ビートやパルスを感じるヒップホップスター!! ホンダ「レブル1100」は“お尻”で操り感じろ~!? 最速試乗レポート

“脱ハーレークルーザー”や“若者向け”などと言われ、いま注目を浴びているホンダのニューモデル「レブル1100」。DCTモデルの発売を間近に控え、クルーザーのセグメントに造詣の深い青木タカオさんが早速試乗しました。どんな乗り心地なのでしょうか。

鼓動感をより力強くするための隠し技!

「270度クランク・パラレルツインの鼓動、しっかり聞いてくれー!」と言わんばかりに、熱く心地よいビートがお尻からしっかりと伝わってきて、コーナーではお尻からアクションして曲がっていきます。ホンダのニューモデル「Rebel 1100(レブル1100)」はお尻ですべてを感じられる「ヒップホップスター(意味はゼンゼン違います)」です!!

ホンダの2021年ニューモデル、大排気量クルーザー「Rebel 1100」(DCTモデル)に試乗する筆者(青木タカオ)

「なに言ってるのか、わかんない」と言われそうですが、ひとつずつ説明していきしましょう!!

 まず、余裕を持ってゆったりとロングライドもこなせるのが大排気量クルーザーの大きな魅力。長旅で良しとされるその“味わい深さ”が、街乗りでも心地よく、ストリート派にもその持ち味は高く評価されています。ドコドコと心地よいエンジンのハーレーが、昔から街乗り派にも人気があったのは、そのへんが理由かと思います。

 そんなエンジンの息吹と言いますか、表情が「レブル1100」の心臓部から乗り手のお尻にびんびん伝わってくるではありませんか。「えっ、Vツインじゃなくても!?」……はい、しっかりとそのビートが感じられるのです!

 エンジンは大型アドベンチャーモデル「CRF1100L アフリカツイン」譲りのユニカムバルブトレイン直列2気筒。ダートで優れたトラクションを獲得するために不等間隔爆発を生み出す270度位相クランクが採用されていますが、じつはこれ、Vツインとまったく同じファイヤリングオーダー(点火順序)で、心地良くリズミカルなフィーリングが得られるのだから、もうたまりません!!

排気量1082ccの水冷直列2気筒OHC4バルブエンジンを搭載(写真はDCTモデル)

 開発責任者の古瀬さんに聞くと、低回転域でのパルス感を強調するために、バルブタイミングとリフト量を変更する専用のカムシャフトを採用し、さらにフライホイールの質量を32%増加させて慣性モーメントをアップした、とのこと。ハーレーのカスタム専門店でも、鼓動感をより力強くするために行なうこうした技法が「レブル1100」ではノーマルの新車時から施されているから驚きます。

味付けされたパルスサウンドで、うっとり&興奮!!

 乗り手の五感を刺激する“音”も、徹底的にこだわっていることがわかります。ドコドコ感を強調したエンジン特性を最大限に活かすため、サウンドチューニングがされています。

 回転数が低い領域では、ライダーの心臓とレブルの脈打つ鼓動とが重なり合って、バイクと一体となったかのようなパルスサウンドを奏で、ペースアップし、回転数を上げた領域では弾けるような力強いパルスがビシバシ伝わり、うっとり夢心地&エキサイティングの両面を味わい尽くせます。

 低中速にトルクバンドを広げ、路面を蹴飛ばすようなダイレクトな駆動力もお尻からシートを通じて伝わり、アクセルのON/OFFだけでもう楽しくなってくるのでした。

やたらと低い位置にある乗り手のお尻!!

 シート高は700mmと極端に低く、ライダーは両足が地面にベッタリと届いて、身長175cmの筆者(青木タカオ)だと膝が余裕を持って“くの字”に曲がるほど足つき性に優れます。35mm径の丸パイプを採用したメインフレームは、ライダーの着座位置にかけて大きくくびれ、お尻の位置がとにかく低いのです。

低く設定されたシート高は700mm。身長175cmの筆者(青木タカオ)がまたがると両足が地面に届き、ステップに載せた足はゆとりある“くの字”になる

 この低く構えたヒップポイントから車体を操ります。ハンドリングはどっしりと落ち着いていて、クルーザー然としたもの。腕や上半身だけで操ろうとすれば、思い通りにはいかないのは当たり前のリッターオーバーのクルーザーです。

 フロント荷重の大きいスポーツバイクに乗り慣れた人は、アンダー気味でカーブでは狙ったラインをトレースできないなんて思うかもしれませんが、お尻にどっしりと深く着座し、荷重をしっかりかけて車体を重心から操っていけば、舵角が自然についてダイナミックなコーナリングが楽しめます。

「レブル1100」は広大なアメリカでも販売されますが、真っ直ぐに続くハイウェイを快適にクルージングするには、ヒラヒラすぎる落ち着かないハンドリングはNGとされます。フロントフォーク角30度にスラント角を2度設けて、キャスター角28度でトレール量を最適化するというディメンションは「レブル250」でも高く評価されてきたもので、その秀逸なディメンションが1100へバージョンアップした時も活かされているのでした。

ストリートダンスのカジュアルさそのもの!!

 ストリートで若者に支持され、人気となっている「レブル250」は軽快で操作性もイージー。そうしたフレンドリーなキャラクターをそのままに、速度域や使い方も変わる大排気量クルーザーとして、直進安定性もしっかり持ち合わせています。

市街地の交差点では軽快なハンドリング、真っ直ぐ伸びた道ではクルーザーらしい安定感があって快適そのもの

 お尻から車体をくねらせ、お尻から熱きビートを感じていると、ストリートから生まれたヒップホップダンスを踊っているかのようです。上手く踊るには、肩の力を抜いてリラックスすることが肝心です。

「あぁ、レブル1100も自然体で乗っていられる。楽しくて仕方がない」……同じ「ヒップホップスター」ではありませんか!!

※ ※ ※

 今回試乗した「Rebel 1100 Dual Clutch Transmission」の価格(消費税10%込み)は121万円、発売日は2021年3月11日です。MTモデルの「Rebel 1100」は110万円、2021年5月13日発売です。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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