第11戦に続きまたもや最終コーナーでドラマが MotoGP第12戦イギリスGP
2019年8月25日、イギリスのシルバーストンにて2019年 MotoGP第12戦イギリスGPが開催されました。5万人の熱狂的ファンが駆けつけた同レースでは、最終ラップ最終コーナーで劇的なドラマが待ち受けていました。
土壇場で大逆転のA・リンス選手がポイントランキング3位に浮上
2019年8月25日、イギリスのシルバーストンにて2019年 MotoGP第12戦イギリスGPが開催されました。

ホンダのマルク・マルケス選手が4戦連続8回目となるポールポジションを獲得した同レースでは、ファビオ・クアルタラロ選手(PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team)がスタート直後の1コーナーで今季3度目の転倒。後ろを走るアンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)は、クアルタラロ選手のマシンに激突して今季4度目の転倒、両者ともリタイアを喫しました。
レース中盤、残り12周目からは5番手スタートのアレックス・リンス選手とM・マルケス選手による熾烈なトップ争いが繰り広げられました。A・リンス選手とM・マルケス選手は何度か順位を入れ替えながら、互いにペースを上げていきますが、ふたりの距離は広がることなくレースは終盤に差し掛かります。
残り4周でリンス選手がミスをし、勝負は決まったかのように見えましたが、リンス選手は最後までオーバーテイクのチャンスを諦めず、迎えた最終ラップの最終コーナーでマルケス選手のインを差し、僅差でゴールラインを通過。
4月14日に行われた第3戦アメリカズGPに続く2勝目を上げ、ポイントランキング3位に浮上しました。レースを終え、表彰台を獲得した3選手は以下のようにコメントします。
●アレックス・リンス選手

「最高な気分だよ。アメリカではバレンティーノを抑えて優勝して、今日はマルクを抑えて優勝できたなんて自分でも本当に信じられないくらいさ。どっちもGP界の真のレジェンドだからね。マルクに勝つのが簡単じゃないことは覚悟していたけど、今日はとにかく全力でトライした。だからこの優勝は自分にとっても大きな自信になったよ。
マルクの後ろを走っていて、いくつかのセクターは彼の方が速かったけど、違うセクションでは追いつくことができた。終盤は自分の方が少しだけペースが速かったから、このチャンスを逃すな! 行くしかない! って自分に言い聞かせてタイミングを狙っていて、最後にそのチャンスが訪れたんだ。素晴らしい仕事をしてくれたチームの皆に心から感謝するよ」。
●マルク・マルケス選手

「チャンピオンシップを考えたらうれしいリザルトですが、レースのほとんどをリードしながら、最後の最後に負けてしまったので、あまり喜べませんでした。シルバーストンは、ずっとトップを走行することが難しいサーキットです。1周ゆっくり走ってリンスを前に出し、様子を見ましたが、彼も前を走りたがりませんでした。
そのうちビニャーレスがうしろにいることが分かったので、プッシュすることにしました。目標はレースに勝つことではなく、チャンピオンシップでした。もしヤマハ勢が追いついてきていたら、結果はもっと悪かったと思います。最終ラップの最終コーナーは、フロントが流れそうになったのでアクセルを戻したら、リンスが前に出てしまいました。
勝てなかったのは残念ですが、チャンピオンシップで総合2位との差が78ポイントになったことはうれしいです。でもドヴィツィオーゾが大きな転倒をしたので、ケガがないことを願っています。避けられない転倒だったしとても残念でした」。
●マーベリック・ビニャーレス選手

「トップ2台にもっと近づいていたら彼らをパスすることができたのかどうか。それは私にもわかりません。ラップごとにコンマ1~2秒を詰めて着々と近づいていきましたが、決して、1ラップだけで一気に大きな差を埋めることはできないのです。
私自身はベストを尽くしましたし、マシンもいつも以上の力を出してくれましたが、長いストレートもありここまでが精一杯でした。トラクションとトップスピードでわずかに及ばず、多くのコーナーでは速さを引き出すことができたものの、他のいくつかの場面では限界ぎりぎりというところもありました。
だからこの3位にはとても満足しています。このウイーク中にマシンが大幅に進化しており、そのことが最も重要だと考えます。来週のミサノ・テストではグリップ向上が課題のひとつ。気持ちを集中し、良いテストを行い、レースのなかで成果を発揮できるよう頑張ります」。
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2019年MotoGP第13戦サンマリノGP決勝は9月15日にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催予定です。
【了】