高校生が大阪モーターサイクルショーに出展!? 熊本県立矢部高校「二輪車競技部」が部活と地元をアピール!
二輪車安全運転全国大会への出場を目標にクラブ活動をする熊本県立矢部高校が、大阪モーターサイクルショー(2022年3月19日から21日)に独自出展し、開催3日間、高校生が出展ブース前に立ち、全国唯一といえるユニークな“部活”を伝えます。山都町、熊本県の魅力を来場者に伝えたいとヤル気です!
主催者にとっても、矢部高校にとっても初めての経験
2022年3月18日、熊本県山都町にある県立矢部高校の男子生徒5人が空路、大阪入りしました。生徒はいずれも「二輪車競技部」で活躍する部員たち。翌19日から開幕する「大阪モーターサイクルショー」に参加するためでした。

3年ぶりとなる大阪モーターサイクルショーは出展者の期待も大きく、車体・部品など関連約140団体が出展。会場を広げての開催となりました。しかし、生徒が会場に立つ高校の参加は類がありません。大阪モーターサイクルショーの主催者にとっても、矢部高校にとっても初めての経験だと言います。なぜショーに参加することになったのでしょうか。顧問の米村龍一教諭に伺いました。
「二輪車競技部は毎年各地で開催される『二輪車安全運転大会』の中でも鈴鹿サーキットを会場とする全国大会の出場を目標に活動をする部活です。ところが、感染拡大の影響で2020年から3年連続で中止が決定。4月から3年生になる在校生は1回も大会に出ることのないまま卒業することになってしまった。その代わりになる部活の取り組みができないか、というのがきっかけです」
学園祭さえ、ちゃんとできなかった生徒のために
矢部高校の二輪車競技部は、地元に支えられた“異色”の部活です。食農科学科、林業科学科、普通科の3学科。自動車科など工業系の学科はありませんから、自動車の構造を学ぶ傍らクラブがあるわけではなく、その名の通り純粋に安全運転でモータースポーツを追求するクラブです。阿蘇南外輪山の山麓に位置する学校には、多くの生徒が原付スクーターで通学する環境。米村教諭も同校の卒業生で20kmの道のりをバイク通学していました。

創部から25年。入部を目指して越境入学する生徒も増えました。ショーに参加する部長の岸本怜旺(れお)君は、大阪府から矢部高校に入学しました。山都町も地域に根差す矢部高校に対して学生寮を作って越境入学に対応しています。やまと令和寮・女子寮の新築も予定しています。
「山都町には学科、部活の活動で補助してもらっていて、教科書代も無料です。モーターサイクルショーへの費用も山都町からの支援です。じつは今、ふるさと納税の企業版で寄付を募っていて、今回の出展でぜひ関連企業にもお願いできないか、ということもあります」(米村教諭)

越境入学する生徒にとっても、二輪車競技部は魅力のひとつになっています。来年度、新入生としてやってくる新人は、長野県と大阪府から高校にやってきます。全国でも数少ないクラブ活動は、同校の顔になっています。
「モーターサイクルショーにやってくる子供たちにも矢部高校の魅力を伝えたい。今いる部員たちには、二輪車関連のメーカーが多く集まるので、企業とのつながりも考えてほしい」
盛りだくさんの出展の目標が、顧問である米村教諭からあふれます。

「生徒にとっては、かなり大きなイベント。校長は感染に気をもんでいるのですが、生徒は準備の時から盛り上がってます。みんなそうですが、最近の生徒たちは学園祭ですら、ちゃんとしたのができてませんでしたから」
若者とバイク……こんな関係があれば、この先の未来もおもしろくなるのではないでしょうか。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。







