電動バイクレース『MotoE』第2戦フランス大会 大久保光選手がレース1で初の表彰台を獲得!!

2022年5月14日、15日、電動バイクレースFIMエネルMotoEワールドカップ第2戦フランス大会の決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行なわれ、レース1で大久保光選手が3位フィニッシュを果たし、MotoEで日本人ライダーとして初となる表彰台獲得を成し遂げました。

素直に嬉しい、日本人で初めてMotoE表彰台に立った大久保選手

 電動バイクによって争われる世界選手権『FIM Enel MotoE World Cup』(以下、MotoE)第2戦は、MotoGP第7戦フランスGPの併催で行なわれました。金曜日の予選では、2回のフリー走行で総合9番手以下のライダーが挑むQ1からQ2に進出したカサデイ選手がポールポジションを獲得。また、同じくQ1からの予選となった大久保選手は、Q1を突破して6番手を獲得しています。

MotoE初表彰台を獲得した大久保光選手
MotoE初表彰台を獲得した大久保光選手

 土曜日に行なわれたレース1は、ポールポジションスタートのカサデイ選手がレースをリードし、2番手にケビン・ザンノーニ選手、そしてスタートを得意とする大久保選手が8番手から3番手に浮上します。

 3周目を迎えた時点で、3番手の大久保選手と4番手のエガーター選手の間には1秒以上の差がありましたが、次第にその差が詰まり始めます。

 そして残り2周、エガーター選手が大久保選手をパス。大久保選手は4番手に後退しました。

 一方、カサデイ選手とザンノーニ選手は最終ラップに接戦のトップ争いを展開します。激しいトップ争いの中、13コーナーのブレーキングでザンノーニ選手のフロントタイヤが切れ込み、転倒。この結果、MotoE参戦4年目のカサデイ選手が初優勝を飾り、エガーター選手が2位フィニッシュ。そして大久保選手が3位となり、MotoEで初表彰台を獲得しました。

スタートを得意とする大久保選手(#78)。レース1では序盤にポジションを上げたことが表彰台につながった
スタートを得意とする大久保選手(#78)。レース1では序盤にポジションを上げたことが表彰台につながった

 開幕戦のスペイン大会後、大久保選手は「ル・マンでは表彰台に上がりたい」と語っており、得意とするサーキットで、その言葉を実現しました。大久保選手はレース後、MotoGPドットコムのインタビューで次のように語っています。

「昨日のフリー走行から調子は悪くなかったので、なんとか表彰台に上れるかなと思ってレースをしていました。レース展開としては反省することもあって、いいスタートで3番手に浮上したのですが、前の2台に離されてしまいました。残り2周で後ろから来たドミニケ・エガーター選手に抜かれてしまって、今回のレースは(表彰台は)厳しいかなと思っていたのですが、最終ラップにドラマがあって、表彰台に上れました。ラッキーなところもありましたが、でも、これがレースです。今は嬉しい気持ちでいっぱいです」

レース2はエガーター選手が優勝

 日曜日に行なわれたレース2は、序盤はレース1同様の展開となりました。カサデイ選手がレースをけん引し、2番手にザンノーニ選手、3番手に大久保選手が続きます。

レース2では終盤にグループでのレース展開に。車両重量が重いだけに、接戦では繊細な操作が必要とされる
レース2では終盤にグループでのレース展開に。車両重量が重いだけに、接戦では繊細な操作が必要とされる

 しかし2周目、エガーター選手にかわされ、大久保選手は4番手に後退。5周目には3番手のザンノーニ選手に迫りますが、一方で5番手のエリック・グラナド選手も大久保選手に接近していました。大久保選手は8コーナーでグラナド選手、その後ニッコロ・カネパ選手にもかわされ、6番手に後退します。

 トップ争いは最終ラップに接戦となり、2番手のエガーター選手が切り返しの3、4コーナーでカサデイ選手をパス。エガーター選手が今季初優勝を飾りました。

 エガーター選手はスーパースポーツ世界選手権(WSS)にも参戦して3勝を挙げており、波に乗っていると言えそうです。2位はカサデイ選手、3位はカネパ選手が獲得。大久保選手は6位でレース2を終えました。

 また、2020年、2021年のMotoEチャンピオンであるジョルディ・トーレス選手は、レース1序盤で転倒を喫した際、後続のバイクと接触して左足の腓骨を骨折し、レース2を欠場しました。

フランス大会レース1で表彰台を獲得したマッティア・カサデイ選手(中央)、2位のドミニケ・エガーター選手(左)、そして初の表彰台となる3位の大久保選手(右)
フランス大会レース1で表彰台を獲得したマッティア・カサデイ選手(中央)、2位のドミニケ・エガーター選手(左)、そして初の表彰台となる3位の大久保選手(右)

 MotoE第3戦イタリア大会は、5月28日、29日にムジェロ・サーキットで決勝レースが行なわれます。

■FIMエネルMotoEワールドカップとは……

 2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、2022年シーズンは各2レース、7戦14レースが予定されている。バイクはイタリアの電動バイクメーカー『Energica Motor Company(エネルジカ・モーターカンパニー)』の電動レーサー『Ego Corsa(エゴ・コルサ)』のワンメイク、タイヤはミシュラン。2022年シーズンのMotoEには11チーム18名のライダーが参戦し、唯一の日本人ライダー大久保光選手は2年目のシーズンを迎えている。

【画像】2022年シーズンのMotoE第2戦を見る(6枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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