前輪部の重さ70キロ! 工場に行ってわかったヤマハ「NIKEN」生産工程の秘密

ヤマハ「NIKEN」の生産工場で働く作業者の方々は、今までにないモデルの作業工程に楽しくあり、苦労も絶えないようです。そして、作業効率向上のため改善は常日頃行われています。

「NIKEN」生産工場において一番苦労する事とは?

 ヤマハのLMWテクノロジーを採用したモデル「NIKEN(ナイケン)」の生産工場は、効率化や生産速度のアップなど常に改善を心がけて工場で働く人も日々成長しています。今までにないモデルの生産工程は、新たな試みの連続のようです。

効率よく生産されている「NIKEN」

 生産ラインでは、1台分の車両パーツをライン側へ供給していくところから「NIKEN」の作業は始まります。

 最初の工程は、NIKENの生産台数にもよりますが1日80台前後のフレームにナンバリングし、識別番号の下一桁が変わるように画面で番号を確認しながら刻印しています。もちろん他のモデルと識別番号は違います。エンジンもフレームと同様に識別番号が入れられ、その後エンジンは、番号が合致するフレームに搭載されます。

注意と安全確保のため自動運搬機からは、音楽が流れています

 工場内で部品(車体)を運ぶ自動運搬機は、注意を促すために様々な音楽を大音量で流しています。ちなみに音楽は1台1台好きな曲に決められるそうです。NIKENを生産されている方々は、大音量で流される音楽に気をとられることは全くなく、音楽が流れていることで気分転換にもなるそうです。

 NIKEN最大の特徴でもあるフロント足まわり(LMW機構)を組み立てと組み付け作業を行う夏目哲也さんと名倉伸也さんに、お話をお伺いしました。

フロント4本の倒立フォークの調整は職人技

――NIKENに採用されたLMW機構の作業には、何名の方が携わっていますか?

 この工程では、作業者6人でフロントフォーク周りの組み立てを流れ作業で行っています。前二輪の整備と組み立てです。

 ラインピッチ(生産時間)が月によって変動するので、人数を変えながら作業しています。先月までは5人で組み立てをしていましたが、来月からラインピッチが速くなるので、調整しながら6人で作業しています。

LMW機構の組み立ては、作業者に正確な作業を求める

――NIKENに採用されたLMW機構ですが、作業上の注意点はありますか?

 NIKENの生産は、初めてやる作業が多く全てが新しいものです。特に上側のパイロットという部分の組み付けがやフォークのアライメントを取っている部分があるのですが、そこが正確な数値が合わず製品として機械が弾く場合があるので、シムの入れ替えを行いながら調節しています。

ホイールの組み付けは通常モデルの倍以上の工程が必要

――今までの車両は2本のフォークでしたが、NIKENは4本です。作業時間はだいぶかかりますか?

 単純にホイール2個つけるので、その分時間はかかりますね。取り付け状態のNGが今は1割出ていますね。それでも、技術課が相当苦労して作業工程を調整してくれて今作業をしています。

――「NIKEN」を生産するにあたりやりがいはありますか?

 NIKENは、初めてやる作業が多く楽しいこともありますが、作る方では苦労の方が大きいですね。

お話をお伺いした夏目哲也さんと名倉伸也さん

※ ※ ※

 NIKENのメインとなるLMW機構搭載の前側2輪は、重さが約70kgあります。そのフロント2輪は、新人の方でも作業がしやすいように車体の位置を簡単に合わせることができるようラインを改善し、誰でも部品を取り付けられる仕組みに取り組んでいます。

メインラインで外装が組まれるNIKEN

 骨格系を作るサブラインでは、車両を動かせる状態まで作業を行います。この後は、メインラインへ移動させ外装パーツを次々と組み込み最終チェックを経て「NIKEN」は完成します。

新ステアリング機構「LMWアッカーマン・ジオメトリ」とは?

「NIKEN」に採用されているヤマハ独自のサスペンション/ステアリング機構「LMW(Leaning Multi Wheel)アッカーマン・ジオメトリ」とは、バンク角を45度に設定し、外側片持ちサスペンションや2軸ステアリング機構を採用することで、小気味良い旋回性能を確保しています。さらに4本の倒立サスペンションを使用することで、安全性や剛性の向上を達成しています。

※「NIKEN」工場取材日:2019年5月14日

【了】

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