旧車好きも納得の性能? モトグッツィ「V7ストーンコルサ」にも感じる昔ながらの資質
現存するイタリア最古のバイクブランド「MOTO GUZZI(モトグッツィ)」がラインナップする「V7 Stone Corsa」は、既存モデル「V7 Stone」をベースにビキニカウルやシングル風のシートなどを装備し、ツートンカラーの外装などでスポーティなルックスが特徴の派生モデルです。その乗り味はどうなのか、試乗しました。
「欧州御三家」のネオクラシック
1970年生まれの私(筆者:中村友彦)がバイクに目覚めた1980年代中盤は、BMWモトラッド、モトグッツィ、ドゥカティが「欧州御三家」、ヨーロッパの主要2輪メーカーと呼ばれていました。あの時代から約40年が経過した現在、そういう言葉を聞く機会は皆無になりましたが、1990年代以降に成長・復活を遂げた他の欧州勢とは異なる姿勢で、その3メーカーが空(油)冷ツインのネオクラシックモデルを生産していることは、なかなか興味深い事実だと思います。

もっとも、モトグッツィのネオクラシックモデルに対する取り組み方は、他2社とは異なっています。
BMWモトラッドの「R nineT」シリーズと、ドゥカティの「スクランブラー」シリーズが、ダイヤモンドタイプのフレームや倒立式フォーク、リアのモノショック、太めのラジアルタイヤなど、現代的な構成を基盤にするのに対して、モトグッツィの「V7」シリーズはダブルクレードルフレームや正立式フォーク、リアのツインショック、細身のバイアスタイヤなど、昔ながらの構成を維持しているのです。
ただし、モトグッツィが他2社よりネオクラシックモデルに強いこだわりを持っているのかと言うと、必ずしもそうではないでしょう。
そもそもの話をするなら、近年の「V7」シリーズの原点として2008年に登場した「V7クラシック」は、コスプレモデル……は言い過ぎにしても、既存の「ブレヴァ750」の主要部品を数多く転用していたのですから。
逆に考えると、「ブレヴァ750」は2000年代の基準ではシャシーもエンジンも旧態然としていたのですが、モトグッツィがネオクラシックモデルを新規製作するうえで、そういった構成は実に都合が良かったわけです。
世代を重ねるごとに、洗練が進んでいる
さて、何だか微妙な話から始めてしまいましたが、2008年型「V7クラシック」で明確な手応えを掴んだモトグッツィは、以後は現代の技術を導入した進化型として、2015年に「V7II」、2017年に「V7III」、そして2021年からは排気量を744ccから853ccに拡大した第4世代を発売します。

すでに10年以上の歴史を誇る「V7」シリーズは、当初は良い意味でも悪い意味でも旧車的な資質を備えていたのですが、「V7II」以降はどんどん洗練が進み、第4世代では悪い意味で旧車的な資質を感じることはほぼ皆無になりました。
つまり、車名の英数字や基本的な構成が変わっていなくても、2008年型と最新の「V7」は別物なのです。
なお「V7」シリーズの主力機種が、スポークホイールの「クラシック」とキャストホイールを履く「ストーン」の2台態勢になったのは第4世代からで、「V7III」以前はその2台に加えて、セパレートハンドル&バックステップを装備する「レーサー」が存在しました。
また、少量生産の特別仕様が多いことも「V7」シリーズの特徴で、これまでに「ストーネロ」や「レコードリミテッド」、「アニベルサリオ」、「ラフ」、「ミラノ」、「カーボン」など、多くの派生機種が登場しています。
当記事で紹介する「V7ストーンコルサ」もそんな特別仕様のひとつで、専用設計の装備としてビキニカウルやバーエンドミラー、シングルスタイルのシート(試乗車は純正アクセサリーのシートカバーを装着)などを採用しています。
開発ベースの「V7ストーン」+14万3000円となる、151万1000円の価格(消費税10%込み)をどう感じるかは人それぞれですが、高級感に寄与するツートンのボディカラーを採用していることを考えると(V7ストーンのスタンダードモデルは単色が基本)、個人的には妥当ではないかと思います。


















