ブレーキランプの色はなぜ赤色? 他の色に変えたらダメなのか?

クルマやバイクのブレーキランプの色といえば、赤色が当たり前の認識となっています。しかしなぜ赤色であるかと理由を聞かれた場合に、言葉に詰まる方も多いかもしれません。ブレーキランプの色はなぜ赤色なのでしょうか。また、他の色に変えることはできるのでしょうか。

ブレーキランプはなぜ赤色なのか

 ブレーキランプが赤色の理由としては、国土交通省の「道路運送車両の保安基準」第212条に「制動灯の灯光の色は、赤色であること」と定められているためです。また、なぜ黄色や白、青色など、他の色ではだめなのかは、ブレーキランプの役割を考えれば理解できるでしょう。

「道路運送車両の保安基準」第212条に「制動灯の灯光の色は、赤色であること」と定められています

 一口にランプと言っても、取り付け場所や色によって様々な役割や意味があります。車両前方のヘッドライトは、ライダーの視界を確保するために前方を照らす役割や、反対車線を走る車両や歩行者などに、自身の存在をアピールする効果があります。また、前後両方に取り付けられたウィンカーは、バイクが進む方向を周囲へ知らせる役割を果たしているのです。

 ブレーキランプもテールランプも、主に後続車両に対して自身の存在をアピールする役割があります。ヘッドライト同様、バイクのテールランプはイグニッションスイッチをオンにすると、常に点灯。夜間の走行時だけでなく霧や雨、雪などの悪天候によって視界が悪い時も、テールランプが点灯していることで、周囲に対してバイクの存在を知らせることができるのです。

 常時点灯しているテールランプに対して、ブレーキランプは実際にブレーキをかけたときに点灯します。ブレーキをかけている状態、つまり減速していることを後方車両へ伝えることで、後方車両も速度を落とし、衝突事故を防ぐ効果があるのです。つまり、ウィンカーやブレーキランプ及びテールランプの役割とは、周囲の車両に対してバイクの存在をアピールすることであり、ライダーの運転の方向性を伝えることだといえるでしょう。

 国土交通省の「道路運送車両の保安基準」の第37条には、テールランプ=尾灯について、第39条にはブレーキランプ=制動灯についての規定が記載されています。それによると、テールランプは「後方にある他の交通に自動二輪車の存在を示すこと」、ブレーキランプは「後方車両に対してブレーキ操作をしていること示すことができなければならない」という内容が記されているのです。また、併せて「性能を損なわないように、かつ、取付位置、取付方法等に関し告示で定める基準に適合するように取り付けられなければならない。」とも記されています。

 赤色は本能的に目を引く色で、注意を促す色です。加えて膨張色であり、進出色の性質を持っているほか、エネルギッシュで気分を高揚させる働きもあります。また、実際の時間より時間経過を早く感じさせる心理効果もあるなど、さまざまな働きを持った色なのです。

ブレーキランプもテールランプも、主に後続車両に対して自身の存在をアピールする役割があります

 ブレーキランプが赤色であるということは、後方車両の運転手の目を引きやすく、注意喚起の意識を高める効果があるといえるでしょう。また、実際の距離よりも近くに感じる心理効果により、後方車両のブレーキングのタイミングも早まります。信号機の「止まれ」でも赤色が使用されているように、赤=ストップの感覚は日常生活でも刷り込まれているのではないでしょうか。

 つまり、ブレーキランプは「ライダーと周囲の車両が安全に走行するために必要なもの」であり、そのためには「注意喚起の意味を持ちつつ本能的に目を引く赤色が最も効果的である」といえます。

ブレーキランプの色を他の色に変更することは違反にあたるのか

 前項で解説したように、国土交通省の「道路運送車両の保安基準」の第212条より「制動灯(ブレーキランプ)の灯光の色は、赤色であること」と規定されています。ブレーキランプの色を赤色以外の色、例えば白などに変更した場合は改造車に該当。道路運送車両法第99条の2に違反したとみなされ、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。

 また、クリアランプを使用した場合は色の違反に当たるため車検に通りませんが、ランプにスモークフィルムを貼ってスモークランプにすることは、違反ではありません。

クリアランプを使用した場合は、赤色のランプを使用しましょう

 しかし、「道路運送車両の保安基準」の第212条には「昼間にその後方100mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。」「光源が 15W以上で照明部の大きさが20cm2以上(平成18年1月1日以降に製作された自動車に備 える制動灯にあっては、光源が15W以上60W以下で照明部の大きさが20cm2以上)」と記載されています。そのため、厚いスモークフィルムを貼って光量が規定に満たない場合は、車検には通らないのです。

LEDライトは、どこか一つでも発光素子が切れていると灯器の損傷とみなされ、違反になるため注意が必要です

 最近よく採用されているLEDライトは、どこか一つでも発光素子が切れていると灯器の損傷とみなされ、違反になるため注意が必要です。また、レンズ面が著しく汚れている場合も違反とみなされる可能性があります。そういった場合は整備不良扱いになり、違反点数1点と自動二輪車は6000円、原付は5000円の罰金が課せられるのです。

 道路輸送車両法47条には、「当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない」とあります。また、道路交通法62条にも「車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、整備不良車両を運転させ、又は運転してはならない」と記載されています。

 つまり、ブレーキランプが切れた状態や汚れた状態=整備不良で走ることは法律違反になるのです。自動車学校で毎回乗車前点検をやったように、定期的にランプの不備や汚れていないかチェックをすると良いでしょう。

※ ※ ※

 ブレーキランプの赤色は、後方車両の運転手に本能的に注意を向けさせ、バイクの存在をアピールする効果があります。また、ブレーキランプの色は道路運送車両の保安基準により定められているため、色を変更すると重い罰則が課せられることになるのです。

 ライダー自身も周囲の車両の安全を確保しながら走行するためにも、定期的なチェックを怠らないことを心がけましょう。

【了】

【画像】テールランプの色を車体で確認する(10枚)

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