コース上のバトルがレースの本質!! ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.120~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、F1とMotoGPを観戦して、バイクはクルマに比べて小さいからバトルが面白いと言います。どういうことなのでしょうか?

F1とMotoGP、コース上のバトルに期待しつつレース観戦で興奮

 ホンダF1の快進撃が止まらない。2021年シーズン、30年ぶりにF1世界チャンピオンに輝き、F1への挑戦を終了したが、レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダにエンジンを供給しているホンダは、エースであるマックス・フェルスタッペンがドライバーズランキングトップ、チームタイトルであるコンストラクターポイントでも、昨シーズンの王者メルセデスにわずかなポイント差で迫っていた。

トップでゴールするRed Bull Racing Honda(レッドブル・レーシング・ホンダ)のマックス・フェルスタッペン選手(F1第22戦アブダビGP)
トップでゴールするRed Bull Racing Honda(レッドブル・レーシング・ホンダ)のマックス・フェルスタッペン選手(F1第22戦アブダビGP)

 そんな熾烈なポイント争いが証明するように、レース展開は接近戦が演じられている。最終ラップになっても1秒差以内、競馬のように鼻差のゴールなんてことも珍しくない。いっときも気を緩めることのできないレースが続いているのだ。さすがのホンダであっても、ブッチギリはアメリカGPの一度だけだったと思う。

 コース上の先陣争いは激しい。とくにスタート直後の1コーナーを制することが勝利への最短距離の傾向にあるから、無謀に見えるバトルも無いわけではなく、一瞬にしてクラッシュリタイヤ、もしくはマシンの損傷で勝負権を失うなんてガッカリも少なくない。

 ライバルを抜くのは、タイヤ交換でアンダーカットを狙うのが常態化している。つまり、ライバルがピットインした隙にフルアタック、迅速なピット作業を終え、コースに復帰した瞬間にどっちが前にいるかが勝敗を左右する。そのタイミング次第で勝敗が決するのが最近の傾向だ。

 なぜ、コース上のバトルが減ったのか。もしくはスタート後のクラッシュが多発するのか。答えは簡単である。マシンがデカすぎるのだ。F1マシンの全長は5.5メートル、幅は2メートル超。つまり、全長はメルセデス・マイバッハより長く、幅はハマーH2に迫る。タイトな1コーナーで並走するのは難しい。かといって順番に1列で走るマヌケはいない。おのずとクラッシュすることになるのだ。

アレックス・マルケス選手(LCR Honda CASTROL)
アレックス・マルケス選手(LCR Honda CASTROL)

 そんな熾烈なポイント争いが証明するように、レース展開は接近戦が演じられている。最終ラップになっても1秒差以内、競馬のように鼻差のゴールなんてことも珍しくない。いっときも気を緩めることのできないレースが続いているのだ。さすがのホンダであっても、ブッチギリはアメリカGPの一度だけだったと思う。

 コース上の先陣争いは激しい。とくにスタート直後の1コーナーを制することが勝利への最短距離の傾向にあるから、無謀に見えるバトルも無いわけではなく、一瞬にしてクラッシュリタイヤ、もしくはマシンの損傷で勝負権を失うなんてガッカリも少なくない。

 ライバルを抜くのは、タイヤ交換でアンダーカットを狙うのが常態化している。つまり、ライバルがピットインした隙にフルアタック、迅速なピット作業を終え、コースに復帰した瞬間にどっちが前にいるかが勝敗を左右する。そのタイミング次第で勝敗が決するのが最近の傾向だ。

 なぜ、コース上のバトルが減ったのか。もしくはスタート後のクラッシュが多発するのか。答えは簡単である。マシンがデカすぎるのだ。F1マシンの全長は5.5メートル、幅は2メートル超。つまり、全長はメルセデス・マイバッハより長く、幅はハマーH2に迫る。タイトな1コーナーで並走するのは難しい。かといって順番に1列で走るマヌケはいない。おのずとクラッシュすることになるのだ。

 その点で、バイクのレースは興奮する。ボディがコンパクトだから、F1ではおよそ不可能な、タイトなシケインの中でパッシングすることもある。コース上のバトルがレースの本質であり、アンダーカットに頼るよりも興奮する(F1はそれでも興奮するけれど)。

 モータースポーツ観戦は楽しい。2021シーズンはF1中継の後にMotoGPをテレビ観戦することが多く、寝不足が続いた筆者(木下隆之/レーシングドライバー)なのでした。

【画像】F1とMotoGPの写真を見る(8枚)

画像ギャラリー

Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

最新記事