第1回全日本トライアル大会に出場したヤマハの「TY250 Competition Spec」 約半世紀後進化した「TYS250Fi」でタイトルを目指す!!
ヤマハの全日本トライアル大会への出場は、約半世紀前の「TY250 Competition Spec」から始まりました。現在ヤマハは、全日本トライアル選手権には「TYS250Fi」で参戦し、トライアル世界選手権電動バイククラスには「TY-E」で黒山健一選手が大会に参戦しています。
進化するトライアル競技マシンは、今や電動も!
1973年11月に開催された第1回全日本トライアル大会で初代チャピオンとなった木村治男が実際にレースで使用した車両です。当時の国内トライアル人気の高まりを受けて開催されたトライアル大会には、全国選抜シリーズを勝つ抜いた126名のライダーが参加しました。

■TY250 Competition Spec (1973年)
エンジン形式:空冷2ストローク単気筒
総排気量:246cc
トランスミッション:5速
最高出力:16.5PS/ 6000rpm以上
第1回大会からおよそ半世紀経過した全7戦で行われる全日本トライアル選手権第5戦中国大会は、広島県の灰塚ダムトライアルパークで開催されました。国際A級スーパークラスに参戦するYAMAHA FACTORY RACING TEAM黒山健一選手は、トライアル世界選手権出場のため全日本第3戦を欠場、今季2勝目に挑みました。

国際A級スーパークラスには19名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップ後、上位10名だけが難易度の高い2つのスペシャル・セクションに挑みます。1ラップ目は、前日の悪天候により最悪のコンディションにもかかわらず黒山選手が、10セクション中8セクションを減点0、他の2セクションもそれぞれ足着き1回のみの、わずか合計2点という成績をマークしました。2ラップ目の黒山選手は、6つのセクションをクリーンとしたものの、他の4セクションはそれぞれ減点5となり、2ラップ目は減点20を加算。1ラップ目との合計減点は、22点の黒山選手がトップに立ち、スペシャル・セクションを迎えました。
SS-1は、連続する巨大なタイヤと、非常に狭い走行ラインからコンクリートを斜めに上がる2つの難所がライダーたちの行く手を阻んだ。黒山はここを鮮やかにクリーン、合計22点の黒山が2位に8点差をつけて最終セクションを待たずに中国大会を制しました。
・YAMAHA FACTORY RACING TEAM黒山健一選手(優勝)のコメント

「今日は1ラップ目が良かっただけです。2ラップ目も1ラップ目と同じくらいになるように走りたかったのですが、ちょっと疲れてしまい減点を増やしてしまったのが残念でした。2ラップ目以降も1ラップ目の走りがしたかったなと、ちょっと後悔と反省がありますけど、次はデナシオンがあるので、その前にいい走りが出来て良かったと思います。去年のデナシオンは表彰台を逃したので、今年は表彰台に返り咲きたいですね。全日本のタイトル争いは難しくなっているので、残り2戦もしっかりと勝ちたいと思います」
【了】