【3・11】15年の節目にバイクの有用性が示される 県警バイク隊員がトライアルのプロ選手から指導!?
2026年3月3日、栃木県の『モビリティリゾートもてぎ』において、プロのライダーを講師に招いたオフロード訓練が実施され、栃木・茨城・群馬県警察の「広域緊急援助隊」が集結しました。
プロによる指導で、災害時の悪路走行に備える
2026年3月3日、栃木県にある複合型リゾート施設『モビリティリゾートもてぎ』(栃木県芳賀郡茂木町)において「広域緊急援助隊」によるオフロード訓練会が公開されました。
栃木県と茨城県、そして群馬県の3県警が合同で参加し、会場にはトライアル世界選手権で実際に使用されるセクションが用意されました。
講師には、全日本トライアル選手権(国際A級スーパークラス)において通算14度のチャンピオンを獲得した小川友幸氏が招かれました。

トライアルとは、特殊な競技用バイクで岩場や急斜面などの複雑な地形(セクション)を、いかに地面に足を着かずに走り抜けられるかを競うモータースポーツです。
警察とトライアルには、あまりつながりが感じられないかもしれませんが、今回の訓練では広域緊急援助隊が、バイクで災害現場の荒れた道でも確実に前へ進むための技術向上を目的に実施されました。
広域緊急援助隊とは、大規模な災害が発生した際に都道府県の枠を超えて迅速に被災地へ向かい、救助活動や交通の確保などをおこなうために組織された専門の部隊です。
その活動内容は多岐にわたりますが、そのうち被災者の救出・救助にあたる「警備部隊」と、緊急交通路の確保にあたる「交通部隊」に、オフロードバイクが配備されています。
災害の現場では道路が分断されたり路面が陥没するなど、クルマ(4輪)や大型車両では被災地の奥深くへ進むことが困難となる場合も少なくありません。
そのような場面において、車体が軽く、機動力に優れたオフロードバイクは、被害状況の確認や人命救助の初期段階に大きく貢献します。

訓練当日は雨が降っていたものの、災害現場では雨や雪が降る状況でも任務を遂行するため、絶好の訓練日和だったと言えるかもしれません。
講師を務めた小川友幸氏は、今回の訓練について次のように話しました。
「交通機動隊の隊員の皆さんは、もともと高いスキルをお持ちです。しかし、災害現場での活動は整地されていない道を走行する機会もあるので、トライアルのテクニックを少しでも理解していただくことで、より安全に現場へ向かえるようレベルアップを図りました。
とくにライディング姿勢は非常に大事なので、まずはそのあたりに特化し、基本的なスキルを身につけてもらうことに注力しました」
なお、今回の訓練が実施された背景には、2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年という節目を迎えたことも関係しています。
これについて、訓練を受けた栃木県警交通機動隊の坂井大悟小隊長は次のように話します。
「東日本大震災当時、私は隊員として現場に出動しました。当時の現場は非常に過酷な状況だったことを覚えています。そんな中で挑んだ今回の訓練で、小川さんからバイクの運転では姿勢が重要であることや、着座位置や姿勢を意識することによってバイクがよりスムーズに進んでいくことを学ばせていただきました。今回の訓練で学んだこれらの技術が、現場でも活用できることを確信しています」
さらに、坂井小隊長は「3県合同での訓練は今回が初めてでしたが、直接顔を合わせて訓練できたことにより、お互いの連携が取りやすくなると実感しました」とも続けました。
また、栃木県交通機動隊の家島昌広副隊長は、今回の訓練を通じて次のようにコメントを残しています。
「災害時の現場における連携は不可欠なので、今回こういった機会をいただけたことは極めて意義深いものでした。災害は“忘れた頃にやってくる”どころか、毎年のようにどこかで発生しており、我々のもとにもいつ出動指示がくるかわかりません。
日頃の訓練や準備を怠らないことはもちろんですが、こうした訓練を通じてさらに技術や練度を上げ、実際に発生した現場でその力を十分に発揮できるよう備えておくことが、非常に重要であると考えています」
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いつ発生するかわからない大規模災害において、広域緊急援助隊の機動力と技術力が希望の光となることは言うまでもありません。
今回の合同訓練で培われた確かな技術は、いざという時に多くの人命を救う大きな力となるはずです。
過酷な状況下で安全かつ確実な走行を可能にするトライアルの技術は、被災地での初期活動において非常に有効な武器となります。
今後もこうした実践的な合同訓練が継続され、部隊の対応力がさらに強化されていくことが期待されます。
















