「天空の茶畑」へ続く36のヘアピンカーブ『太平三十六彎』 台湾の嘉義市を代表するヒルクライムコース

豊かな自然と起伏に富んだ地形を持つ島国、台湾には、数えきれないほどのヒルクライムコースが存在します。今回は、台湾中西部の街「嘉義(じゃーいー)」を代表する名コース「太平三十六彎(たいぴんさんじゅうろくわん)」を紹介します。

台湾を全身で感じながら登る、標高1000mの名所

 豊かな自然と険しい地形が魅力の台湾。この島国には、起伏に富んだ地勢を活かしたヒルクライムコースが数多く存在しています。今回は、台湾中西部に位置する歴史ある街「嘉義(じゃーいー)」を代表する名物コース、「太平三十六彎(たいぴんさんじゅうろくわん)」を紹介します。曲がりくねった36のカーブが続くこのコースは、台湾のヒルクライムの醍醐味を存分に味わえる名所として知られています。

梅山の市街地から直登を終えると、全36コーナーのうちの、第1コーナーが現れます
梅山の市街地から直登を終えると、全36コーナーのうちの、第1コーナーが現れます

 嘉義市街地から「太平三十六彎」の登り口となる麓の町、「梅山(めいしゃん)」までは距離にして20kmほど、自転車で走ること1時間くらいで到着します。

 登坂距離は約12kmで、標高差700m以上を駆け上がるボリューム満点のヒルクライムです。なんと言ってもこのコースの特徴は「三十六彎」です。「36のコーナー」という意味で、繰り返し現れるヘアピンカーブが、美しい九十九折りの道を山の斜面に刻みます。日本で言うと、日光の「いろは坂」のようなイメージでしょうか。

 コーナー毎に番号の振られた標識が現れます。このヒルクライムコースのフィニッシュとなる「大平」は標高1000mで、標識には標高や周辺の名所までの距離が書かれており、この先に残る標高差を確認しながら進むことができます。

コーナーには番号が付けられていて、2つの看板が立っています。新旧の看板でしょうか?
コーナーには番号が付けられていて、2つの看板が立っています。新旧の看板でしょうか?

 視界に巨大な吊り橋「嘉義梅山太平雲梯(じゃーいーめいしゃんたいぴんうんてい)」が入ってきたら、フィニッシュはすぐそこです。

 しかし、登坂ルートは真っ直ぐ吊り橋に向かってはくれません。これでもかとスイッチバックを繰り返すので、目の前に見えている吊り橋がなかなか近づいてこないのです。

 とうとう迎えた36番コーナー。あとは少しの直登区間が残るだけ。そして吊り橋の下をくぐったらフィニッシュです。

メインコースのフィニッシュから、大平の旧市街を抜けて、さらに登っていくと一面に「天空の茶畑」が広がります
メインコースのフィニッシュから、大平の旧市街を抜けて、さらに登っていくと一面に「天空の茶畑」が広がります

 そのまま少し進むと、大平老街という旧市街があり、食事どころや、土産屋が並びます。さらに大平老街の入口には、こんな山奥に!? と思うような場所にセブン-イレブンまであるので、補給食や飲み物の購入に困ることもありません。

 体力に余裕があれば、大平老街の先に続く登り坂を進んでみるのがオススメです。急斜面に張り付くように広がる「天空の茶畑」を見ることができます。さすが、お茶どころの台湾といった絶景を、ぜひ目に焼き付けておきましょう。

ヒルクライムのメインコースは、吊り橋の直下がフィニッシュ地点です
ヒルクライムのメインコースは、吊り橋の直下がフィニッシュ地点です

 吊り橋を渡ることもお忘れなく。「太平雲梯」は長さ281m、標高1000mに架かる、台湾で最も長く、高いところにある吊り橋です。100TWD(約470円)で入場券を購入します。先ほど登ってきた美しい九十九折の道を見下ろしたり、雲の切れ間から下界の町並みが覗いたり、その高度感を存分に味わうことができます。

 観光地なのでクルマの量はちょっと多いですが、道はしっかり整備されていて、道幅も十分です。補給場所にも困らないので、嘉義を訪れたサイクリストの皆さんには、ぜひ挑戦して欲しいところです。想像以上の絶景が迎えてくれますよ!

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Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

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