重い車体も楽々持ち上がる!?メンテナンスリフターの重要性 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.05
バイクいじりに興味を持ち始めたのは高校生の頃で、始めてエンジン分解したのは、家族が留守時に実行した、自宅の台所でした。あの日以来、天候に左右されず、バイクいじりに集中できる屋内ガレージの所有が、ぼくにとっては大きな夢でした。そして、ガレージを入手すると、次に欲しくなってしまったのが、メンテナンス用「リフター」でした。
作業環境が一変するメンテナンスリフターの存在
大型モデルでも原付モデルでも、地面に膝を付いてエンジン下を覗き込み、ドレンボルトに手を伸ばしてオイル交換する作業は大変です。時には、地面に這いつくばったり、仰向けに寝転がって作業しなくてはいけない場面もあります。
過去にそのような経験を何度もしたことがありましたので、初めてメンテナンスリフターを使わせて頂いたときには、それはもう驚き以外の何ものでもありませんでした。

バイク仲間の先輩ガレージには、バイクメンテナンス専用のリフターがありました。バイクショップが新しいリフターへ入れ換えた際に、これまで使っていたリフターを売っていただいたそうです。
機能は変わらなくても、新しいリフターへ入れ換えただけで、バイクショップのメンテナンスエリアは明るい印象になったそうです。古いリフターでも掃除して、ペンキ塗りすれば美しくなり、作業場は明るくなりそうでした。
メンテナンスリフターを導入したバイク仲間のガレージに遊びへ行ったときには、オイル交換をさせて頂きました。普段なら、膝を付いてエンジン下を覗き込み、ドレンボルトにレンチを掛けてボルトを緩める手順になりますが、リフター上にバイクがあると、手順がまるで違います。
バイクをリフトアップして、首をかしげる程度でドレンボルトが目の前にあります。当然にレンチを掛けやすいので、ドレンボルトの頭を痛めることなく作業性は良好です。そんな作業環境なら、作業後の腰痛もありませんよね……。

2代目リフトは使い勝手の向上でアップデート進行中
メンテナンスリフターを自由に使えるありがたさを知って以来、マイガレージを建てた時には、大型コンプレッサーとメンテナンスリフターは導入したいと考えました。
その後、10数年が経過し、奥さんの実家敷地に土地を借りて木造のマイガレージを建てました。動力電源の契約工事と動力コンプレッサーは導入しましたが、予算の都合でメンテナンスリフターは足踏み式を購入しました。それでもバイクいじりの作業近況は一変です。
雨風凌げる屋内環境で、大切な愛車いじりに没頭できるのは、メンテナンスリフターがあるお陰です。本当に素晴らしい環境だと思いました。
さらに数年後、銀行から借金をして、ガレージを建てられる土地が残っている中古住宅を購入しました。大借金になりましたが、一生使えるマイガレージを持てたことが生き甲斐にもなり、今尚、バイクいじり生活を楽しんでいます。
新ガレージへ引っ越した直後には、電動ハイドロ式のメンテナンスリフターを導入しました。単相200ボルトのモーター仕様ですが、動力電源を契約していたので利用できます。
購入したメンテナンスリフターはリモコンゲーブルでリフターを上下に昇降させる仕様でした。そのスイッチをどのように置いたら使い勝手が良くなるのか悩みましたが、ここは「フットスイッチに改造」して、自分なりに使い勝手を良くしようと考えました。
市販の汎用スイッチを2個購入して、上昇と下降を別のスイッチで管理できる仕様にしました。しかし、フットスイッチを固定しなかったので、知らぬ間に踏みつけたり、蹴とばしてしまうことが多くあったため、数年前にはサブフレームの上にスイッチを固定して、そのサブフレームをリフターフレーム本体にボルトオンすることで、自分なりにはさらに使い勝手を向上させました。
何年か利用していると、天板のペイントが剥がれはじめ、メインスタンドを受ける天板部分が僅かに凸凹になり始めたので、ステンレス製縞板を要所に敷き、さらにエクステンションの上に移動可能なカバーも取り付けました。このエクステンションカバーがあると、アメリカンバイクのサイドスタンド利用時には、スタンド受け座として重宝します。このステンレス製縞板は、バイク仲間が廃材から調達してくれたもので助かりました。
好き勝手に使えるマイガレージを手に入れたら、まずは電源と明かりを確保します。次にあると便利なのが、コンプレッサーと作業台だと思います。そのように、徐々にガレージ装備をアップデートしていくことで、自分自身の手で「バイクいじりを楽しめる」空間になっていきます。バイクいじりは、最高に楽しいです!!
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。