIG-1の最新モデルに、バイクジャーナリストの青木タカオさんが乗りました。
大きい見た目とは裏腹に
見た目では圧倒されるほどの大きさ、堂々たる迫力を感じますが、走り出すと意外なほど軽快で扱いやすい。クセのないハンドリングで、意図したどおりに操れます。
しっとりとした足回りと、落ち着いた車体。1300ccもの排気量を持つビッグバイクでありながら、常用速度域でストレスを感じることがありません。
熟成を重ねてきた水冷並列4気筒DOHCエンジンは、スロットルオンで怒涛のトルクを解放し、高回転域では直4ならではの高揚感が味わえます。
ワインディングは俊敏ですし、高速道路でのハイスピードクルージングも余裕でこなす。苦手なシチュエーションのないオールマイティなキャラクターで、全方位に秀逸だからこそ長きに渡り愛され続けてきました。
これぞ、ホンダCBシリーズのフラッグシップ、国産ビッグネイキッドの指標と言えるでしょう。『CB1300スーパーフォア』です。その最新モデルに乗ることができました。
普遍的なスタイルで初代がデビュー!
BIG-1シリーズが誕生したのは、筆者が限定解除をした19歳のとき。1991年(平成3年)の東京モーターショー(幕張メッセ)で『NR750』や『CBR900RR』らとともに『CB1000スーパーフォア』が参考出品されました。
フルカウルのレーサーレプリカ系より、ネイキッドに惹かれていたその頃の自分は、白×赤の新型車両にかぶりつくようにして眺めました。
当時のホンダ国内大型ラインナップは『パシフィックコースト800』や『VFR750F』、『ナイトホーク750』などといった顔ぶれで、自分が欲しいと思ったのは逆輸入車の『CB1100R』や『CBX(10000)』たち、高嶺の花でした。
そこへきて、正統派ともいえるオートバイらしいスタイル。太いタンクやシンメトリーな左右出しのエキゾースト、ツインショックなど、これぞビッグバイクと言わんばかりの勇ましさがあったのです。
『CB1000スーパーフォア』(SC30)は1992年に発売され、翌93年には約4000台を売るヒットモデルへ。96年には大型二輪免許の教習所取得が解禁されたことも追い風となり、ビッグバイクブームが訪れます。
直4ビッグネイキッドは日本を代表するカテゴリーへ
ビッグネイキッドは日本を代表するカテゴリーのひとつとなりますが、そのシーンを力強く牽引。98年に排気量を拡大し『CB1300スーパーフォア』(SC40)となり、前後18→17インチ化。全高とホイールベースをわずかに増やしながら、シート高を10mm引き下げました。
このとき、シリーズ中最大の記録となった年間4600台を売り上げます。空冷風に冷却フィンを切ったエンジンを採用し、大きさや威圧感を増すなど、外観もガラッと印象を変えました。
3代目BIG-1『CB1300スーパーフォア』(SC54)は2003年に登場。グラマラスな車体からシャープなボディへと変身を遂げ、車両重量はマイナス19kgの254kgに。フューエルインジェクション(FI)を初採用し、エンジンからフィンがなくなっているのも見逃せません。
2005年のマイナーチェンジで、ハーフカウルを備える『CB1300スーパーボルドール』もラインナップに加わります。高速道路二人乗り解禁に対応したものでした。
25周年を迎えた2017年にヘッドライトをLED化、サスペンションをオーリンズにし、ブレンボのブレーキを装備したSP仕様が19年モデルでタイプ設定。21年式でスロットルバイワイヤを採用し、ライディングモードやクルーズコントロールなど電子制御を充実させています。