【MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP】世界戦に挑む中上貴晶選手 転倒を喫するも再スタートで15位フィニッシュ

2021年10月24日、MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースがイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれました。日本人ライダーとして唯一、MotoGPクラスに参戦する中上貴晶選手(ホンダ)は、9周目に転倒を喫し、再スタートを切って15位でレースを終えました。

リアの不調、転倒からの再スタート……15位でポイント獲得

 MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPは、9月中旬に行なわれた第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPと同じくイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれました。つまり、同地での開催は第15戦アメリカズGPを挟み、今季2度目となります。

ホンダのマシンを駆り、2021年シーズンのMotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(#30 LCR Honda IDEMITSU)

 約ひと月ぶりにミサノに戻ってきたMotoGPライダーたちでしたが、9月中旬のサンマリノGPとはコンディションが大きく異なっていました。気温は低く、また、金曜日のフリー走行(練習走行)から雨が降り、日曜の決勝日までにウエットコンディション、または濡れた部分が残る路面状況での走行となったのです。加えて決勝レースはドライコンディションが予想されており、難しい状況の中でレースウイークが進みました。

 中上選手は、ウエットコンディションでの走行に苦戦。さらに一部に濡れた部分が残る路面状況で行なわれた予選のQ1では、転倒者が多発したことで黄旗が提示され、タイムの更新が難しい状況となり、中上選手は17番手で予選を終えました。

 さらに、完全なドライコンディションで迎えた決勝レースでは、別の問題が中上選手を襲いました。グリッド上で突如、リアに問題が発生したと言うのです。

レースが始まる前に発生したトラブルにより、苦しいレースを強いられた中上選手

「ピットから出たときは、バイクはまったく問題ありませんでした。グリッドに着いて、スタートを待つ15分の間に何かが起こったんです。メカニックがリアのスタンドを外したとき、何かが変だと感じたんです。でもすでにそのときには、メカニックはグリッドから離れていました」中上選手はレース後にそう説明しています。

「バイクのリア側が安定していませんでした。リアのサスペンションなのか……まだわかっていませんが、何かがあったんだと思います」

 中上選手は9周目の14コーナーでチームメイトのアレックス・マルケス選手(ホンダ)をパスしようとしてフロントが切れ込み、転倒。再スタートを切り、15位でチェッカーを受けました。ただ、リアの問題により、レース前から「難しいレースになることはわかっていた」とも言います。

 苦しいレースとなりましたが、それでもポイント獲得圏内の15位で完走を果たしました。問題の原因究明と解決、そして2021年シーズンの残り2戦の巻き返しを期待したいところです。

チャンピオンを獲得した22歳のフランス人ライダー、クアルタラロ選手(ヤマハ)

 また、このエミリア・ロマーニャGPでは、ファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ)がチャンピオンを獲得。フランス人ライダーとして初のMotoGPチャンピオンとなり、ヤマハに2015年以来のタイトルをもたらしました。

 そしてこのレースでは、ホンダのファクトリーチームのライダー、マルク・マルケス選手が優勝、ポル・エスパルガロ選手が2位表彰台を獲得しました。ホンダとしては今季初のワン・ツー・フィニッシュ。苦しいレースが続くホンダとして、光明となったと言えるでしょう。

最後の母国グランプリとなったバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)。ロッシファンを象徴とするイエローが客席を埋めている

 次戦は2021年11月7日、ポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで第17戦アルガルベGPの決勝レースが開催されます。

【了】

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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