紅葉と珈琲を味わう箱根路ショートツーリングの1日 デイドリップ通信Vol.37
バイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんによる連載コラム。今回は紅葉と珈琲の香りを楽しむべく、箱根・芦ノ湖周辺をぐるっと巡ってきたお話です。
秋を感じるツーリング、「カレーとコーヒー」の取り合わせも深い!?
こんにちは、『Day Drip Coffee』のクロダです。都内で小さなコーヒー屋をやっている、バイク好きの店主です。このコラムは「バイクとコーヒー」をテーマに、2つの世界を行き来して感じる様々なトピックをお届けしています。
今回は、紅葉とコーヒーを味わうワンデーツーリングのお話です。それは一気に気温が下がった11月上旬のある平日のこと、まるで冬がやって来たかのような空気感に「まだ秋を充分に楽しんでないのに!」と思った僕は、駆け足の秋を追いかけて箱根路へとバイクを走らせました。

いつもならコーヒーを淹れるための道具一式を持って出る所ですが、今回は出先でもすぐ飲めるようにと自宅でホットコーヒーをドリップし、水筒に入れて持っていくことにしました。身体が急な寒さに付いていけてない感じがして、早く飲みたい気になると思ったのです。ドリップしたコーヒーを水筒に入れる時は、事前に少量のお湯で水筒内部を温めておくのがポイントですね。寒い時ほど保温の状態が全然違ってきますので、おすすめです。
さて、準備も整ったところで出発。東名高速~小田原厚木道路と走り、そこから箱根新道へ向かいました。芦ノ湖大観ICからごく短い椿ラインを駆け降りていくと、芦ノ湖畔に到着です。ひとまず腹ごしらえをすべく、元箱根へと走ります。
バイクを停め、大鳥居あたりの土産物店や飲食店が立ち並ぶあたりを散策してみます。とあるお食事処の前にあった立て看板に目が止まりました。「カツカレー」の文字と写真にロックオン。
「バイクとコーヒー」と同じくらい「カレーとコーヒー」という取り合わせも深いものがありますね。食後のコーヒーを楽しむためにカレーというのもナイスな選択だと思い、「お食事処 富貴」に入ってみることにしました。
列に並びつつ店内を見ると満席で、ほぼ訪日観光客の方々。少し待ってようやく入店。いわゆる「そば屋のカレー」的な感じで、カツも揚げたて。美味しゅうございました。
お腹も満たされたところで、紅葉と食後のコーヒーを楽しむべく、すぐ近くの恩賜箱根公園へ。入口は自動車用ゲート左の通路で、入ってすぐ横が駐輪スペースです。
バイクを止めるとすぐに係員が来て、「バイクの料金は無料になりました。出る時は出口には向かわず、バイクだけは入って来た所から出て大丈夫です」とのこと。ここは2025年7月から2輪車の駐車料金が無料に改定されたそうです。いまやどこでも値上げラッシュの中、とてもありがたいですね。案内もとても丁寧でした。
紅葉はチョイ早くて見頃はこれからでしたが、芦ノ湖を眺めつつ飲むコーヒーは温かく、豊かなひと時を過ごせました。
せっかくなので秋の景色をもう少し探してみようと思い、バイクに戻って、芦ノ湖の右岸を抜けて仙石原を目指すルートを走ってみることにしました。日当たりの影響か、そのルートの一部は紅葉が進んでいて、走り甲斐のある気持ちいい道でした。仙石原のススキ草原はさすがに観光客が多く、通行時にちょっと注意が必要ですが、秋めいた光景に人々が魅了されるのも頷けました。

そろそろ夕方。箱根ツーリングの最後はどこかのカフェに立ち寄って、自分じゃない誰かが淹れたコーヒーを飲んで帰ろうと思いました。
普段、滅多なことではカフェに行かないのですが、思い切って気になっていた店へ向かいました。強羅にある「CAFE Ryusenkei」です。キャンピングトレーラーの「エアストリーム」を改装してカフェを営んでいるお店です。店名は丸みを帯びた流線型のアルミボディにちなんでいると思いますが、聞きそびれました。
お店はコンパクトですが、中に入ると想像以上に広い感じです。内装はミッドセンチュリーを意識した、美しく機能的で温もりも感じる印象です。
コーヒーは世田谷・駒沢にあるカフェ・テナンゴが焙煎したオリジナルのブレンドを用意。2種類あるうちの軽やかな方を注文しました。ハンドドリップで丁寧に抽出したホットコーヒーは穏やかな酸となめらかなマウスフィールを感じ、その端正な印象はこのお店の雰囲気そのものです。
土地柄、お客さんは観光客ばかりかと思いきや、地元の常連さんも多いようで、僕が在店していた間も近くの馴染み客が来ていました。でも一見さんが居心地の悪くなるような感じなどは微塵もなく、限られた空間を逆手に上手くコミュニケートしていく店主の姿勢は、店舗の内外装、提供されるコーヒーと相まってとても心地よいお店でした。
これから本格的な冬が訪れると、寒さゆえにバイクでは訪れにくくなる場所も出てきます。でも温かな自前のコーヒーやカフェの1杯、そして美しい風景や人との出会いを求めて、これからの季節もバイクで様々な場所を訪れたいと思います。
Writer: 黒田悟志
世田谷の自家焙煎カフェDay Drip Coffee店主。自転車ロードバイクに20年ほど乗ってきたが、2年前オートバイに目覚めて自動二輪免許取得。両足2気筒から4スト単気筒へ。昨年はSSTRにも初参加しバイクライフを堪能中。







