3カ月の死者数が4月だけで2倍に!? 【警視庁】バイク関連死亡事故多過ぎで“二輪車ストップ作戦”実施
東京都内のバイク関連死亡事故に歯止めがかかりません。利用者が急増しているわけでもないのに、バイク死亡事故が突出する異常事態に、警視庁もバイクシーズンを迎える先行きに危機感を募らせます。連休を機会に久しぶりに運転をする人、通勤・通学に先を急ぐ人、「バイク事故のパターンを知ってください」と安全啓発。
警視庁が都内で安全啓発を展開
2026年5月1日午後、東京都心で警視庁によるライダーを対象にした「二輪車ストップ作戦」が実施されました。場所は「JR新橋駅」に近い港区新橋四丁目、都道405号線「築地虎ノ門トンネル」と平行する地上部分です。
「多いんです」と、ライダーに注意を呼び掛ける、現場に立ち会う警視庁・工藤忠男管理官がつぶやきます。
危機感を抱くのは、東京都内のバイク関連事故死者数です。2026年、1~4月の4カ月の間に、昨年より2件多く、12人のライダー死亡事故が起きています。
4月30日現在、バイクの死者数は、4輪車の7人、自転車の5人と比較しても多いのですが、問題視されたのは、その上昇カーブです。
「4月だけで6人。1月~3月までの3カ月間と同数の死亡事故が起きているのです」(工藤管理官)
この先、バイク関連の交通事故は春のオンシーズンにかけて増加し、暑さで夏ダレした後、秋に再び増加する傾向があります。
「バイク関連の死亡事故連続発生!」と、ライダーに手渡された周知用リーフレットには、4月に発生した重大事故が列挙されていました。
4月2日 単路を直進中に横断中の歩行者に衝突(歩行者死亡)
4月8日 対向車線にはみ出した二輪車と対向直進してきた二輪車が衝突
4月13日 右折時に対向直進してきた乗用車と衝突
4月16日 直進時に同方向を左折中のトラックと衝突
4月21日 単独で陸橋防護柵に衝突
4月28日 信号待ちの二輪車に、貨物車が追突
4月29日 直進時に対向右折してきた乗用車と衝突
亡くなっているのは、いずれも自動二輪車のライダーです。原付バイクはありません。そのため東京都全域で、ライダーを対象とした交通啓発「二輪車ストップ作戦」を展開することになりました。その先駆けとなったのが、前述の現場です。
「この道路は、先にあるトンネルで、2026年2月に2輪車単独の死亡事故が起きているんですよ」(工藤管理官)
死亡事故は多発していますが、バイク事故には3つの大きなパターンに分類されます。
1.単独
2.右折時
3.追突
ライダー自身の慎重な運転で、相手のない単独事故は防ぎ、交差点では、右折車が直進するライダーの進路を横切ることを想定してスピードを落とす。
停車中のバイクは見落とされやすく、追突されるリスクがあります。4月28日の事故で貨物車の運転者は、「バイクに気が付かなかった」と、その場から立ち去っていました。
ストップ作戦には「バイクを止める」という意味も込めている
事故に遭わない運転をするためには、どういう方法で注意喚起をすることが効果的なのか……警視庁の「ストップ作戦」には、バイクをストップ(停止)させて、死傷事故の増加をストップする、という意味が込められています。
ストップ作戦を展開する車道では、通行するすべてのバイクを退避レーンに呼び込んで、警察官が2人1組でライダーに対して自衛運転を呼びかけます。

この日、警視庁「クイーンスターズ」女性白バイ隊の隊員も、第一交通機動隊、愛宕警察署の警察官とともに路上に立ちました。
自らの胸に手を当てて、プロテクターの重要性を強調。業務で走る場合は、会社での購入も考えて欲しいと訴えます。そのほかにも、必ずライダーのヘルメット、あごひものしめ方をチェックします。
「死亡事故でも、あごひもが緩い場合があります。ヘルメットが事故の衝撃を受けてもヘルメットが外れないように、あごひもはしっかりしめてください」
中には、「免許証でも何でも見せるから。急いでいるから」と、言い残して立ち去ろうとするライダーもいました。そうした先を急ぐライダーにこそ、立ち止まって落ち着いてほしいというのが、ストップ作戦の交通安全啓発なのです。
前述の工藤管理官は、次のように言います。
「時間や気持ちにゆとりがないと、事故のリスクが増します。自分は大丈夫と思い込まずに、速度控えめで、安全確認を充分にしながら運転してください」
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。







