ソレ誤解です!! 新基準原付「原付免許で125ccクラスがすべて運転できる」 自工会副会長が警戒感示す

道路交通法令が改正され、原付免許でも排気量125cc以下の一部車両が運転できるようになりました。この限定的な規制緩和が誤解して伝わっていることについて、日本自動車工業会副会長が言及しました。既存の運転者の反発を呼ぶ交通ルールに対する「無知」が懸念されています。

原付免許は、排気量より「最高出力4kW以下」!!

 2025年4月1日、改正された道路交通法施行令により、「原付」運転免許で「新基準原付」が運転できるようになりました。原付車両を排気量125cc以下のバイクの最高出力を4.0kW以下に抑えた車両と規定し直したことが、排気量50ccを超えるエンジンでも運転が可能になったと誤解されたようです。

ホンダは新基準原付のコンセプトモデル「スーパーカブ110ライト」を発表。原付免許で運転できる新基準適合車であることはモデル名などから識別できるようになる
ホンダは新基準原付のコンセプトモデル「スーパーカブ110ライト」を発表。原付免許で運転できる新基準適合車であることはモデル名などから識別できるようになる

 日本自動車工業会の設楽元文副会長は、2025年5月22日の会見で次のように話しました。

「4月から法改正が行われているわけですが、(原付免許で)125ccまで乗れるようになったという誤解が生じないように、情報発信だけではなく、さまざまな場所で啓発活動を行っていきたい」

 道路交通法施行令の改正の大きなポイントは、原付バイクが排気量ではなく、最高出力で定義づけられた、という点です。

 新基準原付の最高出力4.0kW以下という基準は、現行の50ccバイクのほとんどが該当する走行性能です。しかし、排気量125cc以下のバイクでは、この基準を簡単に超えてしまうため、原付免許では運転することができません。

 それでも原付免許で50ccではなく、125cc以下のバイクが運転できるようになったことを臭わせる内容の記載はなくなりません。

 こうした波形には、電動化が広がる中でも、排気量が車両区分の唯一の物差しであるかのような先入観と、免許区分に対する希望的観測がシンクロしたことで、単純に原付免許で排気量125cc以下のバイクが運転できるような雰囲気が広がっていることが考えらます。

 各メーカーは50ccエンジンを搭載した新車生産が事実上できなくなる2025年11月をめどに、新基準原付の市場投入を考えていますが、特定小型原付の新設時に起きたような無免許運転が広がることを懸念しています。

 設楽副会長は、ヤマハ発動機社長からの選出です。

「新基準原付の導入に際しては、新しい制度のための新しい情報発信の必要性を強く認識しています。自工会二輪車委員会ではオンラインメディアやオウンドメディア『MOTOINFO(モトインフォ)』を通じて、潜在二輪ユーザー、既存二輪ユーザー、社会全般と、それぞれのターゲットに向けた情報発信を推進して参ります」

原付免許で運転できるバイクは、道路運送車両法の「原付」ではない

 自工会二輪車委員会は総務省、警察庁、国土交通省と連携して政府広報を通じた新しい情報発信を依頼するほか、運転免許試験場や自動車教習所、バイクショップでの啓発ポスターの掲示やデジタルサイネージを活用した啓発活動を行っています。

 一方、原付とはもともと排気量125ccまでのバイクを指すのではないか、という指摘もあります。これは道路運送車両法という別の法律で規定される車両区分です。排気量で区分され、より正確に表現するために排気量50cc以下を「原付1種」排気量51~125ccまでを「原付2種」と区分していました。

 最高出力を4.0kWに抑えた新基準原付は、これも法令が改正されて「原付1種」に含まれることになりました。

 バイクの車両区分は同じ「原付」(原動機付自転車)でも、法律によって分類が違うことがあります。

 新基準原付を運転する場合にライダーがまず知っておかなければならないのは、所持する免許でどんな車種が運転できるかを規定する道路交通法令です。

 新基準に適合する原付バイクの市場投入時には、新基準原付と既存の125ccは一見して識別できるようになります。

 それ以外の125ccバイクは普通二輪免許(小型限定)以上の免許を所持している必要があります。

 最高出力が車両を見ただけで判明しないバイクは、原付免許では運転できないことが基本です。

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Writer: 中島みなみ

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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