バイクガレージは屋外の「雨対策」も意外と重要!? たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.03

バイク置き場としてのガレージではなく、バイクいじりが大好きなサンデーメカニックが所有するガレージを見せて頂くと、そこはまさに「夢空間」と呼べます。ガレージ内空間や余っている場所の有効利用によって、ガレージの使い勝手は相当良くなります。大切なバイクは屋内管理したいものですが、バイクいじりやメンテナンスのタイミングによっては、他のバイクや荷物を屋外へ出して、広い環境でバイクと向き合いたい時もあります。しかし、雨が降るとバイクや荷物が濡れて、面倒なことになってしまいますよね……。

限られた予算で建てた「初代ガレージ」

 最初に建てた本格的なガレージは、奥さんの実家が引っ越した1994年のことでした。道路行政の関係もあって実家が移転することになり、移転先の敷地内にガレージを建てさせて頂くことができました。予算は100万円。広さ10坪のガレージが欲しいと考えていたら、大工のおじさんが協力してくださいました。木造平屋づくりで、サイズ感的には、十分なものを建てたつもりでした。

たぐちかつみさんがガレージで愛用するメンテナンスリフター。設置することで様々な利点が得られます
たぐちかつみさんがガレージで愛用するメンテナンスリフター。設置することで様々な利点が得られます

 しかし、一般的な見積もりでは、希望予算の2倍近くに達してしまうため、ぼく自身も様々なお手伝いをさせていただくことがガレージ作りの条件になりました。一番記憶に残っているのは、内樋 (うちどい) 型の木造平屋なので、その内樋作りのため、トタン板を曲げて、ぼく自身が雨樋を作りました。大工のおじさんから手ほどきを受けながら、トタン板のロールを広げて平らにして、切ったり曲げたり折ったりを行った思い出があります。

 建物の布基礎や土間のコンクリートは、当時、土建会社に勤めていた義親父が引き受けてくださいました。間違いなく赤字覚悟で手伝ってくださいました。みなさんのご協力があったからこそ、立派な初代ガレージを建てることができました。

 当時、所有していたバイクは、ホンダCB750K0とドゥカティ851ストラーダです。それに通勤用として利用していた250ccの軽二輪がありました。ところが、広々としたガレージを手に入れると、次から次へと欲しいバイクが増えてしまうものです。手に入れたバイクは露天保管することなく、大型車でも3台、4台、それ以上でも余裕で入庫できました。

ガレージ内のバイクを屋外へ出したときの「雨対策」が大切

 単純にバイクを押し込むだけの保管ガレージではなく、ぼくにとってのバイクガレージとは、どちらかと言えば「ワークショップ的な存在」です。バイクと同等か、それ以上に大切なガレージ装備と考えていたのが「メンテナンス用リフター」になります。

旧クラブマン誌編集部員時代は、メンテナンス企画の担当だったぼくは、撮影時にはバイク仲間のガレージを借りてメンテナンス撮影を進行していました。仲間のガレージには、ホンダ系販売店で使われている興和精機製のエアー式メンテナンスリフターがあり、ドレンボルトのようにエンジン真下にある部品でも、リフトアップすることで、目線で撮影することができました。

 マイガレージが完成したときに、最初に導入したのが足踏み式のメンテナンスリフターでした。リフターがあれば、カメラマンによる撮影は圧倒的に楽になるし、作業者であるぼく自身も、地ベタに寝転がることなくエンジン下を覗き込むことができます。

初代オーニングは取り付け状況が悪く、メンテナンスフリーにしていたので、購入数年で折り畳みフレーム内のスプリングが折れてしまいました。新規オーニングを取り付ける時には、初代オーニングの利用時に失敗した部分を対策したいと思います
初代オーニングは取り付け状況が悪く、メンテナンスフリーにしていたので、購入数年で折り畳みフレーム内のスプリングが折れてしまいました。新規オーニングを取り付ける時には、初代オーニングの利用時に失敗した部分を対策したいと思います

 メンテナンスリフターを導入したことで、車体を持ち上げて楽々メンテナンスを楽しめる環境になりました。その一方で、リフター周囲のゴチャゴチャ感が気になってしまいます。バイクいじりの時には、必然的に他のバイクや台車に載った段ボール箱など、屋外に出さないと効率良くメンテナンスや撮影ができません。

 この事実は、実際にガレージを所有することになって、初めて気が付いたことでした。旧ガレージは道路沿いに建てたこともあり、屋外へバイクを出すと露天状況になります。仮に、雨が降り始めると大切なバイクも部品も濡れてしまいます。仕方ありませんので、お花見などで活躍する大きなブルーシートを購入し、バイクに被せて雨しのぎにしていました。

 旧ガレージは5年程稼働しましたが、その後、中古住宅を購入しました。銀行から長期住宅ローンで大借金して、増築する? と申請して、新築ガレージを建てました。完成後、実際にガレージとして利用し始めると、やっぱり雨天で困ります……。

 そこで、以前から気になっていた日除け用の「オーニングテント」を思い出しました。オシャレなカフェにある、クルクルクルッとハンドルを回して日除けテントを出すあの商品です。

今現在のオーニングになります。オーニングを巻き込んだ格納状態でも、前に垂れている部分は直射日光に当たってしまうため、そのうち色抜けしてしまうと思います。軒先とオーニングの上にある緑色のカバーが、ぼくにとってはホームラン的な自作カバーです
今現在のオーニングになります。オーニングを巻き込んだ格納状態でも、前に垂れている部分は直射日光に当たってしまうため、そのうち色抜けしてしまうと思います。軒先とオーニングの上にある緑色のカバーが、ぼくにとってはホームラン的な自作カバーです

 ネット通販で探すと、合致しそうなサイズを訳ありの格安で見つけることができました。さっそく購入して、何も考えずにオーニングを取り付けました。真夏の強い直射日光でも、ガラス扉が熱くなることなくエアコンの効き具合も良くなりました。

 しかし取り付け状況が今ひとつ良くなかったので、本来の軒先とオーニング本体の間に大きな隙間があり、雨が降ると軒をつたった雨水が、その隙間からバイクの上に滴り落ちるという顛末に……。それでも10年近く使い続けました。数年前には折りたたみフレームのスプリングが折れ、日除けの出し入れもままならない状況になってしまいました。

 この度、新しいオーニングを購入し直すのと同時に、最初の失敗を教訓に、取り付け方法を変更しました。さらに隙間部分と巻き取ってあるオーニングをカバーするエクステンションを自作で取り付け、初代オーニングとは比べものにならない、かなり充実した装備へとアップデートすることができました。

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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