二輪車の高速道路通行料が無料のマレーシア バイクにとってはまさに“フリーウェイ”

東南アジアのマレーシアでは、片側3車線の広々とした高速道路が各地に敷かれています。この高速道路では二輪車の通行は“無料”など、日本とは高速道路事情が違います。どのような仕組みになっているのでしょうか。

二輪車は無料で通行可能なマレーシアの高速道路

 我が国では先に行われた参議院選挙で「二輪車の高速道路料金の半額化」を公約に掲げる立候補者もいましたが、マレーシアの高速道路事情を聞けば、おそらくウラヤマシイと感じる日本のライダーの皆さんも、きっと多いのではないでしょうか?

基本的に片側3車線となっているマレーシアの高速道路。日本よりもアメリカのフリーウェイに近い作りのような気がします

 国内生産量を示すGDPの数値では世界37位というデータながら、一人あたりに置き換えるとEU加盟国並に高水準であるといわれるこの国は近頃、消費税を撤廃したことでも知られていますが、クアラルンプールの街並みを見ても、建設中の高層ビルがアチコチに並び、かなり経済的に発展しているであろう風景を目にすることが出来ます。

 そんなマレーシアの高速道路は、日本と同じ左側通行で基本的に多くが片側3車線で、おそらく現地に降り立ったことがない方が想像するよりも立派なもの。しかもこの高速道路、二輪車の通行は“無料”というから驚きです。

料金所は現金での仕払いは不可。街中で販売されている“Touch’n GO”というカードで行うとのこと。ゲートをそのまま通過出来るETC的な“Smart TAG”という装置もあるが、普及率は低そうです

 ちなみに四輪の場合、高速道路には料金所がいくつもあるのですが、現金での支払いは出来ないとのこと。街中で“Touch’n GO”というカードを購入し、ソレを専用機械にかざし、ゲートを通過するのが一般的です。いわゆる日本の電車やバスで使える” Suica”や“PASMO”的なもので通行料を支払うシステムとなっています。

 またETC車載器のような“Smart TAG”という機械をクルマに取り付ければ、そのままゲートを通過することが可能です。料金はクルマで1kmにつき料金は13.6cen(セン)。100cenがイコールで1RM(リンギット)、日本円で約26円程度と考えれば、かなり安い設定であることが伺えます。

料金所にはバイク専用レーンを設置

 その高速の料金所にはバイク専用のレーンがあり、二輪車はそこを無料で通過します。この二輪専用レーンは道路幅がかなり狭くなっており、場所によってはクランクやシケインのような作りになっているので、速度を十分に落とし、注意を払う必要があります。

二輪車専用ゲートはストレートなものもあれば、建物を迂回するような構造のシケインのような作りのものなどマチマチ。道路幅も狭いので十分に速度を落とさなければ危険です

 マレーシアで走るバイクの最小排気量は125cc。法律で定められた、すべてのバイクが高速道路を無料で走行可能となっています。

 最高速度の制限は110km/hとのことですが、やはり遅い車両はキープレフトで左側の車線を通行しています。また現地で見るスポーツバイクとカブをかけ合わせたかのようなデザインの車両は、なかなかスピードも速く、さほど無理なく高速を巡航しているような印象を受けたのが正直なところ。日本の高速道路では違和感があるような小排気量車でも「あぶねぇなぁ」と感じることはなかったのが率直な感想です。

 ちなみにクアラルンプール近郊は時間によって、かなり渋滞が激しくなるので、やはり市民のアシとしてバイクが重宝されているようです。

 たとえば二輪車の道路占有率に対して、おそろしく高額な価格設定となっている日本の高速道路ですが、マレーシアでは無料かつ排気量の制限もありません。何故か現在でも軽自動車と同額の高速料金を支払い、数年前まで二人乗りも出来なかった我が国の高速道路事情ですが、冷静に考えればマレーシアの方が、あらゆる面において真っ当な条件のような気がします。これは極論かもしれませんが、世界基準で考えれば日本の高速道路の方がバイクにとってオカシナ状況になっているのかもしれません。

【了】

二輪車は無料! マレーシアの高速道路事情

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Writer: 渡辺まこと

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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