一体なぜ? 原付に車検証がない理由
車両の身分証ともいえる車検証ですが、原付バイクには存在しません。いったいなぜなのでしょうか。
そもそも車検証ってなに?
車検証は正式には「自動車検査証」といい、車両が保安基準に適合していることと車両の所有権を、国土交通省が証明する書類です。車検証は、道路運送車両法に基づく「自動車検査登録制度」、通称「車検制度」に合格すると発行される公文書。そして、2年ごとにおこなわれる「継続検査」が、一般的に車検といわれる制度です。
また、新車登録の「新規検査」、カスタムなどの改造をおこなった際の「構造等変更検査」も車検に該当します。なお、車検を受けるには自動車損害賠償責任保険証と地方税の自動車税納付証明書、もしくは軽自動車税納付証明書が必要です。
そんな車検は、国土交通省の組織である通称「陸運局」がおこないます。
検査に合格すると、「自動車登録規則」に基づき「自動車登録ファイル」に登録がおこなわれた後、車検の有効期限が記載された「検査標章」と車検証が発行されるという流れです。

国土交通省は車検切れの車両が公道を走行していないかを監視する業務も担っており、2018年には車検切れ車両のナンバープレートを読み取り検知するシステムが導入されました。万一、車検切れのクルマで公道を走行した場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる交通違反に当たります。
また、自賠責保険切れのクルマで公道を走行した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金。車検と自賠責保険のどちらも切れているクルマで公道を走行した場合は、1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金が科せられるなど、非常に重い刑罰が下されます。
このように、クルマの身分証ともいえる車検証には、関連する規則や罰則などが定められていますが、原付バイクにはこれらが存在しません。
原付に車検証がない理由
では、なぜ原付バイクには車検証がないのはなぜでしょうか。

その理由は、原付バイクが車検制度の対象外だからです。道路運送車両法で、250cc以下のバイクは車検制度の対象外とされているため、250cc以下に該当する原付バイクは、そもそも車検制度がなく、車検証も存在しないというわけです。しかし車検制度は、車両が保安基準に適合していることと、車両の所有権を証明することを目的としています。
ではなぜ、250cc以下のバイクが車検制度の対象外になっているのでしょうか。

実は、1973年以前は軽自動車も車検の対象外でした。ところが道路運送車両法の改正により、軽自動車も車検が必要になったという経緯があります。ただその時、250cc以下のバイクは車検の対象から外れました。そして、そのまま現在に至るまで、250cc以下のバイクは車検の対象外となっています。
とはいえ、車検の対象外だからといって、点検やメンテナンスをおろそかにしていいというわけではありません。定期的な点検やメンテナンスを怠ると、事故や故障の原因にもなります。また、事故や故障に至らずとも、道路交通法第六十二条に基づき、整備不良として罰金刑を科せられる可能性もあります。

なお、250cc以下のバイクで駐輪場を契約する際は「標識交付証明書」、125cc以上250cc以下のバイクは「軽自動車届出済証」が、車検証の代替書類として認められています。これらは車両を登録する際に、ナンバープレートと一緒にもらえる書類です。
万一これらの書類を紛失した場合は、標識交付証明書は市町村役場、軽自動車届出済証は管轄の陸運局で再発行してもらえるので、併せて覚えておくと良いでしょう。






