あなたの知らない(かもしれない)工具の世界 ママチャリのために存在する「輪業用ラチェットレンチ」

男子ゴコロをくすぐる「○○専用工具」という言葉。もちろん自転車屋にも存在します。その中のひとつ、庶民の足であるママチャリ(シティサイクル)を整備するために存在すると言っても過言ではないハンドツールが「輪業用ラチェットレンチ」です。

街の自転車屋が愛用する「輪業用ラチェットレンチ」

 世に溢れる様々な工具(ハンドツール)は、効率的に作業をするためになくてはならない存在です。似たような機能を備えているものであれば汎用的に使うことができますが、一方で特定の作業のためにカスタムされた専用工具も存在します。そんな特殊な工具のなかで、街の自転車屋にとってなくてはならないのが、ママチャリ(シティサイクル)のタイヤ交換に機能を特化させた「輪業用ラチェットレンチ」です。

シティサイクルの整備に特化した「輪業用ラチェットレンチ」
シティサイクルの整備に特化した「輪業用ラチェットレンチ」

 あまり聞きなれないかもしれませんが、「輪業」とは自転車の販売や修理を行う職業、つまり自転車屋全体のことを指す言葉です。バイクを取り扱う店で「○○輪業」という屋号を見かけることがありますが、創業当初は自転車の取り扱いからスタートした店に多いようです。

 この輪業の名を冠した工具「輪業用ラチェットレンチ」は、「ラチェット式ハブロックナット用レンチ」などとも呼ばれ、主にシティサイクル、いわゆるママチャリのタイヤ交換で真価を発揮します。

 一般的なママチャリの規格として、前輪は14mmのナット、後輪は15mmのナットで固定されています。これに対応するように、「輪業用ラチェットレンチ」は両口に14mmと15mmのソケットが装着されたT字型の形状をしており、これ1本あれば前後のタイヤを外すことができるのです。また、一般的に15mmのナットが使われているクランク部分でも使用することができます。

 この工具の優れたところは「ラチェット機能」を備えているところです。ラチェット機能は歯車と歯止め(爪)の組み合わせで、ナットを回す(締める/緩める)動作方向を一方に制限することができます。反対に回すと空転するため、この動きを利用すればナットを回すときにいちいち工具を外してナットにあてなおす必要がなく、固定と空転を繰り返すことで素早くナットを回すことができます。そして工具の中央にあるレバーを動かすことで回転方向を変更できるので、締め付けも緩めることも同じ動作で完結します。

 なお、建築や電設、水道管用などで同様に14&15mmのラチェットレンチもありますが、それらに比べて輪業用は柄の部分が絶妙に長くなっているため、適切な力が伝わるようになっています。

 ちなみに、ママチャリ以外のロードバイクなどで本格的なスポーツタイプの自転車の場合は「クイックリリース」など、ナット類を使わない機構でタイヤを固定しているため、整備の際に「輪業用ラチェットレンチ」を使うことはほとんどありません。

「輪業用ラチェットレンチ」は、一般生活を支える自転車の整備に特化した、街の自転車屋のための特殊な工具と言えるでしょう。

【画像】特殊なハンドツール「輪業用ラチェットレンチ」の画像を見る(6枚)

画像ギャラリー

編集部からのおすすめ

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

最新記事