選択肢は国内から海外モデルまで!! 普通二輪免許で乗る400クラスはさらに個性的な時代へ

国内メーカーのモデルラインナップを見ると、普通二輪免許で乗れる251cc以上のモデルが驚くほど少ないことに気づきます。いわゆる400クラスの選択幅は狭まる一方なのでしょうか? じつは海外メーカーに目を向けると、そんなことはないのです。

400クラスはいま、輸入車がオモシロくする!?

 2020年2月時点で、久しぶりに排気量400ccクラスの国内メーカーのバイクに乗る機会がありました。私(筆者:松井勉)も400cc育ちなので、元“中免ライダー”としては注目でした。

ホンダ「CB400 SUPER FOUR」に試乗する筆者(松井勉)

 そこで復習を兼ねて調べてみると、現在(2020年3月時点)、普通二輪免許で乗れる251cc以上のモデルが、国内4メーカーのラインナップでは驚くほど少ないことに気づかされました。

 かつて400クラスといえば、カテゴリーではネイキッド、スポーツバイク、ツアラー、クルーザー、デュアルパーパス、アドベンチャー、スクーターと、そのバリエーションの多彩さは、まさにバイク界の小宇宙でした。

 それが、現在では次のような状況になっています(価格表記はすべて消費税10%込み)。

●ホンダ
「CB400スーパーフォア」(88万4400円から92万8400円)
「CB400スーパーボルドール」(104万600円)
「CBR400R」(80万8500円)
「400X」(82万6100円)

●ヤマハ
「SR400」(58万3000円)
「MT-03」(65万4500円)
「YZF-R3」(68万7500円)

●スズキ
「バーグマン400」(81万4000円)

●カワサキ
「Ninja 400」(72万6000円)
「Z400」(68万2000円)

カワサキ「Ninja 400」(72万6000円)

 国内4メーカー全部でも10機種にとどまっています。その要因を個人的に考察すると、そもそもクルマの免許や普通二輪免許と同様に、大型二輪免許も指定教習所に通えば、実技試験免除で取得ができるようになったことがあると思います。

 1975年の免許制度改変後、排気量401cc以上のバイクに乗れる免許(当時は「限定解除」と呼ばれた)の取得は不便さがつきまといました。運転免許試験場のみで実技試験が行われ、平日、ワークタイムのみの試験とあって、仕事を休むなど社会生活を犠牲にせざるを得ません。

 試験場によっては試験の予約すら数カ月待ち、というキャパシティー的な問題もありました。教習所のように、練習をしてステップアップするのではなく、教習所でも緊張する卒検を、慣れないバイク、慣れないコースで挑む必要があったのです。

 しかし、そんな不遇の時代が過ぎ、免許制度が適正化され25年近くが経過。80年代のバイクブームを体験し、その後様々な理由でバイクを降りていた層が再びバイクに戻る「リターン」現象で、大型二輪免許を教習所で取得する人が多かったなど、大排気量モデルに人気が移行したこともその要因のひとつでしょう。

ヤマハ「MT-03」(65万4500円)

 また、海外では400クラスが存在しなかったため、世界市場とリンクした物作りや環境規制などへの対応が難しいという現状も、400クラスの勢いをジワジワと奪いました。

 400クラスと同等の車体サイズを持つ海外での人気クラスは600ccから650ccクラスであり、その点も、国内向けモデルの新規投入にブレーキが掛かった理由だと思います。

普通二輪免許ライダーは、選択肢が狭まるばかりなのか?

 そこで、日本で購入できる輸入車の400クラスに目を向けると、国内4メーカー合わせて10機種なのに対し、海外ブランドが勢いを増しているのが解ります(以下、価格表記はすべて消費税10%込み)。

BMW motorrad「G310R」(62万3000円)

 ドイツのBMW motorradは、水冷単気筒の前方吸気、後方排気という珍しいレイアウトのエンジンを搭載した「G310」シリーズから、「G310R」(62万3000円)と「G310GS」(69万5000円から)、スクーターモデルの「C400X」(86万5000円)と「C400GT」(92万7000円)など合わせて4機種。

 イタリアのドゥカティは「スクランブラードゥカティ」に400ccのLツインエンジンを搭載した「Scrambler Sixty2」(92万円)があります。

 オーストリアのKTMからは、水冷単気筒エンジンを搭載した「390デューク」(64万5100円)と「390アドベンチャー」(75万9000円)の2機種。そしてそのKTM傘下であるハスクバーナからは、モダンなネイキッドスポーツとして注目の「ヴィットピレン401」(68万円)と「スヴァルトピレン401」(69万5000円)の2機種。

 イタリアの老舗スクーターブランド、ベスパもオーバー250ccクラスに「GTSスーパー300ノッテ」(73万1296円)や「セイ・ジョルニ」(80万3000円)、「GTS300ツーリング」(72万6000円)の3機種が選択可能です。

 さらに、イタリアのSWMというブランドからは、クラシックモダンな400cc空冷単気筒エンジンを搭載した「シックス・デイズ」(71万2800円※流通在庫限りの生産終了モデル)、「グラン・ツーリズモ」(69万7400円)、「シルバー・ベース」(68万2000円)が日本に投入されています。ここまで紹介しただけで海外から15機種もあるのです。

ハスクバーナ「ヴィットピレン401」(68万円)

 海外ブランドの特徴として、デザイン、スタイルのユニークさ、個性的なメカニズムがあります。国産ブランド同様、アジア生産により価格を抑えた展開も、プライスタグを見れば明らかです。

 確かに、海外ブランドのお店は敷居が少し高く感じるかもしれません。アフターサービスはどうなのかといった不安もあるでしょう。しかし、案じているだけではわかりません。敷居をまたいだ先の世界感、お店の雰囲気に気持ちが解きほぐされ、気が付けば背中をじんわり押されているかもしれません。

 2020年春を迎えるいま、趣味と実用を兼ね、面白いチョイスのパーソナルモビリティーを探すにはもってこい! なタイミングではないでしょうか。

【了】

【画像】どれだけあるの? 400クラスのバイク(25枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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