長距離もワインディングも楽しみたい!! ルックスがユニーク? 旅装備充実のBMW「F 900 XR」は欲張りな1台!! ~高梨はづきのきおくきろく。~
毎月「8」がつく日は『高梨はづきのきおくきろく。』です。今回はBMW Motorradのクロスオーバーモデル「F 900 XR」の魅力についてお届けします。
不思議なルックスで快適なスポーツライディングが楽しめる!
皆さんこんにちは、バイク女子の高梨はづきです!
本日の「きおくきろく。」は、ドイツの名門・BMW Motorradが放つクロスオーバーモデル「F 900 XR」をお届けしていくよ!
BMWと言えば、みんなはどんなイメージを持っているだろう? 「ボクサーエンジンの大きな旅バイク」や「サーキット最強のスーパースポーツ」を思い浮かべる人も多いかもしれない。
そんなBMWのラインナップの中で、ちょっとユニークな立ち位置にいるのが「XR」モデル。スポーツバイクの俊敏さと、ツーリングモデルの快適性を両立させた「クロスオーバー」というジャンルなんだ。
その始まりは2015年に登場した「S 1000 XR」。スーパースポーツの並列4気筒エンジンをベースに、アップライトなポジションと長めのサスペンションを組み合わせたスタイルで登場した。
そしてそのコンセプトを受け継ぎながら、より扱いやすいミドルクラスとして誕生したのが今回の「F 900 XR」。スポーツもツーリングも、どっちも諦めない1台なんだ。

第一印象は、正直に言うと「君、何者…?」という不思議なルックス。背が高くて、シュッとしたフロントマスクにナックルガードまでついている。まるで砂漠を走るアドベンチャーバイクのよう。
でも、足元を見ると前後17インチのホイールにロードタイヤ。まるでアスレチックを軽快に駆け抜ける「スポーツマン」という感じ。
横から見るとボディがキュッと引き締まっていて、テールに向かってツンと上がるデザイン。まさに「高身長イケメン」という言葉がぴったりな、都会的で洗練されたスタイルに目を奪われたよ。
さて、私(身長158cm)にとって大型バイク最大の関門は、取り回しと足つき。スペック表を見ると車重223kgで「やっぱり大型は重いよね……」と覚悟を決めて車体に触れてみると、思ったよりも軽い、と言うより、怖さが無いという表現の方が近いかもしれない。
BMWは重心設計がとても上手で、エンジンの配置や燃料タンクの位置が低く設計されている。そのおかげでサイドスタンドを払って車体を起こす動作が驚くほどスッと決まる。
気になる足つきは、シート高820mmでは少し高め。私の身長だとつま先ツンツンの瀬戸際。
でも、このバイクはシート前方がかなり細く絞られているから足がストンと真下に落ちてくれて「あ、これなら支えられる!」という安心感がすぐに湧いてきた。
跨った後に車体を起こす瞬間が一番ドキドキするけれど、想像していたよりずっと扱いやすい印象だった。
ちなみに、「F 900 XR」には足つき性に配慮した「ロー仕様」もあって、ローダウンサスペンションとローシートの装備でシート高775mmも選べる。

ライディングポジションは、ハンドルまでの距離感が絶妙。ほんの少しだけ前傾だけれど、基本はアップライト。視界も広くて、とても開放的。感覚的には自転車に乗っているときのような姿勢に近い。
でも、そこからスロットルを開ければしっかりスポーツバイクの顔を見せてくれる。このギャップが「XR」の面白さなんだと思う。
エンジンは排気量895ccの水冷並列2気筒で、最高出力は105PS/8500rpm、最大トルクは92Nm/6500rpmとなっている。
このエンジンの特徴は「270度クランク」。これによって、並列2気筒なのにVツインのようなドコドコした鼓動感が生まれる。アイドリングの時点で、すでに「生き物」のような存在感を感じさせてくれるエンジンだったよ。
走り出してみると、その性格はかなりエネルギッシュ。1速~2速とギアを上げていくと、トルクがモリモリ湧いてくる。コーナーの立ち上がりは本当に気持ちよくて、ついついスピードを出して走りたくなる衝動に駆られる。
ただ、低速での渋滞路や極低速域では、スロットルの反応が少しギクシャクと感じる場面もあったかな。
「おっ、ちょっと神経質かな?」と、イケメンの意外な繊細さを見た気分(笑)。
そんな時、ライディングモードを「Road」から「Rain」に変えてみたら、ギクシャク感がマイルドになった。その発見にちょっと嬉しくなったりする。
ほんの少し気を使う場面はあるけれど、それも含めて応えてくれるバイクだと思う。でも、速度が乗ってくるとその印象は一変する。

カーブでの切り返しがとにかく軽い! 大型バイクなのに、ミドルクラスのような軽快さでコーナーを曲がっていく。自分が上手くなったんじゃないかと錯覚してしまうほど自然に倒し込める。
まさに「誰にでも開かれた大型スポーツ」だと感じた。
そして、このバイクの面白さは走りが楽しいだけじゃないところ。ツーリング性能もしっかり考えられていて、そのひとつがウインドスクリーン。片手で簡単に「カチッ」と高さを変えられて、高速道路に入った瞬間にシュッと上げられるのが、地味にテンション上がるポイント。
ライディングモードやトラクションコントロールなど、安全性とスポーツ性能を両立する装備もしっかり備わっている。
その中でも個人的に一番感動したのがDynamic ESA(電子制御サスペンション)。体重を預けるとサスペンションがスッと沈み、走り方や路面の状況に合わせて減衰力を自動で調整してくれる。
完全にお任せというよりは、その時の状況に合わせて「ちょうどいい乗り心地」に近づけてくれるイメージ。
ワインディングでも高速道路でも、常に安心感のある乗り味で、まるで魔法の絨毯の上に乗っているような不思議な感覚だった。
ちなみに、エンジンをオフにするとリアサスペンションは体重をかけても沈まず、オンにするとユラユラと沈み込んでくれる。
こうした挙動の違いからも、電子制御でしっかり管理されているのが伝わってきて、安心感にも繋がっていると感じたよ。
さらにグリップヒーターやETC2.0車載器など、ツーリングを快適にしてくれる装備も充実している。

そしてもうひとつ面白いのが、燃料タンクの給油口。電源OFF後の数秒間しか開けられない仕組みになっていて、細かいところにも安全への配慮が感じられた。
今回試乗したモデルは、エンジンスポイラーと真っ赤なホイールが標準装備されている「ライト・ホワイト/レーシング・ブルー・メタリック/レーシング・レッド」というカラーリングで、価格(消費税10%込み)は159万9000円。
ほかにも最初からクイックシフター(ギアシフトアシスタント)やライディングモード、電子制御サスペンション(リアのみ)、クルーズコントロール、タイヤ空気圧センサー、センタースタンドなど、全色共通で装備が充実。
そして最初は手が届きそうな価格に見えても、オプション装備を追加していくと、どんどん価格が上がっていく(笑)。
でも、欲しい装備にしたときの満足感は特別だよね! それもBMWの魅力のひとつなのかもしれない。
「F 900 XR」と過ごした時間は、「大型バイクへのハードル」をまたひとつ下げてくれる体験だった。
「長距離ツーリングを楽に走りたい。でもスポーティさも欲しい」そんな欲張りな願いを、BMWらしい技術でスマートに叶えてくれる1台だったよ。
ということで本日はここまで。また8のつく日にお会いしましょう~!

Writer: 高梨はづき/hapi
(役者/YouTuber)17歳で普通自動二輪免許取得し、当時の愛車はホンダCB400T。声優を目指して専門学校に入学後、勉学に専念するため同車を手放し一時バイクを離れる。2020年3月にカワサキ・エストレヤを購入し、数年ぶりにバイクの世界にリターン。声優活動を経て、現在は舞台役者・バイカーモデルとして活動中。同時に"hapi"名義でYouTubeチャンネルを開設、自身のバイクライフをマイペースに投稿してます!チャンネル登録お願いします!!



























