東京工科大学の学生が作った「水素燃料電池の特定原付」!? 小型化が難しい技術を学生がどうやって実現したのか?

電動モビリティに造詣の深い近藤スパ太郎さんがジャパンモビリティショー2024で発見した東京工科大学の学生が作った「水素燃料電池の特定原付」について解説します。

水素燃料電池って、小型化が難しい…と言われていたんじゃないの?

 こんにちは! 先進モビリティに興味津々の近藤スパ太郎です。 今年のジャパンモビリティショーは、スタートアップ企業が145社も出展していました。

「Chat Kart水素燃料電池改」の車両を製作した東京工科大学 陸海空ロボティクス(福島)研究室に在籍するお二人。向かって右が工学部4年生の菅原陸さん、左が同大学院工学研究科 博士課程2年の荒井大地さんです
「Chat Kart水素燃料電池改」の車両を製作した東京工科大学 陸海空ロボティクス(福島)研究室に在籍するお二人。向かって右が工学部4年生の菅原陸さん、左が同大学院工学研究科 博士課程2年の荒井大地さんです

「なんだコレ?」とボクが注目したのは、電動モビリティブランド「エベサー」を展開するHundredths(株)のブース。水素燃料電池で発電しながら、小さな車両「Chat Kart水素燃料電池改」がフリーローダーの上を走っていたのです。 聞くと、ナント製作したのは東京工科大学の学生でした!

 燃料電池車とは、走行時にCO2を排出しないゼロエミッション車のひとつで、車両に搭載した燃料電池という発電機で発電し、電気で走る車両のこと。FCV(Fuel Cell Vehicle)と呼ばれています。

 発電には水素やメタノールなどを使用し、水素燃料電池は水素と酸素の化学反応によって発電し、排出されるのは水のみ。トヨタの「ミライ」など市販自動車はあるのですが、現在は水素ステーションの数が少なく、普及には至っていません。

そして、クルマに搭載する燃料電池は、「水冷式」の大型の物が一般的で、小型化は難しい…と言われていました。

スズキ「バーグマンフューエルセル」カットモデル(2013年6月撮影)。200ccのスクーターバーグマンがベース車両です
スズキ「バーグマンフューエルセル」カットモデル(2013年6月撮影)。200ccのスクーターバーグマンがベース車両です

ところが、スズキがバイクにも積める「小型で軽量な空冷式の燃料電池」を開発し、2017年には「バーグマン フューエルセル」18台にナンバーを取得して実証実験を行っていました。圧縮水素とインホイールモーターを使って、最高速度75km/h、航続距離は120km(時速60km定地走行/スズキ社内テスト値)を実現していますが、車両の発売はされていません。

スズキ「バーグマンフューエルセル」に搭載した空冷式の水素燃料電池ユニット(2016年5月撮影)
スズキ「バーグマンフューエルセル」に搭載した空冷式の水素燃料電池ユニット(2016年5月撮影)

 スズキがイギリスのインテリジェントシナジー社と共同開発をし、車両のタンデムシート下側に搭載していました。小型化に成功したとは言え、燃料電池の大きさはこんなに大きいのです。

 それを学生が、こんな小さい車両に搭載している事に、「えっ、どうなってるの??」とボクは驚いたのです。

【画像】東京工科大学の学生が手掛けた「Chat Kart水素燃料電池改」を画像で見る(11枚)

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