ハンドルの先っぽにあるキャップ(?)みたいなモノ なんのためについている?

いまどきのバイクには、ハンドルの先端にキャップのようなパーツが付いています。バイク用品店やネットショップではアルミ削り出しやカラフルなアルマイト仕上げの製品も多数ありますが、コレって「お洒落パーツ」なのでしょうか?

ハンドルの先端に付いているアレは、「錘(おもり)」

 スーパースポーツモデルのセパレートハンドルはもちろん、ネイキッドバイクのアップハンドルや、小排気量のファン・バイク、スクーターのハンドルにも、ほとんどの現行バイクにはハンドルバーの先端にキャップ状の部品を装備しており、「ハンドルバーエンド」や「バーエンドキャップ」と呼ばれています。

ハンドルバーの先端に装着されたキャップ状の部品。ほとんどの現行バイクが装備する
ハンドルバーの先端に装着されたキャップ状の部品。ほとんどの現行バイクが装備する

 大抵は金属製で黒く塗られていますが、なかにはメッキ仕上げのものもあり、メーカーのパーツ名称としては「ハンドルバーウエイト」と呼ぶことが多いようです。

 そして「ウエイト=錘(おもり)」と言うだけあって、実際に外して手で持つと、想像以上の重さに驚くかもしれません。

 スポーツバイク、とくにスーパースポーツ系ならパーツの重量を極力軽くしたいはずなのに、なぜハンドルの先端に錘(おもり)を装着するのでしょうか?

「2次振動」を変換して快適性アップ

 ハンドルバーにウエイトを装着する理由は「振動対策」です。バイクのエンジンは気筒数や種類(並列やV型、クランクシャフトの位相角など)によっても異なりますが、振動を生み出しています。

 その振動にも種類があり、ピストンが上下することで発生する大きな「1次振動」と、ピストンのスピード差が生むビリビリした微振動の「2次振動」、そしてクランクシャフトが捩じるように揺れる「偶力振動」と、主だったものでも3種類あります。

 これらの振動は「バランサー」と呼ぶ機構で抑えていますが、なかでも2次振動は、ハンドルの先端などエンジンから離れた場所で大きく現れることがあります。ツーリングなど長時間の走行で、ハンドルのビリビリした振動で手が痺れたり痛くなった経験があるライダーもいるのではないでしょうか。

 そこでハンドルバーの先端に錘(おもり)を装着すると、2次振動で共振する周波数を変えることができます。振動が無くなるのではなく、ビリビリした高周波の微振動を、緩やかで大きな周波数の振動に変換することで、ライダーが不快に感じないようにしているのです。

 前述したように、バイクには様々な排気量やエンジン種類があり、エンジンの回転数や、フレームの材質や形式、車体のサイズや形状によっても振動の出方が変わります。

 そのため、ハンドルバーウエイトも車種によって重量や形状が異なります。もちろんデザイン面の配慮もあります。

 ちなみに、ステップも2次振動が発生しやすい箇所ですが、近年のカワサキ車の中には、ステップバーの下にウエイトを装着して2次振動を軽減している車両もあります。

カワサキ「Z650RS」のステップバーには、振動対策でウエイトを装着している
カワサキ「Z650RS」のステップバーには、振動対策でウエイトを装着している

非装備に見えても、じつは付いている?

 現代のようなハンドルバーの先端にウエイトを装着するスタイルは、国産市販バイクだと1979年発売のホンダ「CB750F」あたりからで、1980年代のレーサーレプリカブームで一気にメジャーになりました。

 それまでのバイク(レーシングマシンを除く)のハンドルは、グリップの端までゴムが閉じた形状でした。

 そして現在はほとんどのバイクがハンドルバーウエイトを装着していますが、たとえばホンダの「レブル250」やカワサキの「W800」は、昔ながらの「先が閉じたグリップ」です。……というコトは、これらのバイクはハンドルバーウエイトが非装備なのでしょうか?

ホンダ「レブル250」のグリップ。一見するとハンドルバーウエイトは非装備だが、ハンドルパイプの内部に錘を溶接して装着している
ホンダ「レブル250」のグリップ。一見するとハンドルバーウエイトは非装備だが、ハンドルパイプの内部に錘を溶接して装着している

 じつは、「レブル250」も「W800」もハンドルパイプの中(先端部分)に、金属製の錘が溶接されています。敢えて旧車風のルックスに作っていますが、ハンドルバーウエイトはしっかり装備しています。

 また、本当の(?)旧車でも、ハンドルパイプ内に錘を装着した車種は存在します。

カスタム時は要注意!

 ハンドルバーウエイトはカスタムパーツとしてもメジャーで、様々な製品が販売されています。ドレスアップ効果が高いのでカスタムしているライダーも多いかと思いますが、ウエイトの重量が変わると、以前より振動を感じたり、振動が発生するエンジン回転数が変わる場合もあります。

 もし、あまりに振動が大きく不快な場合は、とりあえず純正のウエイトに戻して様子を見たり、純正と近い重量の製品を探すと良いでしょう。

 また、ハンドルバーを軽量なアルミ製に交換した際も同様に振動が増す場合がありますが、そんな時は「インナーウエイト」というハンドルパイプ内に装着するパーツを付けると効果があるかもしれません。

 ちなみにハンドルバーウエイトが非装備の旧車も、「インナーウエイト」を装着すると振動が減って快適になる場合があります。

【画像】じつは大事!! ハンドルバーの先端にある錘の種類をもっと見る(11枚)

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Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

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