お彼岸は牧場のある高原で美味しいカフェオレを淹れる!? 亡き義父に想いを馳せる1DAYツーリング デイドリップ通信Vol.46

バイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんによる連載コラム。義父の墓参りを兼ねたツーリングなのに、高原の牛乳を使った美味しいカフェオレをドリップしてしまう1DAYツーリングのお話です。

牧場ミルクとドリップコーヒーを「1:1」で!!

 こんにちは、『Day Drip Coffee』のクロダです。都内で小さなコーヒー屋をやっている、バイク好きの店主です。このコラムは「バイクとコーヒー」をテーマに、2つの世界を行き来して感じる様々なトピックをお届けしています。

「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人は言いました。ちょうど春分の日を挟んだこの時期が、まさしく春の彼岸。今週に入って一段ギアが上がった暖かさで、桜開花の声も少しずつ聞こえてくる頃。いよいよ春本番ですね。とはいえ朝晩は冷えるので、近頃自宅で飲むコーヒーはもっぱらカフェオレです。

 彼岸と言えば、僕の義父がちょうど3年前の3月15日に亡くなりました。お義父さんが眠っているのは静岡県富士宮にある大きな霊園です。今年は3周忌(3回忌ではない)で、春のお彼岸のタイミングときたら、失礼ながらワンデーツーリングにちょうどいい感じです。

 しかも霊園からちょっと足を伸ばせば、そこは朝霧高原。牧場の多いこの辺りは、フレッシュな牛乳にありつけます。現地でカフェオレを淹れる……なんてちょっと良さそう!

「現地で淹れる美味しいカフェオレにチャレンジ」という本音を「お墓参り」という建前の向こう側に隠しつつ、早速行ってみました♪

美味しい牛乳は彼らのおかげ
美味しい牛乳は彼らのおかげ

 当日は相変わらずゆっくり準備して、出発は午前11時を少し過ぎたあたり。東名高速の渋滞に結構時間を取られたこともあり、「御殿場JCT」から新東名高速をビューっと走るも、あっという間に昼過ぎに。空腹には勝てず「駿河湾沼津SA」で休憩をしました。

 ここは地元駿河湾のシラスを使ったメニューが多くてオススメです。今回は釜揚げのシラスと桜海老を使った「駿河混ぜうどんセット」をオーダー。茎わさびご飯がセットの、地元感溢れる品です。

 温泉卵を崩しつつ、海苔、天かすなどと共に丼全体を“混ぜ混ぜ”するのですが、ちょっぴり「食べ物で遊んでいる」ような背徳感を覚えるのは僕だけでしょうか?

 腹もこなれたところで、食後のカフェオレを楽しむべく「道の駅朝霧高原」へと向かいます。

「新富士IC」で高速道路を降り、国道を北上します。すると体感温度がみるみる下がってきました。そう、標高が上がっているのです。「高原」だから当たり前ですが……。

 服装は防寒していて大丈夫ですが、カフェオレのために牛乳を温める道具を持ってきていませんでした。そんなに寒いと思っていなかったのです。まあ仕方ないですね。あまり急ぐ気もなかったので、途中で見かけた牧場に寄り道して牛の放牧を眺めたりしつつ、道の駅に到着しました。

 店内で物産コーナーの土産物などを物色していたら、並びに飲食スタンドがありました。ソフトクリームは食べたいけど寒くて無理だなぁ、と思いながらメニューを眺めていると……「ミルク(HOT or COLD)」を発見! なんと素晴らしい♪ HOTを注文したら、僕の店と同様に小鍋で温めて提供してくれました。さすが、分かってらっしゃる!

いつもの「カンタン野点(のだて)コーヒーセット」にHOTミルク!
いつもの「カンタン野点(のだて)コーヒーセット」にHOTミルク!

 温かい牛乳をゲットした僕は、さっそく外のテーブル席でいつもの当店特製ドリップバッグでコーヒーを抽出しました。

 カフェオレにするため、抽出量はカップ約半分に抑えるのがポイントです。そして「1:1」でブレンドし、地元産ミルクのカフェオレ完成です♪

 朝霧高原の牛乳は割と軽やかであっさりした印象ですが、とても甘味を感じます。ドリップバッグに用いている中煎りのコーヒーと相性が良く、想定以上の出来栄えでした。

 カフェオレを堪能した僕は、最後にお義父さんの眠る霊園へと向かいました。墓前まで来たところで、仏花さえ持たずに手ぶらで来てしまったと気づく僕。甲斐性の無い婿でスイマセン……。

 でもお墓に手を合わせながら、生前の義父さんに想いを馳せていると、何となく喜んでくれているような気もして、来られただけでも供養になっていると勝手に納得したりして。今までのこと、これからのこと、いろいろ話しかけてしまいました。

 閉園の時間を告げるアナウンスが、園内のスピーカーから流れて来ました。お義父さんに別れを告げてバイクに戻ると、園内の通路を出口に向かって走り始めました。

 ふとメーターに目を落としたら、デジタルの時刻が「04:44」、そして速度が「44km/h」と「4」尽くしの表示が並んでいました。もちろんただの偶然です。

 でもこの瞬間は、お義父さんからの「ありがとね」というメッセージに思えてしまい、何だか心がジーンとしたクロダなのでした。

【画像】小鍋で温めたHOTミルクGET!! 現地で淹れる美味しいカフェオレを画像で見る(11枚)

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Writer: 黒田悟志

世田谷の自家焙煎カフェDay Drip Coffee店主。自転車ロードバイクに20年ほど乗ってきたが、2年前オートバイに目覚めて自動二輪免許取得。両足2気筒から4スト単気筒へ。昨年はSSTRにも初参加しバイクライフを堪能中。

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