Vmotoの電動原付二種スクーター「VS1」が持つ、ビジネスバイクの見た目を裏切る面白さ
一見すると「ビジネスバイク」の印象を受けるVmotoの原付二種の電動バイク「VS1」。しかし、走らせてみると見た目の印象はいい意味で裏切られ、その面白さに魅了されることになりました。
気持ちのいい加速感
Vmotoの「VS1」は、日本では2022年、MSソリューションズの電動バイクブランドXEAMのラインアップに加わった原付二種の電動バイクです。

外観はビジネスバイク。フロント、リヤキャリアは標準装備ですが、今回試乗したVS1はオプションのフロントバスケットとリヤボックス付きのもの。どちらも大きめなので、業務用として多くの荷物を運ぶにはもってこいだと感じます。
また、日常の相棒として考えれば、リヤシート下の収納スペースがない、または少ないという電動スクーターのデメリットを、フロントバスケットまたはリヤボックスのどちらかだけでも十分にカバーできそうです。

またがってみると、車両自体の重量は150kgながら、フロントバスケット、リヤボックスがあることで、前後に重みを感じます。筆者(伊藤英里)の体格(身長153cm、体重42kg)では、これ以上荷物を積んでいたらバランスをとるのに注意が必要かも、と思えました。
シート高は760mmですが、足つき性はちょっと難アリ。スクータータイプの特徴とも言えるのでしょうけれど、広いシートやステップボードにより、筆者の場合、乗車姿勢の状態ではほぼ足がつきません。といっても体を前後左右にずらしやすいので、タイミングのコツさえつかめば、足つきに苦戦することはなく、その点で不安はありませんでした。どちらかというと、上述した重さと、自分が停止時に体重移動することによってバランスをとることに気を配る必要があると感じました。

ただ、少しばかりネガティブだった重さは、走り出すとポジティブな印象に変わったのです。加速時、「これは面白いぞ」と思わずにんまり。シート下にバッテリーが搭載され、アップライトな乗車姿勢のちょうど下に位置していることや、前後のフロントバスケットとリヤボックスの重さ、こうしたバランスがちょうどいい印象で、加速時は抜群の安定感。
もちろん、カーブに入っていくときにも不安がありません。まるで250cc以上のスクーターを走らせているような感覚です。電動バイクを走らせると、そのトルク特性からアクセルを開けたとき荷重をかけにくい感覚があるのですが……もちろん、筆者の走らせ方がまだ、内燃機関のバイクと同じであるということもあるでしょう、電動バイクの走らせ方はおそらく少し異なるのではないかと思っています。

リヤボックスの重さなのか、それとも、もともとこのVS1が持つ重量バランスなのか、その不安感がありませんでした。だから安心してアクセルを開けることができ、緊張なく気持ちのいい加速感を味わうことができるのです。この出力についても、過敏すぎない操作性のよさがあります。ちなみに走行モードは1(エコ)、2(ノーマル)、3(スポーツ)で、それぞれに最高速の上限があり、出力自体は変わりません。
航続距離はバッテリー1個で70km、2個で140km(45km/hで定地走行した場合)とのことですが、もう少し航続距離が長かったら、近場のツーリングに行けるかも……。当初、抱いた「ビジネスバイク」という印象は「一緒にツーリングに出掛けたくなるバイク」に変わっていました。いい意味で見た目を裏切るVS1、もう少し、もう少しと知りたくなる電動バイクです。
VS1はメーカー希望予定小売価格、2バッテリーモデルで64万9,000円(消費税10%込み)、1バッテリーモデルで44万円(消費税10%込み)となっています。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。


















