最新は最良か!? BMWのツーリングウエポン 新型「R 1300 GSアドベンチャー」をスペインで試す!

日本では2024年9月より導入された、排気量1300ccの水冷水平対向2気筒(ボクサー)エンジンを搭載するBMW Motorrad新型「R 1300 GS Adventure(アール・センサンビャク・ジーエス・アドベンチャー)」は、「R 1300 GS」が持つトラベル・エンデューロの特徴を拡張させ、オプションでシフトチェンジ操作を自動化した「ASA」を初めて採用したアドベンチャーモデルです。どのような乗り味なのでしょうか。試乗しました。

アドベンチャー・セグメントの王者、最新版となって遂に登場

 BMWモトラッドの人気モデルで販売面でも大きな役割を持つ「GS」シリーズ。中でもBMWの伝統的な水平対向(ボクサー)エンジンを搭載した「R 1300 GS」シリーズへのモデルチェンジでまた新たなトビラを開きました。先代の「R 1250 GS」系から見ると、「アドベンチャーバイク=デカイ!」という方程式からシフトし、見た目も跨がってもコンパクトなものとなりました。

BMW Motorrad新型「R 1300 GS Adventure」に試乗する筆者(松井勉)
BMW Motorrad新型「R 1300 GS Adventure」に試乗する筆者(松井勉)

 1年の時間を経て、登場が待望されたのが「R 1300 GS Adventure(アール・センサンビャク・ジーエス・アドベンチャー)」です。1989年に登場した「R 100 GS PARIS-DAKAR(パリ~ダカール)」というモデルをルーツにした、舗装路・未舗装路性能や、長距離移動に適した装備を持たせたバイクです。世界一過酷なモータースポーツと言われる、パリ~ダカール・ラリーで当時4勝を納めたBMW「GS」のイメージを下敷きに造り出したモデルです。

 その後、2002年からは「R 1150 GS Adventure」へと受け継がれ、旅するバイクの純度をさらに上げています。今作で4代目となる「R 1300 GS Adventure」は、こんな特徴を持っています。

「R 1300 GS」から11リッター増量された30リッター容量の燃料タンクや、大型化されたウインドシールドまわり。その高さを電動調整できるのも特徴です。快適なシートフォームにはシートヒーター、レーダー波による追従型クルーズコントロールも備えます。

 また、車速によって自動的に車高を調整するアダプティブ・ライドハイト・コントロールも標準装備。停止時には車高を30mm下げ、50km/h以上になると車高が自動復帰するというものです。

 灯火類では補助ヘッドライトが標準装備されることも「アドベンチャー」の伝統です。ダート走行での安心感とタフさを印象付けるエンジンプロテクションバーも標準装備します。

BMW Motorrad「R 1300 GS Adventure」(2024年型)カラー:レーシング・レッド
BMW Motorrad「R 1300 GS Adventure」(2024年型)カラー:レーシング・レッド

 エンジンは排気量1300cc、最高出力107kW、最大トルク149N.mで、そのスペックは「R 1300 GS」と同じです。フレームは、メイン部分は鋼板を使ってコンパクトに仕上げた点は共通ですが、車体後部のリアフレーム部分は「R 1300 GS」のアルミダイキャストに対し、パニアケース、トップケース、タンデムランでの長距離悪路走行なども考慮し、よりタフな6角形のアルミ押し出し材とアルミ鍛造部品を組み合わせたものへと変更されています。

 国内での気になる価格(消費税10%込み)は、装備面で同等となる「R 1300 GS Touring」が327万6000円なのに対し、「R 1300 GS Adventure」は335万5000円と、7万9000円高となっています。

 仮に「R 1300 GS」にエンジンプロテクションバー、エンデューロフットレスト+ペダル、LED補助ライトなどをオプション選択すると、それだけで33万円以上になるので、ある意味で「アドベンチャー」はバーゲンプライスとも言えるのです。

 最初に写真で見た「アドベンチャー」は巨大に見えました。しかし、現物は燃料タンクやエンジンプロテクションバーがもつ横方向への張り出しと、大型スクリーンがもたらす天地方向にサイズ感はあるものの、ノーズからタンク上部面、シートから後方へのラインが低く抑えられ、跨がると先代の「R 1250 GS Adventure」よりも明確に小柄な印象になります。

 それでいてライダーの目の前には大きな燃料タンクがもたらす重厚なまでのアドベンチャーバイク感に満たされます。

 今回の試乗では、通常のマニュアル(MT)モデルに加え、2025年モデルから「R」シリーズに適宜採用される、とウワサの「ASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)」を装備したモデルと双方に試乗できました。ダートもガッツリ走るようで、試乗車にはメッツラーの「カルー4」というダート向けタイヤが全車に装着されています。

オフロード走行を意識した装備がパッケージされた「GS Sport」では、クロススポークホイールではなくオプションのアルミ鍛造ホイールを体験することができた
オフロード走行を意識した装備がパッケージされた「GS Sport」では、クロススポークホイールではなくオプションのアルミ鍛造ホイールを体験することができた

 最初に乗ったのは「GS Sport」というグレードで、前後でフラットになるシート、ロースクリーンなどを装備するオフロード走行を強く意識したモデルです。さらに、通常のマニュアルモデルにはオプションのアルミ鍛造ホイールも装備していました。

 フロント210mm、リア220mmというホイールトラベルを持つこのバイク。オフロード系タイヤを履いていてもフロント52%、リア48%という重量バランスが、ラゲッジを載せていない状態では安心感あるハンドリングをもたらし、スペインのワインディングをスイスイ走ってくれます。

 ブレーキのコントロール性の高さと制動力のバランスも「R 1300 GS」同様です。神経質な部分がありません。

 149N.mの最大トルクを持つこのエンジン、2000~4000rpmの間で全てを受け止める懐の深さも備えています。BMWの「GS」シリーズ最大の魅力がここで、走りを楽しむことに緊張感を必要としません。発進時の半クラッチも、2024年モデルの「R 1300 GS」と比較しても、より扱いやすくなった印象です。

 大きなバイクに翻弄されることなく、あっという間に友達になれる。そこが魅力です。

 クロス(ワイヤー)スポークホイールと鍛造ホイールの差は、わずかに旋回に入る瞬間の軽さがあるかな、という感じです。強度もバッチリとのことだったので、スポークホイール信者も安心して使えそうです(高いですが!)。

 実際、ダート路テストでも一体感、安心感、タイヤのグリップ感のどれをとってもサイズからは想像できないアジリティがあることを確認できました。「R 1250 GS」時代からも明確な進化を感じます。

【画像】BMW Motorrad新型「R 1300 GS Advennture」シリーズを画像で見る(12枚)

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