愛車を自分好みにカスタムしたい! マフラーを社外品に交換する際の注意点とは
バイクはマフラーがむき出しとなっているため、交換すると性能だけでなく、見た目の変化も楽しむことができます。しかし、ひと口にマフラーを交換すると言っても規制も関わってくるため、注意すべき点はいくつかあります。そこで、社外品に交換する際の注意点をご紹介します。
社外マフラーに交換する意味とは?
バイクカスタムの定番といえば、社外マフラーへの交換です。バイクはマフラーがむき出しのため、交換すると性能だけでなく、見た目を変える事ができるので、もっとも手軽なカスタムといえるでしょう。しかし、ひと口にマフラーを交換すると言っても規制など、注意すべき点はいくつかあります。
そこで、マフラーを社外品に交換する際の注意点を解説します。

マフラーの主な機能は消音です。エンジンから発生する排気音を、排気の流れの最終部分に付いているマフラーの中で抑え、外に排出する仕組みです。
また、最近のマフラーには触媒と呼ばれ、排気ガスの中に含まれている有害物質を取り除く為の部品が入っています。マフラーを外してエンジン側から中を覗き込むと、無数に穴が空いた筒が入っているのが見えますが、これが触媒です。クルマの場合はマフラーとは別になっていますが、バイクはスペースに限りがあるため、マフラーの中に入っています。

最近のモデルでマフラーを交換する際に注意したいのは、この消音と排気ガス。特に排気音に関しては騒音問題に発展することから重要視されていて、純正状態でもその数値はシビアなので苦労する部分でもあります。そのためマフラーを交換するのは騒音や排ガスについての規制が緩かった時代よりも、性能アップ面での効果は薄いと言えます。
社外マフラーメーカーの中には、純正と交換後の性能曲線や向上馬力を発表しているところもありますが、ほぼ変わりはなく、馬力もわずかしか上がらないというのが実情です。性能の向上があまり期待できないだけに、現在のマフラー交換は音量自体はそのままに音質を変化させたり、見た目を変えるというドレスアップ効果が主な目的と言っていいでしょう。
マフラーに関する規制とは
マフラーに関係する規制としては、とくに騒音についてが年々厳しくなっています。
以前は、マフラーの近くで騒音を計測する「近接排気騒音規制」のみでした。それが平成22年規制では加速時の騒音も加わって、非常に厳しいものとなり、バイクメーカーも開発に苦慮するほどに。そして現在は、国際的な基準に合わせるために、「近接排気騒音規制」は廃止され、新しい基準が採用されていています。
新規制の対象となるのは、平成28年(2016年)10月1日以降に登場した新型車と平成33年(2021年)9月1日以降に生産された継続車など。これらについては、マフラーの業界団体JMCAなどの認定を受けたものにしか交換できず、もちろん改造は禁止です。
社外マフラーを購入するとマフラー本体に認定プレートが付いていたり、認証の書類が同梱されているのはこのためで、認証済みのマフラーでも書類がないと車検には通りません。

つまり社外マフラーを選ぶ際には、信頼できるメーカーやブランドの製品にするというのが基本。それ以外を選ぶと、違反になったり(取り締まりは強化されています)車検に通らなかったりするので、このことは大前提として覚えておいてください。
そのうえで社外マフラーにはふたつのタイプがあります。
まずはスリップオンマフラーと呼ばれる、マフラー部分だけを交換するタイプ。そしてフルエキゾースト、通称フルエキと呼ばれる、エンジンから出る排気管からマフラーまでをすべて交換するタイプに分かれます。
スリップオンマフラーは価格も比較的安く装着も簡単。マフラー部分を交換するので、純正とは見た目も大きく変えられるため、カスタム初心者にもオススメのタイプです。ただ、馬力アップなどの性能はあまり望めません。
一方、フルエキゾーストは排気系をすべて交換する為、排気効率の向上も期待できるカスタム。スリップオンよりわずかではありますが、馬力も上がります。ただし価格はもちろんのこと、交換費用もただ差し替えるだけのスリップオンマフラーよりも高くなります。

前述したように、今ではマフラーを交換することで性能が大きくアップすることはありません。
排気音の音色を変えたり、見た目をスポーティにするなどが、マフラー交換のメインの目的。そのため、選ぶときは同車ユーザーの交換レポートやメーカーのカタログ装着写真などをよく見て検討すると良いでしょう。