平均身長とバイクメーカーの個性は相関関係にある? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.187~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、平均身長とバイクメーカーの個性は相関関係にあると言います。どういうことなのでしょうか?

国による体格の違いが、バイクの個性に関係しているのかも?

 ドイツ人のクルマ好きはつとに有名だが、もちろん同時にドイツ人のバイクへの愛着も相当に深い。僕(筆者:木下隆之)はドイツに長逗留していると、つくづくそう実感するのだ。

BMW Motorrad「R 1250 GS」 ※写真は特別仕様車
BMW Motorrad「R 1250 GS」 ※写真は特別仕様車

 とくに人気なのはアドベンチャー系であろう。BMWモトラッドが最大派閥のようで、背の高い、まさに鉄の馬のような「R1250GS」を初めとしたGS系が目につく。身長のけして高くない(脚が短い)僕では、すぐにでも立ちゴケしてしまいそうなバイクにまたがる姿を目にするのである。

 これはもう、身長の高い国民ゆえの傾向に違いない。そう思って調べてみると、ドイツ国民の平均身長は世界的にみても高い。およその数値で申し訳ないのだが、日本人男性の平均身長が170.7cmに対して、ドイツ人男性は180.2cmと、約10cmも高いのである。

 僕はシート高800mmあたりがまたがれるかまたがれないかのおよその尺度だが、さらに10cmも身長が高ければ、しかもそれに比例して体重も重いであろうから、ズッシっとダンパーを縮める幅も考慮すれば、あれほどのシート高のバイクにまたがれるのも道理だ。

 ちなみに、デンマーク人はさらに高身長で181.5cm、オランダ人は182.5cm、スウェーデン人が179.6cmで、ノルウェー人が179.7cmだ。北欧系は背が高いのである。たしかにサッカーW杯や夏冬の五輪を観戦していると納得する。

 意外なのは、アメリカ人の175.0cmだ。イタリア人は176.4cm、スペイン人は173.4cm、そしてインド人はとくに小柄で165.7cmだという。

ベスパ「GTS SUPER 150」にまたがる筆者(木下隆之)
ベスパ「GTS SUPER 150」にまたがる筆者(木下隆之)

 こうして見ると、平均身長とバイクメーカーの個性には、相関関係にありそうな気がする。男性の平均身長が180.2cmのドイツで生産されるBMWのバイクは、GS系のような背の高いアドベンチャーが人気である。スウェーデン発祥のハスクバーナはオフロード競技車をメインにすることでもわかるとおり、シート高は低くない。

 意外に身長が高くないアメリカは、シート高の低いハーレー・ダビッドソンのローライダー系が主流である。中肉中背のイタリアは、モト・グッツィやベスパのようなクラシカルなバイクが存在する。

 ここで挙げた国の中でもっとも平均身長が低いインドには、クラシックなロイヤルエンフィールドがある。

 バイクの個性は身長だけで決まるわけではなく、道路事情や国民性など、さまざまな要因で進歩と退化を繰り返しながら進化している。少々乱暴な論調だと思って許していただきたいのだが、「R1250GS」を軽々と乗りこなしているドイツ人の姿を眺めていると、憧れとともにそう思わざるをえなかった。

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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