【自転車雑学】便利で身近な存在を「サステナブルな乗り物」と言うには使い手による

化石燃料を使わず、CO2を排出しない。そして健康にも良い自転車は「サステナブルな乗り物」として注目を集めています。これから先の人類が美しい地球で平和で豊かに暮らしていくために何ができるのか? 自転車と「サステナブル」を考えます。

「サステナブル」な世界と、自転車の関係

 すっかり身近になった「サステナブル(Sustainable)」という言葉ですが、日本語では「持続可能な」「ずっと続けられる」といった意味になります。これから先の人類が美しい地球で平和で豊かに暮らしていくための合言葉として、「サステナブルな社会」や「サステナブルな経済活動」といった形で使われ、社会に浸透してきましたが、自転車からも「サステナブル」を考えてみたいと思います。

自転車は「サステナブルな乗り物」なのか?
自転車は「サステナブルな乗り物」なのか?

 この「sustain(持続する)」と「able(~できる)」からなる単語が日本で一般的に知られるようになった背景には、2015年9月の国連サミットにて全会一致で採択された「持続可能な開発目標=SDGs」の存在があります。

「SDGs=Sustainable Development Goals」とは、ざっくり説明すると、飢餓や貧困、経済成長、環境問題、また、人種問題からジェンダーといった幅広いさまざまな課題に対して、豊かさを追求しながらも地球環境を守り、より良い世界を目指す国際目標です。2030年までに17のゴールと169のターゲットが設定されていて、それらを達成することが「サステナブルな世界」の実現に繋がっていきます。

 そんな「SDGs」の目標ひとつである、地球資源の枯渇や温暖化、環境問題の解消のなかで、自転車は「サステナブルな乗り物」として注目を集めています。確かに、化石燃料を使わず、CO2を排出しない、そして身体を動かすことから健康にも良い自転車はエコな交通手段として目標達成のために有効活用されるべき乗り物だと言えるでしょう。

大量生産・大量消費ではなく、大事に長く使い続けることも

 ただ、自転車にはシンプルな乗り物だからこそ、安価な部品で大量生産され、大量消費されていた過去があり、その影響は現在も続いています。車両の価格帯にもかなりの幅があり、質を問わなければ安価で手に入ります。

修理をしながら長く使い続けることもできるが……
修理をしながら長く使い続けることもできるが……

 いまでこそだいぶ少なくなったと思いますが、そういった安価な自転車の多くは、故障した際に「修理代を払うより新品に買い替えてしまおう」と使い捨てられてきました。

 いくらシンプルな構造の自転車とはいえ、1台を作るにはさまざまな資源が使われ、エネルギーも消費されます。大量生産・消費され続ける限り、「サステナブルな乗り物」と言われながら、地球環境に影響を与えるという矛盾をはらむことになります。

 確かに自転車は消耗品ではありますが、質の良い製品であれば、修理しながら長く使い続けられる乗り物です。内容によっては「修理工賃が高い」感じることがあるかもしれませが、それにはひと昔前の工賃が安過ぎたことも関係しているかもしれません。

 と言うのも、安価な自転車が大量に市場に出回り、日常の自転車が使い捨てのように扱われていた時期は、販売店にとっては車両の販売がメインで、修理はちょっとしたサービスの一部として、工賃もかなり安く設定されていました。

 それがバブルの崩壊やリーマンショックなどで景気が悪化し、自転車が売れなくなると修理工賃だけでは成り立たず、多くの自転車屋が廃業に追い込まれました。現在の高価と感じる修理工賃こそが、適正価格という見方もできます。

 なお、大がかりな修理はプロに任せた方が安心ですが、自転車は大概自分自身で修理ができるという点も大きな強みです。自分で修理することで愛着も増し、まずます長く大事に使い続けようと考えるかもしれません。

「SDGs」は国際目標として設定され、それぞれの政府や企業が取り組みを続けています。しかし、本当に達成するためには年齢や性別を問わない、あらゆる人がそれぞれの立場から行動することが求められています。

 自転車という身近な存在から、サステナブルな世界に向けた、自分ができる小さな行動を起こしてみるのも良いのではないでしょうか。

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