メッツラー新型「KAROO 4」登場 ひさびさのフルモデルチェンジ! アドベンチャータイヤの行動範囲をさらに拡げた!!

モーターサイクル用に特化したドイツのタイヤブランド「METZELER(メッツラー)」から、大型アドベンチャーバイクに向けた「カルー」シリーズの新作「KAROO 4」が登場しました。先代からどのような進化を遂げたのでしょうか。

先代から飛躍的進化、そのパフォーマンスは?

 モーターサイクル用に特化したタイヤブランド「METZELER(メッツラー)」の高性能タイヤを造る流儀は、グリップ力やハンドリング性能はもちろん、どんな場面でもライダーが安心できる優れた特性を造ってこそアクセルを開けられる。楽しめるからこそ速い!

メッツラー新型「KAROO 4」をテストする筆者(松井勉)
メッツラー新型「KAROO 4」をテストする筆者(松井勉)

 たとえばメッツラーが活躍するレースシーンでは、マン島TTレース、オフロードではエンデューロやラリーといった、コースコンディションが一筋縄ではいかず、長い距離を走る場面で強みを発揮しているのも特徴です。

 一般ユーザー向けタイヤでもスポーツツーリングタイヤの評判は高く、その方向性はコンペティション向けとまったく同一。それだけにメーカーからの信頼も厚く、標準装備タイヤとして選択されるケースが多いのも事実です。

 ここに紹介する「KAROO 4(カルー4)」は、大型アドベンチャーバイクに向けて発売されている「カルー」シリーズの最新版としてデビューしたタイヤです。今回テストしたのはフロント120/70 R 19、170/60 R 17というサイズです。

 BMW Motorrad「R 1250 GS」シリーズ、ドゥカティ「ムルティストラーダV4」シリーズや1200,1260エンデューロ、KTM「1290スーパーアドベンチャーS」、トライアンフ「タイガー」等に加え、ニューカマーであるハーレー・ダビッドソン「パンアメリカ」など、大排気量、プレミアムクラスのアドベンチャーバイクに採用されるサイズです。

オーストラリアで行なわれた「KAROO 4」のテストでは、各メーカーのアドベンチャーバイクが用意された
オーストラリアで行なわれた「KAROO 4」のテストでは、各メーカーのアドベンチャーバイクが用意された

「カルー」シリーズは、2000年代に大排気量のビッグオフロード系モデルに向けて、「MCE KAROO」として登場。2005年にはグリップとライフのバランスを向上させた「MCE KAROO T」を加えます。チューブレス用を中心としたラインナップも特徴でした。その後、2013年にはアドベンチャーモデル人気が増し、電子制御技術の搭載を見据えたラジアル構造の「KAROO 3」へと進化。そして今回、久々のフルモデルチェンジとして「KAROO 4」となったのです。

 アドベンチャーバイクは、舗装路、未舗装路も含めて楽しんで走れるように造られています。そのマルチパーパス性の中でも、未舗装路での走行性能をより高めたカルー4が、今回のテストでカルー3から進化した面を紹介します。

舗装路でのパターンノイズが、低く静かになった!

 これは驚きました。オフロード向けタイヤは、標準装備のタイヤと比較してタイヤ接地面(トレッド)にあるブロックが高く、間隔も広く設定されています。そのため舗装路では速度によって「ヒィーン」というパターンノイズが鳴り響きます。それは速度が上がるほど大きくなる傾向があり、長時間ではちょっとしたストレスになるものですが、新作カルー4ではそのパターンノイズが一気に低くなっています。

トレッドパターンの最適化により優れた静音性能を実現
トレッドパターンの最適化により優れた静音性能を実現

 60~70km/h程度でノイズレベルは上がるものの、それ以上の速度では音が収束し、100km/h走行では気にならないレベルに。ブロック配置の最適化などで解決したとのこと。

 ちなみに、ブロックの高さはフロント9mm、リア11mmで、トレッドの中でブロックが占める割合に変更はありません。それでありながら接地面を25%増やしています。

舗装路でのハンドリングが改善、低速時の素直さが印象的!

 オフロード走行を楽しむためのタイヤですが、そこまでの移動は舗装路を走るケースがほとんど。高速道路を含め舗装路性能も大事なのがこの手のタイヤの特徴です。

オンロード(舗装路)では旋回初期段階で安心感のあるスムーズなコーナリングを実感
オンロード(舗装路)では旋回初期段階で安心感のあるスムーズなコーナリングを実感

 舗装路でのハンドリング性能も向上させたカルー4は、とくに15度から20度というバイクを傾けはじめた初期の段階での安心感を向上させています。フロントタイヤの舵角もスッと入り、OEMタイヤのような反応で素直なハンドリングなのです。また、郊外をツーリングしても、峠道を楽しんでも、アドベンチャーバイクが得意とする舗装路を味わい尽くせました。

気になるオフロード性能、グリップ力と安心感がガッチリ進化

 本題のオフロード性能です。テストしたのは雨の翌日、水分を含んだ黒土や濡れた草原、赤土の場所を走りました。まず、上りでのトラクション性能が先代よりも進化しています。とくに、路面は硬いけれど表面が柔らかい上りなどで、テールが横にスライドしつつも前進する推進力を維持してくれました。つまりスキルを駆使したりしなくてもなんとかなる、これは嬉しい進化です。

縦方向の波状の溝によってオフロード(未舗装路)での横方向のグリップを確保
縦方向の波状の溝によってオフロード(未舗装路)での横方向のグリップを確保

 さらに分解すると、直進方向のグリップと横方向のグリップのバランスが良くなったとも取れるのです。滑り出した後輪のオーバートルクを是正するため、アクセルを戻しエンジン回転を下げてもジリジリ登るグリップ力は今までには無いものです。

 これはフロントの方向性を維持する確かさも向上しているので、切れ込むように滑る感覚が消えています。もちろん轍などがあれば影響は受けますが、そのなかでグリップするので、方向性が乱れません。これも重く大きなアドベンチャーバイクでは大切な安心材料になります。

ウエット時のグリップが向上

 これは、タイヤの構造、トレッド(タイヤの接地面)のデザインや採用したウエット、低温にも強いトレッドゴム、またタイヤの構造など全体の進化により、同一車両で時速85km/hからウエットテスト路(舗装路)でのブレーキングテストをした場合、カルー4はカルー3よりも平均1.85mの停止までの距離を短縮しています。長いトンネルを抜けたらその先は雨、というツーリングあるあるでは、高性能なウエット性能でライダーの心配も減らしてくれます。

ウエット性能の向上はツーリングシーンでの安心感につながる
ウエット性能の向上はツーリングシーンでの安心感につながる

 結果的に、カルー3の後継モデルとして登場したカルー4は、先代から開発された背景に、バイクの進化とともに電子制御技術も大いに進化しました。コーナリングABS、6軸方向の加速度を計測するGセンサーからの情報をもとに、よりバイクが置かれた状況を細分化してモニタリング可能になった今のバイクにはもちろん、これから想定される進化にも追従できるポテンシャルを持っていると思います。

 カルー4は、アドベンチャータイヤの行動範囲をさらに拡げたタイヤだったのです。

※ ※ ※

 メッツラー「KAROO 3」の後継モデル「KAROO 4」は2022年9月以降順次リリース予定。サイズは次の通りです。詳細な入荷時期や価格はタイヤ販売店にお問合せください。

<フロント>
100/90-19 TL 57Q M+S
110/80R19 TL 59Q M+S
120/70R19 TL 60Q M+S
90/90-21 TL 54Q M+S

<リア>
130/80R17 TL 65Q M+S
140/80R17 TL 69Q M+S
150/70R17 TL 69Q M+S
170/60R17 TL 72Q M+S
140/80-18 TL 70Q M+S
150/70R18 TL 70Q M+S

【画像】メッツラー新型「KAROO 4」の詳細をもっと見る(13枚)

画像ギャラリー

Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

編集部からのおすすめ

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

最新記事