東南アジア タイ北部地域を自転車で走る どんな道? 交通状況は?

タイ王国と言えば、都市部ではクルマのクラクションが鳴り響き、バイクやトゥクトゥク、クルマや自転車などが行き交う賑やかな雰囲気を思い浮かべるのではないでしょうか。実際はどうなのか、サイクリングにオススメのタイ北部の交通事情を紹介します。

タイの道、まずは基本を押さえよう

 タイと聞けば、都市部ではクルマのクラクションが鳴り響き、バイクやトゥクトゥク、クルマや自転車などが入り乱れる活気ある風景を思い浮かべるかもしれません。実際のところ、タイ北部の交通事情はどうなっているのでしょうか。サイクリングにも適した北部エリアの道路状況について紹介します。

一般道は80km/hですが、場所によって50km/hなど制限速度が変わります
一般道は80km/hですが、場所によって50km/hなど制限速度が変わります

 タイは日本と同じく左側通行です。ただし、タイの制限速度は一般道では基本的に80km/hで、場所によっては100km/hや120km/hに設定されているところもあります。

 市街地では50km/hや30km/hと低めに制限されている場合もありますが、郊外や田舎道では、日本の高速道路と同じような速度でクルマが走っています。

 一般道でも、主要道路には立派な中央分離帯が設置されており、日本で言う高速道路や大きな国道バイパスのような道路が至る所にあります。走行車線も片道2車線が標準で、片道4車線の道路も見かけることがあります。

 信号はもちろん、赤は停止、青は走行可能です。矢印信号があるのも日本と同じです。カウントダウン式の信号が多く見られるのは日本とは異なる景色でしょう。

路面の状況は?

 タイの路面は熱帯特有の高温に耐えるためか、走っていると非常に硬く作られている印象を受けます。また、表面がツルツルと光るくらい滑らかなのも特徴です。クルマがUターンする時など、タイヤをキュルキュルと音を鳴らしながら走っているのをよく目にします。

 また、山岳地帯には特にコンクリート舗装が多く見られます。アスファルトに比べると少し荒い舗装になることもあるので注意しましょう。

時折現れるコンクリート路面
時折現れるコンクリート路面

滑りやすい路面は雨に注意!

 タイの滑りやすい路面は、雨が降るとさらに滑りやすくなります。天気が不安定な日は、特に山岳コースは避けたほうが良いでしょう。ダウンヒルでは危険性が大幅に増します。

 さらに、タイを含む東南アジアの土地は埃っぽいのが特徴です。雨が降ると、濡れた路面を走ることで跳ね上げた雨水により自転車が泥まみれになります。その結果、洗車が必須になるため、無理に雨の日や濡れた路面を走ることは避けるのが賢明かもしれません。

坂道は信じられない急勾配が頻発!

 タイで山岳コースやヒルクライムを楽しむ時は、激坂に要注意です。日本では考えられないくらいの急勾配に頻繁に出会います。15%は当たり前、時には20%が長く続くような「壁」に出会うこともあります。

「8%」の勾配の標識が現れたら要注意。このポイントは、実際は300m、16.5%の激坂でした
「8%」の勾配の標識が現れたら要注意。このポイントは、実際は300m、16.5%の激坂でした

 自転車に軽いギアを装備するのはもちろん、厳しいと思ったら躊躇なく引き返しましょう。

 激坂の目安のひとつが「8%」の勾配表示の看板です。これが現れたら、それ以上の勾配の坂が現れると思って間違いありません。なぜ8%なのかは謎ですが、それ以上の急勾配が現れると思って心の準備をしましょう。

まだまだある、注意が必要なポイント

 道路上には自転車が走りそうな絶妙な位置に、キャッツアイ(道路鋲)が並んでいます。踏んでしまうとハンドルを取られたり、リム打ちパンクのリスクや落車の恐れもあります。疲れている時は集中力も切れやすいものです。特に注意しましょう。

タイ特有の光景、観光地では象とすれ違うこともあります
タイ特有の光景、観光地では象とすれ違うこともあります

 また、80km/hの制限速度以上で走行するクルマもたくさんいるので、しっかり左端を走ることが大事です。ただし、バイクの逆走は日常的に目にします。正面衝突しないようにこちらも注意しましょう。

 犬が道路で寝転んでいたり、急に飛び出してくることもあります。象に乗ることができる観光地の近くでは象と出会うことも……。

 タイ北部は、最大都市のチェンマイですら、そこまで混み合った交通事情ではありません。自転車でとても走りやすい環境ですが、しっかり現地の特徴を理解した上で、安全に走りましょう。

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Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

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