バイク乗りは白パンツを履かない!? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.60~

レーシングドライバーの木下隆之さんにとっては、バイクに乗る時の格好がイマイチよくわからないようです。どういうことなのでしょうか?

白パンツを履いてタジタジ……

 何事も、見た目から入る性格である。これまで取り組んだスポーツは数知れず、その中にはすぐに飽きちゃったものも少なくないけれど、まずは見てくれを気にするのである。そう、僕(筆者:木下隆之)は虚栄心が強く、世間体を気にするタイプなのだ。他人に好かれない要素を持ち合わせている。

2020年シーズンのスーパーGTでは、ドライバーとしてではなくスポーティング・ディレクターとして『BMW Team Studie』に帯同する筆者(木下隆之)

 そんなだから、『バイクのニュース』でバイクの試乗をさせてもらえるようになって、まずは衣装を一式揃えることにした。

 ヘルメットは、本業のレースで愛用しているアライヘルメットにしたのは当然のこと、ライディングジャケットとグローブは、ゴリゴリのコネを使って「alpinestars(アルパインスターズ)」に提供を依頼。裏から手を回し、最新ウエアを揃えたのである。つまり、恥ずかしげもなく特権を振りかざしたわけだ。

 だが、発注したのが冬のこと。今は夏(※2020年8月取材)、外気温35度以上の酷暑である。当然のこと、少なくともメディアに登場する以上、いくらアルパインスターズでも冬用の衣装では不自然になる。新たに夏用の発注を裏ルートで試みたのだが、昨今の騒動(コロナ禍)で海外(イタリア)からの新着がない。慌てて自宅のクローゼットから、ベテランライダーに見えるであろう衣装でロケ地に向かった。

 集合場所で周囲を眺めれば、バイク業界のライターや“正統派”の試乗者は、しっかりと長袖のライディングジャケットを着用している。一方の僕は、ただの長袖ジャケットに身を包んで並んだ。

 編集「なんか変ですね……」

 担当編集者の鋭いツッコミが襲った。

 木下「ジャケットが似合わないですか?」

 編集「ええ、まったく」

 遠慮がない。

 編集「まず、グローブが冬物です」

 木下「それしか持ち合わせがないもので……」

 編集「そもそもバイクで白いパンツは、あまり見ないです」

 その瞬間、はたと我に返った。そういえば“正統派”ライダーが白いデニムを履くなど、まず見ないのだ。

バイクに乗る格好で白いデニムを履いていることはまずない

 道路を走れば自動車の排ガスを浴びる、虫が着く、場合によってはオイルやグリースが付着することもある……ギアやチェーンが激しく駆動するバイクに、純白のデニムで乗った瞬間、素人丸出しなのだ。

 僕は見た目を気にするタイプなのだ。次回までに、立派なベテランライダーを偽れる衣装を揃えることにする。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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