家康公ゆかりの地をバイクで巡る旅 負けっぱなしじゃ終わらない!? その日のうちに夜襲、武田軍を「犀ヶ崖」に追い落とす!!

NHK大河ドラマ『どうする家康』では、数々の困難や危機を乗り越える様が描かれています。生涯唯一の大敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」ですが、浜松城に逃げ帰ったその夜、武田方を夜襲により崖に追い落としたと言われています。それが浜松市の「犀ヶ崖(さいががけ)」です。現場をバイクで訪れました。

武田軍に大敗、撤退したその夜に一矢を報いた家康

 1572年の「三方ヶ原(みかたがはら)の戦い」で武田信玄に大敗した徳川家康は、命からがら「浜松城」へ逃げ帰ったと伝えられています。大きなダメージを受けた家康ですが、タダでは終わらせない、それが「犀ヶ崖古戦場」に残る戦の物語です。スーパーカブでその地を訪れ、崖の上に立ち見下ろすと、意外なほど深く切り立っていました。当時はこんなものではなかった……と、「犀ヶ崖資料館」のスタッフが親切に教えてくれました。幅は約50m、深さ40mもある絶壁が2kmほど続いていたそうです。

浜松市中区鹿谷町にある「犀ヶ崖資料館」を訪問。バイクや車の駐車スペースもあり、ゆっくり見学することができた
浜松市中区鹿谷町にある「犀ヶ崖資料館」を訪問。バイクや車の駐車スペースもあり、ゆっくり見学することができた

 ここで奮闘したのが、家臣の大久保忠世(おおくぼただよ)です。「三河一向一揆」では家康を助け、その後も家康を支えた重要人物です。大河ドラマ「どうする家康」では小手伸也さんが演じています。

 大久保は、石川一正(いしかわかずまさ)らと鉄砲隊と共に夜陰に紛れて武田軍を襲撃したのです。この襲撃の下地となる仕掛けも面白いです。まず「犀ヶ崖」付近に野営する武田軍を誘き寄せるため、崖に白い布をかけて大きな橋がかかっているように見せかけたといいます。「布橋」という地名はここから来ているのだとか。

実際に崖の上に立つと、向こう側には民家が建ち、崖の規模は当時に比べてだいぶ縮小されているようだが、それでもかなり深く、木々に覆われていてやや怖い
実際に崖の上に立つと、向こう側には民家が建ち、崖の規模は当時に比べてだいぶ縮小されているようだが、それでもかなり深く、木々に覆われていてやや怖い

 さらに家康は「浜松城」近くの「普済寺(ふさいじ)」に火をかけ、城が炎上しているかのように見せかけています。そして武田陣営の背後から鉄砲を打ち込み、織田信長の援軍が来たと思わせ、武田軍の人馬もろとも崖に追い落としたのです。

「三方原の戦い」で家臣の武将も亡くして逃げ帰った家康は、その時点では茫然自失していたのかもしれませんが、その夜のうちに一矢を報いたのです。かなり優れた家臣に恵まれていたとも言えるでしょう。

徳川四天王の1人、本多忠勝(ほんだただかつ)の叔父に当たる本多忠真(ほんだただざね)は、「三方ヶ原の戦い」からの撤退の際に殿(しんがり)として戦い、39歳にしてこの地で討死した(NHK大河ドラマ「どうする家康」では浪岡一喜さんが演じている)。その忠義を称え、後に碑が建立された
徳川四天王の1人、本多忠勝(ほんだただかつ)の叔父に当たる本多忠真(ほんだただざね)は、「三方ヶ原の戦い」からの撤退の際に殿(しんがり)として戦い、39歳にしてこの地で討死した(NHK大河ドラマ「どうする家康」では浪岡一喜さんが演じている)。その忠義を称え、後に碑が建立された

 この戦には後日談があります。翌々年頃から、夜更けに崖底から人や馬のうめき声が聞こえるようになったり、怪我人の続出、イナゴの大群による農作物の不作などが発生したことなどから、これを「犀ヶ崖のたたり」と捉えた家康は供養をして鎮めたと言います。現在も受け継がれる「遠州大念仏」の行事の起源とも言われているようです。

「犀ヶ崖資料館」では、解説動画のほか、歴史家の磯田通史氏監修のジオラマなど「三方ヶ原の戦い」の模様を学ぶことができる
「犀ヶ崖資料館」では、解説動画のほか、歴史家の磯田通史氏監修のジオラマなど「三方ヶ原の戦い」の模様を学ぶことができる

 1000人もの犠牲を出し戦に敗北した家康ですが、タダでは終わらない、まさに一矢を報いた戦いが、この「犀ヶ崖」に伝説として残っています。また同時に、家康の身代わりとなって死んでいった武将の碑も建立され、痛みを伴う勝利の地として残されているのです。

【画像】家康公ゆかりの地、「犀ヶ崖古戦場」を詳しく見る(14枚)

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