カワサキ新型「Ninja 650」は2020年2月発売 あえて従来型(2019年型)という選択肢を考えてみる

カワサキ「Ninja 650」は、スポーティなスタイリングでありながら乗ると親しみやすいキャラクターが特徴の大型バイクです。2020年モデルの新型が発表されたいま、あらためて2019年モデルを試乗します。

昔から根強い人気のパラツイン・ミドルクラス

 排気量250ccクラスに新開発の4気筒エンジンを投入するなど、破竹の勢いを見せるカワサキ「Ninja(ニンジャ)」シリーズ。そのミドルクラスとして、昔から根強い人気となっているのが、排気量600ccや650ccのミドルクラスです。

カワサキ「Ninja 650」(2019年型)に試乗する筆者(青木タカオ)

 レースやサーキット指向の直4(並列4気筒エンジン)、つまり「Ninja ZX-6R」ではなく、イージーかつオールマイティに付き合えるパラレルツイン(並列2気筒エンジン)。リッター4発(排気量1000ccクラスの並列4気筒エンジン)では持て余すけど……と考える人を惹きつけてやみません。

 カワサキは4気筒全盛の1980年代から「GPZ500S」をルーツとしたパラレルツインモデルをリリースし続け、「ER-5」を経て「ER-6f/n」、そして「Ninja 650」へと中間排気量クラス(ミドルクラス)でその伝統を継承してきました。扱いやすく気負わずに乗れる、街乗りからツーリングまで、オールマイティに使える、というキャラクターが人気の秘訣です。

 定評ある並列2気筒モデルの進化形は「Ninja 650」ですが、2020年2月1日に新型(消費税10%込み価格:88万円/KRT EDITION:90万2000円)が発売されます。

 そうなると気になってくるのが前モデルの2019年型(消費税10%込み価格:80万7840円/KRT EDITION:82万9440円)ではないでしょうか。その価格差を見ても、いま一度おさらいすべく試乗しました。

基本構成は新旧大きく変わらない

 トレリスフレームにホリゾンタルバックリンク式のリアサスペンションという車体は、2017年式でフルモデルチェンジした際に構成されました。インナーチューブ径41mmの正立フォークなどを含め、2020年型もこれを踏襲しています。

カワサキ「Ninja 650」(2020年型)カラー:パールブリザードホワイトブラック

 スタイリングを見てみると、2020年型ではアッパーカウルを刷新し、シャープさが増していますが、シリーズ共通のアグレッシブなスタイルは大きく変えることなく踏襲されています。

 ただし細部を見ると価格差も頷けるところで、2眼ヘッドライトは2020年型ではLED化されたのに対し、2019年型はハロゲンです。上級クラスの「Ninja 1000」と同じ4.3インチフル液晶としたメーターも、2019年型では「Ninja 250」同様の大径タコメーターを中心に置いたアナログ感残るものとなっています。

 また、2020年型ではインストゥルメントパネルにBluetoothチップが内蔵され、スマートフォンとの相互通信を可能としていますが、2019年型にインタラクティブ機能はありません。

リラックスしたライディングポジションで足着き性も良好

 スポーティなフォルムとしながら、ライディングポジションは前傾しないリラックスしたものとなっています。

乗車姿勢は前傾や膝の曲がりがキツくならないリラックス設定

 セパレートハンドルがトップブリッジ上に装着され、グリップ位置は高めの設定となり、ヒザの曲がりも窮屈さはなく、ゆったりとした乗車姿勢です。

 シート高は2019年型も2020年型も同じ790mmで、身長175cmの筆者が両足を地面に下ろすとカカトが若干浮く印象です。片足だけを出すならカカトまでベッタリで、足着き性は良好と言えるでしょう。

 水冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンは低回転域から程良いトルクがあり、レスポンス良く加速してくれます。180度クランクらしいパルス感を伴いつつ高回転までスムーズに上昇し、どこからでもグリグリと押し出してくれる気持ちの良いエンジンです。

 ハンドリングは軽快で気難しさがなく、自在な操作感です。動きの良い前後サスペンションがはっきりとした接地感を生み、自然に向きを変えていくから積極的にアクセルを開けていけるのです。フットワークが軽く、運動性能に不満はありません。

排気量649ccの水冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。2020年型では主に吸排気系の改良によりEURO5排出ガス規制をクリア(写真は2019年型)

 歴代のカワサキ・パラツインモデルがそうであったように、Ninja 650もまた長く付き合えるモデルだと思います。

 突き抜けた個性を求めるより、総合力に長けるマシンだけにじっくり腰を据えて乗りたくなるのですが、そう考えたとき、いわゆる型落ちの新車や高年式で走行距離の少ないUSEDという選択は賢明と言えるでしょう。新型と比較検討する意味はありそうです。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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