「お邪魔します」の気持ちを忘れずに 自転車が歩道を走行する時に守るべきルール

歩道は歩行者のための道であり、本来は自転車が走行すべき場所ではありません。例外的に歩道を走行できたとしても、守らなければいけないルールがあります。

自転車が歩道を走行することは、じつはイレギュラーなこと

 歩道を歩いていている時、猛スピードで走って来る自転車に恐怖を感じたことはありませんか? 自転車は車道を走るもの、という認識が広まってはいますが、それでも歩道を疾走する自転車は見られます。自転車が歩道を走行することは例外的に認められていますが、その際に注意すべきことをご存じでしょうか。

自転車で歩道を走行する際は、くれぐれも歩行者優先で
自転車で歩道を走行する際は、くれぐれも歩行者優先で

 大前提として、自転車は原則的に車道を走らなければいけない乗りものです。歩道は歩行者のために用意されている場所であり、人間が乗るタイヤが付いている乗りもので歩行者として扱われ、歩道を移動して良いのは車いすやシニアカー(電動車いす)、ベビーカーだけです。

 ただし、自転車は例外的に自転車通行可の道路標識がある場合や、運転者が13歳未満もしくは70歳以上の場合、そして車道や交通の状況で危険を感じ、安全を確保する必要がある場合は歩道を走行しても良いことになっています。これはあくまでも例外であり、歩道を走行する場合は歩行者の邪魔にならないようにしなければいけません。

 このことから分かるように、自転車は歩道を「使わせてもらっている」存在です。我が物顔で歩道を走行する自転車はマナーが悪いというだけでなく、しっかりと道路交通法違反です。悪質な場合は罰せられるという事を知っておく必要があります。

 自転車が歩道を走行する際に知っておくべきルールとして、まず何かあった時にすぐに停まれるよう「徐行」する必要があります。自転車の徐行は時速6~8キロ程度です。歩行者の歩く速さが4km/hほどなので、イメージとしては早歩きか軽いジョギング程度の速度です。

 次に、自転車は「歩道の中央から車道寄りを通行する」必要があります。歩行者は基本的に右側(歩道の建物側)を歩くことになるので、お互いが干渉せずにスムーズに通行することができます。ここで気をつけたいのは、車道と違って歩道での自転車は双方向に進行するという点です。車道寄りを走ってきた対面する自転車と正面衝突する恐れがあるので、注意が必要です。

 そして忘れがちですが、自転車は「歩行者の通行を妨げるようなときは停まる」です。狭い歩道などはとくに、すれ違う時は歩行者優先で停車し、無理に追い抜くような行為は避けるべきです。

 ちなみに、前を歩いている人に「どいて」の意味でベルを鳴らす人がいますが、それも立派な道路交通法違反です。自転車のベルは「警笛鳴らせ」の指示がある場所か、危険防止のためやむをえない場合でのみ鳴らすものです。くれぐれも「チリンチリン」と鳴らして進むような行為は控えましょう。

 車道が工事中であったり、大きな幹線道路で交通量が多かったり、また、子供を乗せて走っている時など、安全を優先するべき状況は多々あります。自転車が歩道を走行すること自体は悪いことではありませんが、自分が歩行者である場合のことを考え、つねに「歩道で自転車は徐行」を心掛けたいものです。

【画像】歩道を走る自転車を見る(6枚)

画像ギャラリー

最新記事