マリンもバイクも、業界が賑わっている!? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.136~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、コロナ禍の影響でマリンもバイクも業界が活況を呈していると言います。どういうことなのでしょうか?

マリンもバイクも、業界が賑わっている!?

 マリン業界が活況を呈している。ボート免許会場は予約で溢れているという。高額なクルーザーも生産が追いつかない。海外からの輸入艇も入荷待ち。80フィート級の豪華クルーザーを輸入しようにも、運ぶ船に空きがないという。船を船で運ぶというのも滑稽な話だが、さすがにプレジャーボートで外洋を渡るのも気が引ける。仕方なく、輸送船の空きを待つことになる。そしてこの活況は、バイク業界も同様だ。

活況を呈するマリン業界、それはバイク業界も同様ではないか?
活況を呈するマリン業界、それはバイク業界も同様ではないか?

 教習所は混雑しており、バイクの生産も、物流も追いつかない。せっかくバイクを購入しても、手元に届くまで半年以上待つのは当たり前という話も聞く。中古車価格が新車価格を上回るという逆転現象も起きているというから、空前のバイクブームではないか。

 その理由を業界関係者は異口同音にこう言う。「コロナ禍によって、三密が避けられるレジャーが活況だ」と。ボートもバイクもいわばオープン状態だから、個室にこもるよりは感染のリスクは少ない。当然ながら操縦は禁酒。マンボウとやらの対象にはならない。

 あるいは外出自粛で辟易した人達が、自らを活発化させるための手段の対象としてオープンレジャーに向かうとも言われている。感染リスクの少ないレジャーを楽しもうゼ、というわけである。

 しかし、それは何か理由として釈然としない。クルーザーの最大の楽しみは、大海原をクルージングするのではなく、クルージング後にマリーナに停泊して酒をたしなむことでもある。80フィート級のクルーザーにはリビングもある。所詮は船だから、三密には違いない。

 バイクだって同様で、走っている時間は確かに爽快極まりないけれど、みんなでワイワイやりながらのツーリングも格別なものだ。道中のレストランでバイク談義に花を咲かせるのが楽しいのである。

 というわけで、感染リスク云々がクルーザーやバイクの空前の盛り上がりの理由ではないような気がする。

 とは言うものの、マリンの盛り上がりとバイク時代の再来に水を差す気はさらさらない。つまりこれは、金と時間が余っているから、と考えるのが自然のような気がする。

 これまで(コロナ禍以前)は、休日以外は早朝から出勤し、帰宅は深夜。時には苦痛をともなう接待の会食も負担だった。それがリモートになったから、時間がたっぷりと余る。

 複数人での宴会ははばかれるから、酒代も浮いている。飲食店やサービス業にとっては死活問題だが、銀座や六本木での楽しい時間に費やしていた金が浮いてしまうのだ。

 金と時間の余裕が、クルーザーやバイクに向かっている。これまでやりたくてもやれなかったクルージングやツーリングを、資金的な余裕と得られた時間で謳歌しよう、と。その結果が、空前のマリン業界の活況であり、バイクブームなのであろう。

 言葉を変えるならば、ボートやバイクの魅力がコロナによって再確認させられた、ということに他ならない。つまりこれはブームなどではなく、不易であり、定番なのではないか。

 海に囲まれた島国ニッポン、ワインディングに恵まれた火山島の日本で、バイクの魅力が定番になりつつある……そう考えるとワクワクする。

【画像】マリンとバイク、両方を手掛けるメーカーを見る(6枚)

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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