自転車屋が見た マイナーだけど意外と多い自転車の故障箇所
自転車にはタイヤやブレーキ、チェーンなどの主要部品だけでなく、意外と修理する機会が多い箇所があります。一体何が原因で不具合が発生してしまうのでしょうか? その原因とともに紹介します。
自転車の修理箇所を知ると、街の姿が見えてくる?
自転車の修理と言えば、まずは「パンク修理」を想像する人が多いと思います。確かに実際の自転車屋でも「パンク修理」の件数は圧倒的に多く、その次にタイヤ、チューブの交換や、ブレーキ周りの整備・調整、チェーンの清掃・注油などが続きます。ただ、そういったメジャーな箇所だけではなく、じつは意外と修理する機会が多いパーツも存在します。

まず、多いのは車輪関係です。自転車の車輪は「ハブ」と呼ばれる中心の円筒状の部品と「リム」という外側の輪を繋ぐ、「スポーク」という針金のような細い金属の棒と「ニップル」という小さなナットで構成されています。
このスポークとニップルはかなり細かい部品なので、大きな重量がかかる子供乗せ自転車などで破損することがかなり多く見られます。子供乗せ自転車のスポークとニップルの修理は、件数的にはメジャーな部類の修理だと言えます。
一方で、ママチャリと呼ばれるシティサイクルなどでは、よほど無茶な乗り方や、車輪に何かを巻き込んだりしない限り、スポークやニップルが破損することはありません。
タイヤサイズが26インチ以上のシティサイクルで意外と多いのが、リムの変形です。これは正円のリムが上下の圧力でひしゃげて楕円形になるというわけではなく、横からの圧力で、真っ直ぐのはずのリムが「くの字」に曲がってしまう状態です。その状態でタイヤを転がすと、波を打つように「ぐわんぐわん」と回ります。
原因としては、倒れたところに別の自転車が乗り上げてしまったいう事故的なものもあるのですが、最近多いのは、前輪を差し込むタイプのスタンドが設置された駐輪場などで、隣の人が自分の自転車を出すときにスペースを広げようとグッと押したことで、スタンドに挟まった前輪がてこの原理で曲がってしまうというものです。

リムはスポークとニップルのおかげで上下からの圧力には強いものの、横からの圧力には比較的弱く、変形してしまった場合は残念ながら交換するしかありません。
次に意外と修理が多いのは、自転車の前輪を左右から支える「フロントフォーク」です。フロントフォークは進行方向に向かって2本の棒が平行に突き出していて、真横から見るときれいに重なって見えます。変形するとこの平行が失なわれ、車輪が斜めになってしまうので、自転車は真っ直ぐ進むことができなくなります。
こちらも原因としては事故によるものもありますが、何かに気を取られたのか、もしくはふざけてブレーキの代わりにしようと思ったのか、道路に設置されている「車止め」に正面からぶつかったことで変形したという事例がよくあります。
じつはフロントフォークは、クルマのバンパーのように、予期せぬ力が加わった際に変形することで衝撃を吸収し、乗ってる人やフレームに加わる力をやわらげるという機能もあります。つまり、基本的に自転車で何かに正面からぶつかった場合、フロントフォークは変形すると思っていた方が良いでしょう。
フロントフォークもまた、変形してしまった場合は交換するしかありません。くれぐれも故意に自転車を何かにぶつけるのはやめましょう。
自転車で意外と修理することが多い箇所をいくつか紹介しましたが、おもしろいことに、自転車屋によってその内容が変わる傾向があります。
駐輪施設が狭かったり、学校が多かったり、ファミリー層が多く住んでいたり、自転車屋が店を構える地域の特色が、修理の内容にも反映されるのです。自分の住んでいるエリアの自転車屋でどんな修理が多いかを知ることで、街の姿が見えてくるかもしれません。






