上海の深夜の路上には、無音で無灯火の電動バイクが忍者のように往来している! ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.19~

政府が率先して進めたEV化政策。上海で夜道を走る時注意しなければいけないのは、無灯火の忍で寄る電動バイクです。

夜無灯火で走る電動バイクにご用心!

 上海が電動バイク天国であることは以前紹介した。ガソリンバイクを乗るには、ナンバー取得に600万円の大金が必要であり、それすら月に一度の抽選であたりクジを引き当てなければならない。ガソリンバイクをころがすには、ド金持ちになるばかりか、幸運の持ち主でなければならない。社会主義国で贅沢をするには、勝ち組にならなければならないのである。

昼間も電動バイク天国の上海

 とはいうもの、街は電動バイクで溢れている。クルマを購入するのも決して安くはないから庶民は、必死になって電動バイクを走らせる。

 それにしても、街の99.9999%(キノシタの感覚調べ)が電動バイクになると、これほどまで静かになるものかと驚かされた。エンジン音がするはずもなく、スーッと無音で駆けまわっているのだ。

深夜でも無灯火で走行する上海の電動バイク

 特にヤバいのは、深夜であっても無灯火なことである。無音で無灯火だからつまり、気配を消した忍びのようである。音もなく光を消して闇夜を進む姿は不気味である。
 
 なぜ忍びのふりをするのか……。
 
 実は、その答えが得られぬまま帰国の途つくことになった。おそら想像に難くないのは、電気の節約である。エナジーステーションは、それほど見掛けなかったから、出先での電欠は命の危険を伴う。そもそも大地が広いから、移動距離も短くはないだろう。夜間であっても、無灯火走行することで、わずかであっても電気の節約にはなる。

 だが、理由はそうではないと、上海人の親しい友人は言う。
 「あの人達、ライト、つけること、知らないのです」
 「知らない?」
 「そうです、知らないです」
 「点灯すると安全に気がつかない?」
 「政府、とても教えないから、知らないのです」
  ホンマかいな、である。

 我々がバカにしているのではなく、上海在住の上海人が、何度もなんども知らないと言い張るものの、にわかに信じることができなかった。

ほぼ全てのコンビニや食堂はキャッシュレス決算の上海

 上海は東京よりもITが進んでいる。コンビニや食堂でさえ支払はウイチャット決算の街である。彼らだって、自宅に帰れば蛍光灯を灯すはずである。そんな文明人がバイクに関してだけライトの有効性を知らないとは到底思えないのである。
 
 ともあれ、無音で無灯火バイクが往来しているのは確かなので、上海観光を計画している方は、ご注意くださいね。彼らは忍びのようにヒタヒタと、足音をたてずに背後から迫ってくるのだから……。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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