じつは変わり種も!? 2輪車の世界生産累計5億台を達成したホンダ そのうち1/4が「スーパーカブ」!!
1948年に創業したホンダは、2025年の5月初旬に2輪車の世界生産累計5億台を達成しました。そしてなんと、そのうちの約1/4が「スーパーカブ」シリーズです。その膨大なラインナップの中には、派生モデルやポップなカラーを纏ったモデルが多数存在します。
「スーパーカブ」シリーズは1億1000万台オーバー!
ホンダは1948年に創業し、翌1949年に本格的な量産2輪車の第1号モデル「ドリームD型」を発売しました。それから76年目の2025年に、世界生産累計台数が5億台を超えました。世界人口が80億人+αと考えると、驚くべき台数であり普及率と言えます。

ホンダは様々なタイプのバイクを生産していますが、生産累計のうち、約1/4が「スーパーカブ」シリーズになります。同シリーズは2017年10月に1億台を達成し、2024年の序盤に1億1000万台を超えました。
ホンダは1952年に自転車用補助エンジン(空冷2ストローク50cc)として「カブF号」を発売し、月産で6000台を超える大ヒットを記録しました。
ちなみに「Cub(カブ)」は英語でクマなどの猛獣の子供を意味する言葉で、小さくてもパワフルなイメージをアピールしたものと思われます。
しかし「カブF号」はバイクの完成車ではありません。ホンダは実用車やスポーツ車を開発・販売しながら、ついに1958年に初代「スーパーカブC100」が登場しました。
ペダル付きのモペッドでもスクーターでもなく、乗り降りしやすいカタチとサイズ、そして発進や停止、ギアチェンジの際にクラッチレバー操作を必要としない独自の変速機構を備え、燃費が良く、静かな4ストロークエンジンを搭載し、爆発的なヒットを収めます。
そして1963年にはアメリカで大キャンペーンを行い、「スーパーカブ」の人気は世界でも不動のモノとなったのです。
初代登場から2025年で67年となりますが、その間にはエンジンの動弁方式がOHVからSOHCに変わったり、排気量のバリエーションが増えたり、独自の自動遠心クラッチもいっそう進化しました。もちろんデザインも時代に合わせて目まぐるしく変化しています。すべてを紹介すると1冊の本になってしまうほどのラインナップです。
というワケで、主軸のビジネス車は割愛し、そこから派生した「カブの名が付くモデル」や限定バージョン、エポックなモデルを紹介します。
スポーツ性か利便性か? こんなカブもあった!?
1960年代頃まではビジネス車をベースに作ったスポーツモデルが多数存在ました。ホンダも例に漏れず、「スーパーカブC100」の横型エンジンをベースに、圧縮比を上げて最高出力を5PSにパワーアップした「スポーツカブC110」をリリースします。新型のバックボーンフレームやアップマフラーでスポーツ度満点でした。
1961年には54ccに排気量アップした「スポーツカブC115」が、1964年にはSOHC化された63ccの横型エンジンを搭載する「スポーツカブCS65」も発売されました。
そんなスポーツモデルとは対照的に、より扱いやすくリーズナブルな「ポートカブC240」も登場しました。こちらは変速ギアが2段で前後タイヤも15インチに小径化して扱いやすさを狙いましたが、販売的にはあまり振るわなかったようです。
じつは「ハンターカブ」は愛称だった?
1968年に発売された「ホンダCT50」は、「カブ」の名は付きませんが、一見して車名とスタイルからわかるように、現在も大人気の「ハンターカブ」の元祖的モデルです。2輪車で初めての副変速機を装備し、レッグシールドを省いてガードパイプの装着やアップマフラーなどがオフロードイメージを強めます。

少し間をおいて1981年には「CT110」が発売されます。こちらもハンターカブと呼ばれていますが、あくまで愛称であり正式名称ではありません。国内では1983年に販売終了しますが、人気が高く後年(2012年頃まで)まで逆輸入モデルが販売されていました。
2013年には「CT110」の後継モデルとも言える「CROSS CUB(クロスカブ)」が発売されました。ベースモデルは「スーパーカブ110」です。
「クロスカブ110」は2018年に外装を一新するモデルチェンジを行い、同時に兄弟モデルとして「クロスカブ50」が登場しました。外観は基本的に同一ですが、110はホイール径が17インチで、50は小径の14インチで扱いやすくなっています。
そして2020年、ついに「ハンターカブ」の正式名に持つ「CT125・ハンターカブ」が登場します。「スーパーカブC125」をベースに、アップマフラーやウインカーなど細部まで「CT110」をオマージュしたデザインが与えられています。大人気に対してコロナ禍や世界的な部品不足などにより、入手が困難だったことも記憶に新しいモデルです。
お洒落な「リトルカブ」登場!
「スーパーカブ」と言えば緑色や紺色の車体に白いレッグシールドのイメージが強いでしょう。また郵便配達の赤や交番に停まっている白も馴染み深いところですが、目立つカラーもあります。
まずは1982年に発売された、初の角目ヘッドランプを採用した「スーパーカブ50スーパーデラックス」にラインナップされた「赤カブ」です。車体だけでなくレッグシールドまでモンツァレッドで、前後キャリアやミラーを精悍なブラックで仕上げています。
また2010年には「スーパーカブ110」に真っ白なコルチナホワイトを纏った「白カブ」が登場します。こちらは交番配備のパトロール用を想起させ、見かけるとちょっとドキッとするかもしれません。
そしてポップなカラーと言えば、1997年から2017年まで生産された「リトルカブ(Litle Cub)」も外せません。ホイール径を「スーパーカブ50」の17インチから14インチに小径化してシート高を30mm下げ、車体の前後長も短縮されて扱いやすさをアップしただけでなく、毎年のように新色を発表しました。
じつはベースとなった「スーパーカブ50」も、「リトルカブ」に倣ったポップなカラーを纏った「ストリート仕様」を2001年に販売し、2019年には「スーパーカブ50/110ストリート」を限定販売しています。
欠かせないアニバーサリーモデル
長く生産されるモデルだと「○周年記念モデル」が登場することがあり、もちろん「スーパーカブ」にも存在します。

まず1988年に「スーパーカブ50カスタム」をベースに、パールブルーの特別塗装やサイドカバーに記念エンブレムなどを備えた「30周年記念特別仕様車」を販売。ちなみにこの時点での生産累計台数は1730万台です。
次いで40周年モデルは登場せず、2008年に「スーパーカブ50・50周年スペシャル」と、「リトルカブ・50周年スペシャル」が販売されました。ちなみにこの時点でのシリーズ世界累計生産台数は6000万台を超えました。
そして2018年に「スーパーカブ50・60周年アニバーサリー」と「スーパーカブ110・60周年アニバーサリー」を発売。カラーは1963年にアメリカで展開した「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」の広告ポスターをモチーフとしたマグナレッドです。この時点でのシリーズ世界累計生産台数は1億200万台を超えました。
また、2018年はシリーズのトップモデルである「スーパーカブC125」が発売されました。カラーやウインカーなど細部のデザインは1958年の初代「スーパーカブC100」がモチーフとなっており、ある意味で60周年を記念したモデルと言えるのではないでしょうか。
楽しいコラボモデルも続々登場
「変り種」という意味では、コラボレーションモデルが存在します。まず2019年には「クロスカブ50/110」に、熊本県のPRマスコットで有名な「くまモン バージョン」が発売されました。こちらは細部のマイナーチェンジを重ねつつ継続販売されています。
2020年にはアニメーション映画『天気の子』の劇中に登場するピンク色の車体を忠実に再現した「スーパーカブ50・『天気の子』Ver.」と「スーパーカブ50・『天気の子』Ver.」が受注期間限定で発売されました。
そして直近では、1974年に誕生したサンリオの人気キャラクター「ハローキティ」の50周年を記念した「スーパーカブ50・HELLO KITTY」と「スーパーカブ110・HELLO KITTY」が2024年12月に販売されました。
ついに「スーパーカブ50」がファイナル!!
60年以上も愛された「スーパーカブ50」も、排出ガス規制への対応により、昨今話題の「新基準原付」に切り替わるため、ついに現行モデルを最後に生産を終了します。そこで受注期間限定で2024年12月に発売されたのが「スーパーカブ50・Final Edition」です。

ポニーブルーの専用カラーなど、モチーフとしたのは50ccカブで初めてOHCエンジンを装備した1966年に発売された「スーパーカブC50」です。
50ccクラスは最終モデルになりますが、「スーパーカブ」シリーズは110やC125でこれからもずっと続いていく、ホンダの意思の表れだと思われます。
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さて、「スーパーカブ」の派生モデルや珍しいカラーや記念モデルをざっと紹介しましたが、これに主軸となるかつてのラインナップ(スタンダードやビジネス、デラックスなど)や、配達業務向けの大型のカゴやキャリアを装備するプロやプレスカブを合わせたら、それこそ膨大なラインナップを誇ります。
近年は標準モデルの「スーパーカブ110」が多彩なカラーをラインナップしていますが、過去のオリジナリティあふれるモデルも魅力的です。これほど長く、バリエーションも豊富なバイクはなかなか珍しい(無い?)のではないでしょうか。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。




























