バイクいじりを楽しくするには!? 人それぞれ、使い方もそれぞれ、上手な空間利用方法を再考 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録
個人ガレージの取材や見学の履歴数としては、この30数年で、おそらく3ケタ件数へ楽々突入していると思います。個人所有のガレージを覗き見したり、取材させていただくとつくづく思うのが、「人それぞれ、使い方も、考え方もそれぞれ」で異なっていて、様々なアイデアを目の当たりにさせて頂き、ときには自分のガレージでも参考にさせて頂くことがあります。そんな中でも、「限られた空間」だからこそ、上手かつ時には大胆に利用されているオーナーさんには、驚かされる場面が多いです。将来的にマイガレージが欲しいと考えているみなさん、是非、アイデアのベースにされてはいかがでしょう。
バイクいじりが楽しくなる空間作りを目指そう!!
16歳の誕生日に原付免許を取得して、それから20代前半くらいまでは、バイクいじりよりもバイクを走らせツーリングへ出掛けることの方が圧倒的に多く楽しかったぼくのバイクライフ。その後、旧車に興味を持つようになり、最初にバイクのフルレストア(今思えばセミレストアレベルです)を楽しんだ時に、ガレージ空間のありがたさを知りました。

当時は会社員で自宅は独身寮です。そんな生活では、バイクいじりを楽しめません。職場の先輩に相談すると「ウチにこいよ!!」と嬉しいお言葉。先輩の自宅にある作業ガレージへ通って、バイク整備や修理を教わりました。先輩のガレージには、旋盤やフライス盤といった小型工作機械があり、周辺ツールもひと通り揃っていましたので、金属素材があれば削り出し部品を作れる環境でした。バイクいじりの楽しさや、バイクいじり環境の重要さを知ってからは、走り回ること以上に「バイクいじり」への興味が深まりました。
独身寮から引っ越し、昔ながらの借家アパートへ転居した時には、ふた間あるうちの三畳の部屋は、ガレージかのように使いました。工具箱の重さで畳が抜けないように、コンパネ合板を部屋に敷き詰め、キャビネットタイプの大型工具箱を購入しました。
その三畳部屋からは、ドゥカティのカスタムマシンやレーシングマシン、長年所有していたホンダ「CB750 K0」は、この部屋でフルレストアの組み立てを行いました。さすがに部屋の中では作業にも限界がありますので、休日には先輩のガレージの一角をお借りすることが何度もありました。
懐かしのガレージ第1号
レストアを終えてバイクの置き場が無くなると、大家さんから許可を頂き、アパート横の駐車場にガレージのような空間を作りました。ホームセンターで足場用単管パイプとクランプを大量に買い込み、砂利の地面にパイプを並べてクランプで固定します。

ブルーシートを敷いた上からコンパネ合板を置いてさらに固定し、床から単管柱を立てて補強します。壁と屋根を取り付け、雨風凌げる簡易ガレージ的なバイク置き場を作りました。その手作りガレージが、ぼくにとってはガレージ第1号になります。
ちなみに、引っ越す時には、半日かけて更地の砂利駐車場へと復帰させました。あの頃のやる気は、今考えても凄かった(1980年代末のお話し)です。
その後、会社員から雑誌編集者へ転身して、1995年にはバイクいじり総合誌「モトメンテナンス」誌を創刊しました。その後、2019年には「モトメカニック」誌を創刊し現在に至りますが、その間に数多くの個人ガレージを取材させていただきました。
ぼく自身、現在のガレージは第3号になりますが、なかなか思い通りの空間作りができていません。今後、マイガレージを所有したいと考えている方々にとって、少しでも参考になれば幸いと思い、この「バイクのニュース」の場をお借りして、ぼく個人のバイクガレージ感やガレージ回顧録をリポートさせて頂いてます。今回は「空間利用のアイデアや使い勝手」に注目。その様々なアイディアは写真とキャプションを参考にしてください。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。