【MotoGP第2戦アルゼンチンGP】雨の決勝レース 中上貴晶選手はスクリーンにトラブルを抱えたまま13位
MotoGP第2戦アルゼンチンGPが2023年3月31日から4月2日にかけて、テルマス・デ・リオ・オンドで行なわれ、MotoGPクラスに参戦する中上貴晶選手(#30/ホンダ)はスプリントレースを11位、決勝レースを13位で終えました。
開幕戦から「1歩」の前進が見られた第2戦
2023年シーズンのMotoGP開幕戦の舞台となった、ポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベから南アメリカ南東部に移動し、第2戦はアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドでの開催です。開幕戦ではスプリントレース、決勝レースともに苦戦を強いられた中上貴晶選手(#30/ホンダ)ですが、アルゼンチンGPでは初日から総合8番手につけます。

2023年シーズンからは土曜日に行なわれる予選のQ2へのダイレクト進出が、初日のプラクティス1と2の総合結果によって決まるため、初日セッションの比重が大きくなっています。
中上選手は初日総合8番手になったことで、土曜日の予選はQ2からとなりました。開幕戦では初日15番手だったことを考えれば、Q2進出を確保したポルトガルGPの初日はまずまずの走り出しとなりました。
予選で11番手を獲得。土曜日午後に行なわれた12周のスプリントレースでは11位。翌日曜日は朝から雨となり、ウエットコンディションで25周の決勝レースが行なわれました。

決勝レース後『MotoGP.com』に語っていたところによると、「朝のウオームアップの10分間の走行は雨の中で6番手だったので、良いレースができるかなとは自分自身も期待していたし、自信もあった」ということです。
4列目11番手からスタートした中上選手は、10番手走行中に1周目の7コーナーで9番手のファビオ・クアルタラロ(#20/ヤマハ)と接触するという一幕もありました。その後は13番手から15番手での走行が続き、最終的に13位でゴールしました。

中上選手はレース前からスクリーンに問題があり、視界が悪い状況でスクリーンから頭を出していなければならない状態だったと言います。そもそも雨の中のレースでは、前を走るライダーが巻きあげる水しぶきや雨によって視界が悪く、操作もより細やかさが必要となります。中上選手にとっては、それに加えてスクリーントラブルによって通常とは異なる体勢で走らざるをえなかったということで、さらに神経を使う、難しいレースとなったことは想像に難くありません。
ただ、そんな中でも完走し、13位でポイントを獲得したことは、プラスの側面だったといえるでしょう。
また、予選やレースではやや奮わなかったとはいえ、金曜日のセッションでのポジションが開幕戦よりも良かったことは確かです。2戦立て続けに週末を通してトップ10に入れないような状況ではなかったわけです。これらもまた、アルゼンチンGPにおける収穫でしょう。

次戦の第3戦アメリカズGPは、アルゼンチンから北に移動してアメリカのテキサス州オースティンに位置する、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで2023年4月14日から16日にかけて行なわれます。また1歩、もう1歩の前進が求められます。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。