ツーリングついでに社会見学 時速500キロの世界を体感できる!! 「山梨県立リニア見学センター」に行ってみた

時速500キロ走行を達成したリニアモーターカーを実際に間近で見られる「山梨県立リニア見学センター」に、ホンダ「400X」で行ってきました。

バイクとは異なる迫力のスピード感!! 浮上走行を間近に見られる

 バイク乗りの中には、スピードの世界に興味を持つ人も多いのでは? と言っても実際に走るわけではありません。時速500キロ走行を達成した、リニアモーターカーを実際に間近で見られるという施設「山梨県立リニア見学センター」に、ホンダ「400X」で行ってきました。

「リニア見学センター」に近づくと、のどかな風景の中に突如「山梨リニア実験線」が見えてくる。地元の人によれば路面凍結に注意が必要だが、積雪後や雨が降ったあとの早朝深夜でなければ、冬でも意外とバイクで走れるという
「リニア見学センター」に近づくと、のどかな風景の中に突如「山梨リニア実験線」が見えてくる。地元の人によれば路面凍結に注意が必要だが、積雪後や雨が降ったあとの早朝深夜でなければ、冬でも意外とバイクで走れるという

 リニアモーターカーとは、超電導磁石の磁力によって浮上走行する次世代の高速鉄道です。今回訪れた「山梨県立リニア見学センター」は、山梨リニア実験線の走行試験の開始に合わせて開館した博物館型見学施設です。山梨県都留市にあり、東京方面からバイクで向かうなら、中央自動車道を「大月IC」で降り、国道139号を富士吉田方面に向かえば「道の駅つる入口」交差点に案内看板が現れるので、右折して数分で到着します。

 施設は「山梨リニア実験線」のすぐ脇にあり、お土産品などを販売している「わくわくやまなし館」と、リニアモーターカーに関する展示や、走行風景が見られる「どきどきリニア館」に分かれています。目指したのはもちろん「どきどきリニア館」のほうです。

 入場券を購入して館内に一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、2003年に鉄道の世界最高速度となる時速581キロ(当時)を達成したリニア試験車両「MLX01-2」の実物展示です。現在東海道新幹線で走っているN700系などはノーズ部分が長く、カモノハシみたいと言われますが、それに比べるとずんぐりしたフォルムなのに、よくそんなスピードが出せたな、と感心します。

展示の目玉といえるリニア試験車両「MLX01-2」の実物。2003年には当時の鉄道世界最高速度記録、時速581キロを達成し、ギネスブックに登録されていた
展示の目玉といえるリニア試験車両「MLX01-2」の実物。2003年には当時の鉄道世界最高速度記録、時速581キロを達成し、ギネスブックに登録されていた

 この展示車両は実際に客室内に入ることもできるので、リニアに実際乗る時の雰囲気を体験できるようになっています。

 建物は3階まであり、ほかにはリニア開発の歴史や超電導によってリニアモーターカーが浮上走行する原理や解説、リニア中央新幹線の工事の様子などが分かりやすく展示されています。また、リニアの鉄道模型ジオラマや、リニアのことがよくわかる映像作品の上映などもあり、飽きずに楽しみながら学べるよう工夫されています。

 館内をのんびり見学していると「間もなくリニアが通過します」というアナウンスが入りました。屋外見学テラスでは、網越しに生のリニアを感じられるということで、ワクワクしながらその時を待ちます。ちなみに、現在のスピードやどの地点に車両がいるのかなどを示すモニターが設置されているので、リニアが急に現れて見逃す、という心配はありません。

 ほどなくすると……施設の目の前にあるトンネルから、流線型の白い車両が現れたかと思うと、シュバッ!! という音を残して、あっという間に視界から消え去って行きました。「あれがリニアか!」と、一瞬の出来事に感動です。写真では伝わりませんが、すぐ目の前を通過したこともあって、ものすごい迫力! そして通り過ぎたあとにファサァっと吹く風からもスピードの速さを実感しました。

猛スピードで走り去る最新型の「L0系」リニア。屋外見学テラスからは網越しながら、走行音や風をダイレクトに感じることができる。
猛スピードで走り去る最新型の「L0系」リニア。屋外見学テラスからは網越しながら、走行音や風をダイレクトに感じることができる。

 レールの上を走るのではなく超伝導の力で浮上して走行するため、新幹線よりも通過音がかなり静かなのも印象的でした。ちなみに今回走ったのは、最高速度時速500キロの「L0系の改良型試験車」で、館内に展示してある車両よりもノーズ部分が長いデザインが特徴です。現在は営業運転に向けての快適性や居住性向上のための試験を主に行っているとか。

 過ぎ去った車両がまた戻ってくるというので、今度は3階にあるガラス張りの見学ラウンジから見ることにしました。しばらくすると施設の前の長い直線を、白とブルーの車体が駆け抜けて行きました。カモノハシのようなノーズの長い流線型の車体をしっかりと見ることができて満足です。

 じつは筆者(野岸“ねぎ”泰之)が訪れた際には時速500キロ運転は行われず、時速400キロ程度だったのですが、それでもかなりのスピードを体感できました。時速500キロだと、もっとすごいんだろうなぁ……と、想像が膨らみます。ちなみに2019年までは年に数回、体験乗車が行われていましたが、現在は休止となっています。

 リニアの走行試験は毎日行われるわけではなく、予定は毎週金曜日の夕方に翌週分の運転予定日が発表されます(リニア見学センターのホームページなどで確認可能)。ただ、試験が行われても1日に1往復しか走らない日や、何度も走るけれど時速500キロで運転されない日もあるなど、なかなかに見学者の運が試される施設でもあります。

見学ラウンジからは車両の全体像や、ガイドウェイと呼ばれる、鉄道のレールに相当する構造物とモーターに相当する地上コイルから構成される走行路を見ることができる
見学ラウンジからは車両の全体像や、ガイドウェイと呼ばれる、鉄道のレールに相当する構造物とモーターに相当する地上コイルから構成される走行路を見ることができる

「山梨県立リニア見学センター」は、たとえ走行試験がなくても十分楽しく、また「わくわくやまなし館」ではリニアグッズや山梨のお土産も買えるので、富士山ツーリングのルートプランに加えてみてはいかがでしょうか。

■山梨県立リニア見学センター
開館時間:9時から17時(最終入館16時30分)
利用料金:「どきどきリニア館」420円 ※「わくわくやまなし館」は無料

所在地:山梨県都留市小形山2381

【画像】「山梨県立リニア見学センター」の詳細を見る(19枚)

画像ギャラリー

Writer: 野岸“ねぎ”泰之(ライター)

30年以上バイク雑誌等に執筆しているフリーライター。ツーリング記事を中心に、近年はWebメディアで新車インプレッションやアイテムレビューも多数執筆。バイクツーリング&アウトドアを楽しむ『HUB倶楽部』運営メンバーの1人。全都道府県をバイクで走破しており、オーストラリア、タイ、中国など海外でのツーリング経験も持つ。バイクはスペックよりも実際の使い勝手や公道での走りが気になるキャンプツーリング好き。

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