旧車好きも納得の性能? モトグッツィ「V7ストーンコルサ」にも感じる昔ながらの資質
モトグッツィならでは、縦置きVツインの魅力
いわゆるガチの旧車マニアが、近年になって登場したネオクラシックモデルを購入対象として考えるケースは滅多にありません。例えば、OHV2バルブのBMWボクサーツインや、ベベル系と呼ばれた時代のドゥカティのLツインなど、すでに古いバイクを愛用しているライダーにとって、現行モデルは関心を抱きづらいようです。

とはいえ、昔から旧車が大好きで、ここ最近は1974年型のモトグッツィ「V850GT」をメインの愛車としている私は、近年の「V7」シリーズに乗るといつも、これだったら乗り換え、あるいは増車してもいいかも……? と感じるのです。
その背景には、定期的に発生する旧車特有のトラブルにちょっと疲れている、という事情がなくはないのですが、それ以上に重要なことは、どんどん洗練が進んでかつてとは別物になっても、モトグッツィ製縦置きVツインならではの魅力がきっちり維持されていることでしょう。
具体的な話をするなら、低中回転域で心身に伝わる穏やかな鼓動や高回転域で徐々に収斂していく振動、大径フライホイールを主因とする抜群の直進安定性、見た目を裏切る軽快なハンドリングなど、私が昔から感じているモトグッツィの美点は相変わらずなのです。
ちなみに、一般的な横置きクランク/チェーンドライブ車とは異なる、縦置きクランク/シャフトドライブ車特有の挙動も相変わらずですが、現代の「V7」シリーズの場合、その挙動は悪癖とは呼ばれず、愛嬌と捉える人が多いようです。

そんなわけで、「V7」シリーズにかなりの好感を抱いている私ですが、気になる点が無いわけではありません。
マフラーの左右幅とリアタイヤの太さ(V7IIIまでが130mmだったのに対して、第4世代は150mm)にはそこはかとない違和感を覚えますし、ハンドルはもっと絞り角が欲しいような気がします。
また、今回試乗した車両に関しては、せっかくビキニカウルとシングルスタイルのシートを装着するなら、セパレートハンドルとバックステップも追加して外装部品をレッドで塗装して、1970~1980年代の「ル・マン」シリーズの再来、という雰囲気で仕上げても良かったのではないか、と思います。
Writer: 中村友彦
二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。


















