ドライなの? レインなの? 予測不能な路面コンディションに苦戦したEWC第2戦スパ8時間レースの結末とは レーシングライダー大久保光のレースレポート

レーシングライダーの大久保光選手が参戦したEWC第2戦 スパ8時間レースのレポート(後編)をお送りします。

スリック?レイン?タイヤ選択が勝敗を分けた第2戦

 皆様こんにちは。レーシングライダーの大久保光です。今回は世界耐久選手権第2戦、ベルギーラウンドの決勝について書いていきたいと思います。

 天気予報通り、決勝は雨が降ったり止んだりする不安定な天候の中でのスタートとなりました。

 スタートライダーは私が務めることとなりました。レースのスタート時間は12時30分で、朝のウォームアップ走行からスタートまでは随分と時間があったため、ウォームアップはレインタイヤでスタートしましたがその後雨がやみ、徐々に路面が乾いていくコンディションとなり、グリットでタイヤをスリックタイヤに交換。

 理由はチームメイトの渡辺一樹選手にコースサイドまで路面状況を見に行ってもらい、写真とメッセージをいただき、路面はドライ方向になっていることを確信したためです。

 チームも慌てた様子はなく、着々とスタートに向けて準備を進めていくことができました。

難しい路面コンディションの中でスパ・フランコルシャンサーキットを走る大久保光選手
難しい路面コンディションの中でスパ・フランコルシャンサーキットを走る大久保光選手

 12時30分にレースがスタート。バイクにまたがりエンジンをかけるところまでは良かったものの、ギアがニュートラルに入っていたため発進できず、スタートで大きく出遅れてしまうアクシデントが発生します。

 サスペンションのセットアップもいつでも雨が降ってきても良いように少し柔らかめにしていたため、最初の方はガソリンが満タンな事もあり、バイクが重い状態ではサスペンションが底付きしてしまいペースを上げていくのが難しかったですが、周回を重ねるごとに徐々にバイクが軽くなるとともに、ペースを上げていくことができ、その後は淡々とラップタイムを刻んでいくことができました。

 私のスティントが終わり、次のライダーまではドライコンディションとなりましたが、その後は急に雨が降ってきてしまい、突然のレインコンディション。

 しかし、雨が止むと路温が高いこともありすぐに乾いていくという難しいコンディションで、スリックタイヤを使えるほどでもないため、レインタイヤで耐えて走るタイミングも多々ありました。

 もちろんその状況ではすぐにレインタイヤが減ってしまい、溝もなくなってしまいますが、そのタイミングで再び雨が強く降り出したりと、とても危険な状態で走行をしなければならない状況。各チーム、その時の判断が展開を左右する、難しいレースとなりました。

順調にピットワークをこなすチームエトワール
順調にピットワークをこなすチームエトワール

 全チームがそんな危険な状態で走行をしていたため、転倒するライダーも続出。それはチームエトワールも例外ではなく、チームメイトが転倒してしまい、緊急ピットイン。

 幸い大きなダメージがなかったのと、元々ピットインをする予定の周だったため、最低限のタイムロスでコースに復帰することができました。
 
 この時点でクラス6番手を走行していましたが、チームエトワールの車両は他のチームより燃費がとてもよく、1回ピットインを少なくすることができるため、さらに上位を目指すには作戦を立て直す必要がありました。

 そして雨量がとても少なくなっていくコンディションの中、チームメイトが2スティントを連続で走り、最後に私が乗ってチェッカーをするという作戦に決定。

 やはりその時点で乗っているライダーが一番、その時のコースのコンディションを把握できていることもあり、なるべくタイムロスを減らすために、同じタイミングで多くのチームがダブルスティント作戦を選択していました。

 この作戦変更は、チーム側で決定するため、現在走行中のライダーにはライダー交代のためにピットインしたタイミングで伝えられます。

 チームメイトの伊藤元治選手はその時点で体力的に問題はなかったようで、ピットインをした際にもう1スティント行けるかというチームからの問いに、問題ないとのことだったのでそのまま連続スティントをお願いする流れとなりました。
 
 その後、最終スティントを任された私ですが、もしかするとチェッカーの10分前ぐらいに再び雨が降ってくるかもしれないという予報もあったので、乾いてきている路面の中でもレインタイヤをしっかり持たせる走りを心がけて走行。

 しかしウィーク中の雲の流れとコンディションから走行中に雨はもう降らないと判断した私は、タイヤを持たせる走りをやめて積極的にペースを上げていくことを決意。

 その時点でクラス4位につけており、3位とは1周差となっていましたが、なんとか同一周回まで追い上げるも、そのまま4位でのチェッカーとなりました。

 今回のレースは天候に左右された、とても難しいレース。走行初日に様々なトラブルがありましたが、今回もしっかりと完走し、チャンピオンシップポイントを獲得することができました。

 そしてランキングも4位に浮上して、鈴鹿8耐を迎えることとなります。鈴鹿8耐もチーム初優勝を目指して頑張っていきます! 応援、よろしくお願いします。

【画像】難しすぎるスパウェザーに翻弄されるもクラス4位!! EWC第2戦でスパ・フランコルシャンサーキットを走る大久保光選手を画像で見る(10枚)

画像ギャラリー

編集部からのおすすめ

CB750Fにまたがって「バリバリ伝説」の世界をVR体験できる! バイク王がバイカーズパラダイス南箱根の7周年イベントに出展【PR】

CB750Fにまたがって「バリバリ伝説」の世界をVR体験できる! バイク王がバイカーズパラダイス南箱根の7周年イベントに出展【PR】

最新記事