走り応え想像以上!? 源平ロマン香るほぼ真っすぐの登坂『屋島スカイウェイ』を自転車で駆け上がる!!
香川県高松市の北東部に位置する、島々が浮かぶ美しい瀬戸内海に突き出た「屋島」の急勾配を自転車で駆け上がりました。歴史と絶景に満ちたヒルクライム『屋島スカイウェイ』を紹介します。
「屋島」とは、どんなところ?
香川県高松市の北東部に位置する、島々が浮かぶ美しい瀬戸内海に突き出た「屋島」の急勾配を自転車で駆け上がりました。歴史と絶景に満ちたヒルクライム「屋島スカイウェイ」を紹介します。

屋島は標高約300mの台地状の山体で、地質学的には「メサ」と呼ばれる地形が特徴です。上部が平らで断崖が発達したこの地形は、角度によってまるで「大きな屋根」のように見えることから、「屋島」という名が付いたとされています。
また、この地は1185年に源義経と平家が激突した源平合戦の舞台としても広く知られており、山の内外に今も多くの史跡が残されています。
自然と歴史、そして現代が交差する魅力的な空間に伸びる、自転車乗りにとってのヒルクライムルートが「屋島スカイウェイ」です。
かつては有料の自動車専用道路でしたが、2018年から自転車と歩行者の通行が可能になりました。現在は無料の市道として整備され、ヒルクライマーにとって絶好の舞台となっています。
全長約3.7kmで平均勾配は7.3%となっており、獲得標高270mです。数字だけ見るとコンパクトですが、登り応えは想像以上です。
いきなりの激坂と直登で幕をあける
琴電志度線(ことでんしどせん)の踏切を渡ると、すぐに登りが始まります。激坂の右カーブに続いて緩やかな左カーブを抜けると、そのあとは直線的に山肌を駆け上がるコースです。序盤から厳しい急勾配が襲いかかります。
登坂距離こそ短いものの、時折勾配が緩む区間を除いては、ひたすら踏み続けなければならない脚力と気力の勝負になります。

やがて正面にトンネルが見えてきたらフィニッシュは目前。トンネル内で進行方向を180度変えて、最終盤の急勾配へ向かいます。最後までペダルを踏み抜いてフィニッシュです。
歴史と静けさが出迎える「屋島寺」
山の上には大きな駐車場があります。自動車用の有料ゲートの横にある通用口から、自転車は無料で出入り可能です。ここからは徒歩での散策タイムです。
最初に出迎えてくれるのは、四国お遍路の第84番札所であり、唐僧・鑑真が創建したとされる由緒ある「屋島寺」です。
弘法大師が彫ったとされる本尊・十一面千手観音坐像は、鎌倉時代に建立された本堂とともに重要文化財に指定されています。
境内には「弘法大師が道に迷ったとき、化けたタヌキが助けた」という伝説が残る「屋島太三郎狸」の姿も見られ、今も地元の守り神です。
新名所? 現代建築「やしまーる」
筆者(才田直人)が屋島を訪れて、とくに記憶に残ったのが2022年にオープンした展望施設「やしまーる」でした。屋島の斜面に寄り添うように設計された建物で、なめらかな曲線を描くフォルムが山上の風景に美しく溶け込んでいます。屋根には地元・庵治石を使った瓦が用いられ、地域との結びつきを意識した建築となっています。
施設は空中回廊のような展望テラスとなっていて、歩いて回るとまるで空中を散策しているかのような感覚になります。館内にはカフェや休憩スペース、土産物コーナーがあり、さらには展示室としても利用されています。
その雰囲気はまるで美術館のように洗練されていて、厳しいヒルクライムとのコントラストが印象的な心地よい時間が過ごせました。
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香川県のサイクリストにとっては定番となった「屋島スカイウェイ」は、わずか3.7kmのヒルクライムながら絶景、歴史、文化が詰まっています。次の旅はどこへ行こう? というサイクリストに、ぜひオススメしたい目的地なのです。
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。











