ハイブリッドバイクや電動バイクにアクセサリーソケットをつけるのは簡単? 難しい?

バイクにUSBソケットを取り付け、便利に使っている方も多いかと思います。ハイブリットバイクや電動バイクで、従来のバイクと同じようにUSBソケットを取り付けるためにはどのような準備をすればよいのでしょうか。

USBソケット用の電源はどこから取り出す?

 近年ではスマートフォンなどの普及にともない、充電に使用出来るUSBソケットやシガーソケットを備えたバイクは増加傾向にあります。現在主軸を担うガソリン車と高圧の電気が流れる電動バイクでは取り付け方法に違いはあるのでしょうか。

新型モデルで普及が進むアクセサリーソケット

 最初のハードルとも思われている場合が多い、ハイブリッド車や電動バイク整備で必要といわれる低圧・高圧電気の取扱いについては、会社と従業員の事故が起きたときの責任を明確にするために設けられた講習で実施されているため、資格ではありませんので免許が必要というわけではありません。電圧の大小に関わらず、電気の取り扱いは注意が必要という点では同じですので、注意点は十分考慮する必要はあります。
 
 また、ハイブリッドバイクや電動バイクだからといって、ガソリンエンジンのバイクとのアクセサリ周辺の配線に大きな違いはありません。走行用の燃料がガソリンなのか、走行用バッテリーであるかの違いはありますが、モーターやエンジンで駆動、発電を行い、その他のライトなどを12Vの電圧で動作させるといった点では、おおまかに同じ構造をしています。

 したがって12V車であれば、バイクのキーシリンダーのON配線から直流電源を取り出すことができます。また、ヘッドライトの点灯が義務化された後に発売されたバイクであれば、ヘッドライトの配線などが、エンジン稼働中に電源供給される配線として該当します。加えて、それらの配線が集まるヒューズボックスから配線を取り出すこともできます。

 ヒューズボックス内のヒューズであれば多くの物が12Vの電源で動作する部品です。100円均一などのお店でもかなり安価に通電テスターが入手できますので、通電チェックしてからどのヒューズ取り出すか検討してみてはいかがでしょうか。

発火や漏電事故を防止するには?

 電源の場所と合わせて知っておきたいことのひとつである発火や漏電の事故対策として、電装作業を行う際は一般的にアクセサリー用の12V電源を外しておくことが推奨されています。電源がつながっていれば12Vでも出火や感電する可能性が無いとはいえないからです。

ガソリン車・電動バイクともに作業時はバッテリーを取り外すことをおすすめします

 ハイブリッド車や電動バイクも同様で、万が一の事故を防ぐため、自動車学校などの教育機関では、走行用バッテリーは取り外して作業するように教えているといいます。走行用バッテリーと12Vのバッテリーをそれぞれ搭載しているような車種であれば、特に意識する必要はないと考えられますが、スズキのe-Let’sなど小型の車両は別途12Vのバッテリーは搭載していないケースもあります。

 そういった車種については走行用バッテリーから電圧を変換し、共用して利用するケースもありますので判断が難しいようであれば、カートリッジや走行用バッテリーの配線は取り外しておいた方が無難といえます。

 カートリッジタイプであれば、充電をするときに取り外す方法と同じです。バッテリーを取り外す順番は、マイナス側を取り外してからプラス側を取り外す手順が一般的です。また、元に戻す場合は逆の手順で作業します。部品の破損や事故を防ぐためにも、取り外したバッテリー配線や端子の絶縁は必ず行いましょう。

電源取り出し便利グッズと注意点

 前述で紹介したヒューズ電源ですが、少し前に主流だった平型、その後のミニ低背、低背の3種類があるので、注意が必要です。しかし、簡単に電源を取り出せるという意味では非常に有効な部品といえます。他にも拡張性が高い電源ターミナルといった部品も存在します。組み合わせて利用することで、より自分の利用状況に合わせた配線が可能になります。

様々な種類、カラーが存在するヒューズ

 しかし拡張にあたっての注意点として、同じ配線から電源を取りすぎると正常動作の妨げになる場合があります。義務教育で習った電気の知識が必要になるのですが、バイクもクルマも並列回路で組み上げられます。並列回路の電流はその抵抗によって流れる量が変化してします。例えばウインカーの玉切れで電流が決まったところへ多く流れることによるハイフラッシュ現象がその例です。したがって、同じ電源から複数の回路が完成すると、1箇所に流れる電流量が減ってしまいます。

 したがって、USBソケットの場合では定格の2.1Aの充電が可能な製品でも電流量の不足により、その性能が発揮されない場合がありますので分散させた電源の確保や、安定電源の確保が重要なポイントになります。

より安定した電源を確保するために

 そこで、12Vの電圧をより安定して確保する4極リレーを使う方法があります。4極リレーとは、配線が4本出ており内部にスイッチが組み込まれている部品です。リレーを利用すると回路が2つ完成し、トリガーとなるスイッチ回路がON状態になると、接続させたい電源回路もONになる仕組みになっています。

 例えばリレーを介してUSBソケットを12Vバッテリーに直接接続します。この時リレーの内部ではその回路のスイッチがOFFになっています。そして、バイクのキーONにした際にトリガーとなるスイッチがONになるようにします。すると、キーをONにしたときに、バッテリーからリレーを介し直接つないだ電源もONとなります。走行バッテリーから12Vを変換して取り出している車両は、その変換直後の分岐手前が理論上で電流量が一番多い場所といえます。

 リレーの破損状態は音を聞くことで判断ができます。例えばウインカーを点灯させウインカーのリレーに耳を当てると、内部でスイッチがカチカチと動く音が聞こえます。スイッチを動作させたときに音がしなくて動作しない場合はリレーの破損している可能性があります。

 この4極リレーで電源とスイッチの配線を分ける方法は、かつて旧車のヘッドライト電源が安定せず車検をクリア出来る明るさに達していない場合に、ヘッドライトの安定した電源を確保するためによく使われた方法です。

異なる難易度

 ハイブリッドバイクや電動バイクにUSBソケットを取り付けること自体は作業慣れしている人でないと簡単に取り付けられるものではないといえます。取り付けの難易度は、取り付け位置が決まらないといった問題をはじめ、取り付けのアプローチ、配線の取り回しやすさに依存し、最終的には個人の作業スキルに依存します。

ガソリン/ハイブリッド/電動の3タイプがラインナップされているホンダ「PCX」

 例えば手術を行う際に臓器の位置が人によって微妙に違うことや、手術する人のスキルで手術の難易度が変わることと同等です。

 しかし、誰にでも初めてがあったようにそれらの問題を解決するためには、前もって下調べしておくことや、経験してみることで徐々にスキルアップしていくともいいかえられます。軽い日常点検から徐々に慣れていくことも、必要な準備のひとつなのかもしれません。

【了】

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