ハーレーってこんなに速いの!? かつて8耐を目指したライダーが大型アドベンチャーモデル「パンアメリア」のロードレーサー仕様で筑波サーキットに挑む!!
ハーレーダビッドソンの大型アドベンチャーモデル「パンアメリア1250」を大胆にロードレーサーに仕立て上げられたレース用バイクとそのオーナーである野中さんについて、自身もレース経験のある後藤武さんが解説します。
「パンアメリカ」レーサーで1分1秒台を目指す
前回の記事では、ハーレー・ダビッドソンのパンアメリカ1250をベースにしたレーシングマシンが、メチャクチャに速いらしいぞ、っていう記事をお届けしました。今回はこのパンアメリカのオーナー&ライダーである野中さんのお話しです。
野中さんは一時期8耐を目指してJSB1000に出場していたライダーです。転倒でマシンを大破させてレースから遠ざかりますがXJR1200でレースに復帰。テイストオブ筑波のモンスターエボリューションクラスに参戦します。

そこで見たモンスタークラスのレースに衝撃を受けたのだと言います。
「18インチの細いタイヤで攻める姿に衝撃を受けました」と、すぐにスズキ「GS1000」を購入してレーサーを製作。モンスタークラスで3位表彰台を獲得しました。
このGSで九州のサーキットを走っていた時に知り合ったのがハーレーダビッドソン博多の武田さんでした。以前からハーレーでサーキットを走ってみたいと考えていた野中さんは武田さんと親しく話をするようになります。そしてパンアメリカの話を聞くことになりました。

野中さん「空冷のハーレーで他のマシンとレースをする場合はチューニングも必要だし、そうするとトラブルも心配です。でもパンアメリカならエンジンはノーマルのままで十分なポテンシャルがあるというじゃないですか。武田さんがすでに1台レーサーを作って走らせていたのでマシン作りもスムーズに進められる。そこで車両を購入してレーサーの製作を依頼することにしました」。
野中さんのマシンは基本的に武田さんのパンアメリカとほぼ同じ仕様で製作されました。マシンが出来上がり、九州でテストライドを行った野中さんは、マシンのポテンシャルに驚いたと言います。
野中さん「最初はホイールベースが長いので、曲がるのかなと心配していたんです。でも乗ったらびっくりするくらいに速くて乗りやすいし良く曲がる。2本目の走行でGSのベストタイムを簡単に超えてしまいました。ポテンシャルを感じましたね」。
この状態で野中さんは、2025年4月に開催されたМCFAJのレースにエントリー。ところが走行中にエンジンが停止してしまうというトラブルが発生します。
野中さん「コンピューターのバグがあったようです。九州では問題なかったのに筑波だと突然エンジンが止まってしまう。しかたなくノーマルのコンピューターに戻してレースに出ることにしました」。
20馬力のパワーダウンは大きくて、ストレートでは他のマシンになかなか追いつけなかったようです。スロットルを開けはじめた際のレスポンスもダルになってしまったとのこと。
けれどこの点は現在対策が進んでいます。チューナーの武田さんが四輪用のフルコンを使ってプログラミングしているので、次回参戦を予定している筑波ツーリストトロフィーには万全の体制で望むことができそうです。野中さんは筑波サーキットで1分1秒台を目標にしていますが、このタイムに関してはそう難しいものではなさそうだといいます。ダートトラックスタイルのハーレーがこの速さで走ったら、相当にインパクトがあります。
野中さん「最終コーナーから立ち上がって1コーナーまでの速さが速くて驚いたと見ていた人たちに言われました。このマシンで走っているといろいろな人から『かっこいい』『ハーレーがこんなに速いとは思わなかった』と言われます」。

野中さんと武田さんは、今後も筑波サーキットのツーリスト・トロフィーに2台のパンアメリカレーサーで参戦していくといいます。もし興味があったら観に行ってみてはいかがでしょうか。
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。










